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岩林誠6

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シティプロモーション施策の立案と実行-新規施策へのチャレンジ(3)

【岩林誠(いわばやしまこと) 経歴】
四街道市役所シティセールス推進課長。J-PHONE/ボーダフォン宣伝部、I&S BBDO(広告代理店)、はるやま商事マーケティング部等でのマネジメントを経て、四街道市初めての民間出身管理職として現職。

(記事提供=シティプロモーション超入門

 施策立案に関することを2回にわたり書いてきました。今回は実際のシティプロモーションのアイデア開発方法について触れたいと思います。

 アイデア開発といっても、シティプロモーション部門職員にアイデアを考えてもらうことは想定していません。
 もちろん、内輪でエッジィなアイデアが出てくれば一番いいので、それはそれで歓迎すべきことですが、私の考え方は少し違っていて、職員は「ディレクター」役を務めるべきだという考え方です。
 つまり、極端にいうと、自分自身、課員自身が考えるのではなくて、外部の民間企業を有効活用すべきだいうことです。これには理由があります。

  • 配属される職員が必ずしもアイデア開発のスキルが高いとは限らない
  • プロモーションに関する情報やシーズ(ネタ)は民間企業内に蓄積されている

 というのが、主な理由です。上述したように、プロモーションの企画を組織内部で行うことを必ずしも否定するものではありませんが、効率や効果から鑑みると、上手く民間企業を活用する方が、迅速かつ幅広いアイデアが開発できるものと思われます。
 まず、そのためには最低限のグランドデザインを組織内部で作成する必要があります。ここは行政組織の一番の難しさでありますが、事業の執行を行う前年の8か月前くらいから施策の検討を始め、3か月程度前にはおおよその予算案の策定が完了してしまうからです。地方自治体職員ならば理解していると思いますが、来年度は「PR動画を制作する」「子育て情報サイトを制作する」「グルメイベントを行う」「交流人口促進ツアーを行う」等々の最低限の枠組みを決めておく必要があります。
 では、このグランドデザインをどのように作成するのか。これは、日ごろの情報収集や思考を重ねるしかないと思います。地方自治体行政に関する雑誌、書籍、ウェブサイトに小まめに目を通し、他の自治体での成功事例などを参考にするのもいいでしょう。ただし、それでは他の自治体の「後追い」にしかなりませんので、まったく新しい施策については、それら情報とは異なる経路から情報収集する必要があります。
 具体的には、行政領域に留まらないビジネス情報、ICT情報、健康や福祉に関する情報、防犯や防災に関する情報等々に目を配るといいでしょう。
 ただし、日々これらを追跡するのは、日常業務の合間ではなかなか難しいところがあります。それらを補完する手段としては、検索エンジンのアラートサービス(キーワード設定でニュース等を自動的に通知してくれるサービス、Googleアラート等)や都市圏で行われている様々な展示会で情報収集するのも有効です。
 私自身は展示会で情報収集するのが好きです。好きというのは「百聞は一見しかず」だからです。シティプロモーションに関係するソリューションは、実際に見たり担当者から聞いたりした方が、やはり手っ取り早いからです。もちろん、展示会に出展している企業は、一部の企業に限られるわけですが、代表的な企業や代表的なソリューションが展示されている可能性は高いと思います。ですので、少なくとも新しいプロモーションプランを考えるきっかけづくりやヒントには十分なりえます。
 事前登録すれば、多くの展示会は無料で入場できますし、会場で企業担当者と名刺交換してくれば、企業側から定期的に情報提供されるようにもなります。
 四街道市で新規に実施したイベントやPR動画のアイデア提案企業も展示会での接点が起点になっている場合があります。以下、東京や大阪で行われているシティプロモーションとの接点が大きいと思われる展示会をいくつか挙げておきます。参考にしていただければ幸いです(写真はCEATEC JAPAN 2019、筆者撮影)。

 次回は、事業者の探索、選定、活用の方法についてお話したいと思います。

まとめ

  • アイデア開発は内輪で行うことに固執しすぎず、上手く民間企業を活用すべき
  • 新奇性あるグランドデザイン開発には、行政領域に留まらない情報収集が必要
  • 検索エンジンのアラートサービスや展示会などを活用するのも有効

<参考>マーケティング及び自治体関連主要展示会

CEATEC JAPAN 2019

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