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『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2017』推薦文Vol③

地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード詳細Vol3

‐今日で推薦文のご紹介も3回目となります。今回は、生水裕美氏(しょうず ひろみ)と杉本拓哉氏です。

 民間人である私から見ると、生水氏が取り組む「生活困窮者自立支援」という行政の仕事は、本質的な意味での深い価値を世の中に生み出す、まさに本来評価されるべき公務員の仕事だと思います。

 また、杉本氏の推薦文にある「手柄は地元に譲る形で裏方に徹しており」という箇所に私は感動を覚えました。サラリーマン時代に私が遭遇した、部下の手柄を横取りする上司に見てもらいたい推薦文です。 

生水 裕美氏 <野洲市役所 市民生活相談課>

推薦者:今井 透氏 <滋賀県庁 商工観光労働部商工政策課>

①取り組んでいる事柄の事実
「良質なおせっかい」で、生活困窮者支援をリードする

フォーマル:市民生活相談、生活困窮者支援
インフォーマル:しが生活支援者ネット(副代表)

②推薦者がなぜそれを凄いと感じているのか
 氏は、その採用からしてドラスチックだ。滋賀県野洲市の消費生活相談員(嘱託職員)として採用され、規定により雇用が満了するところ、あまりの手腕に嘱託職員から正規職員として採用されたという経歴を持つ。その後の氏の活躍は目覚ましい。

 野洲市での消費生活相談、多重債務者プロジェクトや総合的な市民生活相談(相談に来た人に各部署を回ってもらうのではなく、相談窓口に各部署の人を集めて一挙に問題解決に取り組むという新しいスタイルの生活相談を切り開いた)を実施し、その活躍から国の多様な委員を歴任し、内閣府のパーソナルサポートサービスの創設に深く関わり、厚生労働省の生活困窮者自立支援法においては、地方公務員の立場から同法の立法化に尽力した。

 また、弁護士、司法書士、医者、社会福祉士、大学教授、地方公務員などからなる「しが生活支援者ネット」を平成22年から立ち上げ、現在は同ネットの副代表としてセミナー等を開催し、野洲市のみならず滋賀県内の市町や県全体の生活困窮者支援施策のレベルアップにも多大な貢献をしている。さらに、同ネットや野洲市の職場においても若手公務員の育成にも尽力し、育成した人材が、氏が務めていた同ネットの事務局長を譲り受けるなど、次世代のための人材育成も着実に行っている。

 まさに、「良質なおせっかい」パワーの炸裂である。今やその活動に巻き込まれた関係者の間で「生水被害者の会」が結成されるほど(苦笑)、その「おせっかい」パワーはすさまじい。しかし、その根底にあるのは、「1人の相談者も救えなければ、地域は救えない」といった良識ある理念である。公務員である我々は、常にこの理念に立ち返る必要があり、その意味において、氏の活動は、まさにすべての公務員が模範とすべきものである。

 
審査員のコメント(山本享兵氏):

 現在では常識になりつつある生活困窮者自立支援の考え方について、地方公務員の立場から立法化に尽力したことは、傑出した成果だと思います。

 
審査員のコメント(後藤好邦氏):

 窓口の一元化という相談者目線による消費生活相談の新たなスタイルを確立するとともに、多様なセクターや他自治体とのネットワークを幅広く構築し、生活困窮者等への支援を行なっている点で評価できる。

杉本 拓哉氏 <石川県庁 企画振興部企画課>

推薦者:中橋 竜慶氏 <石川県庁 総務部人事課>

①日本海に突き出た能登半島(羽咋市)出身の杉本さんは、以前に所属した課において、能登空港の利活用促進を担当された。
 首都圏に口コミベースで能登のファンを広めるため、都心のビジネスマンが研鑽に集う丸の内朝大学において、能登の魅力を発掘・再定義するコースを設ける事業を、斬新なアイデアながら粘り強く庁内に説明して実現に漕ぎ着けた。

 広い能登半島の中でも、離島であることから地理的に一段と交通に不利であり、自然や伝統が多く残る能登島において、朝大学の学生が地方の農村・山村・漁村に感じる魅力を発掘するフィールドワークや地元との意見交換ができる環境を整え、能登空港の活用につなげた。
 その結果、首都圏の方が自然や伝統に触れ合い、遊び、仕事を体験する、2泊3日のツアーが完成するに至り、「うれし!たのし!島流し!」と題して、これまでに3年以上にわたって毎年4回のツアーが現在まで継続開催され、リピーターも多く獲得する人気となり、地元新聞にも複数回取り上げられている。

②これらの成果のためには、彼の次のような資質が不可欠であった
・深い郷土愛
→所属や担当業務に関係なく、郷土を心から愛すればこそ、地元の人からも以前から信頼されていたこと

・協働できる地元人脈
→官の中にも民の中にも様々な考え、利害関係を持つ人が混在していることを熟知し、いつどこで誰に何をどうやって、どの順番で働きかけるのか。タイミングを決して外さなかったこと

・事業センス
→能登島が古来は罪人の流刑地であったネガ要素を逆に活用し、文脈として地域資源を捉え、説得力を持たせて都市住民に訴求したこと。その際、ツアー全体を流刑に見立て、参加者は受刑者、田植え体験のようなアクテビティを刑、地元の世話人を看守と呼ぶ、キャッチーなアイデアで抜かりなく仕立てたこと。
 なお、異動となり全県の高等教育担当となった今でも、個人として様々な形で能登の活性化に尽力している。

 また、いやらしいことに(笑)、彼は自分から成果を誇ることはなく、手柄は地元に譲る形で裏方に徹しており、そのことが、このイベントが彼の手を離れて自転することにつながっている。

 以上、杉本さんはまさに本県の宝。隠れた地域活性化の立役者であり、住民の幸せ向上に貢献する、地方公務員の鑑(ヒーロー)として相応しいと考えるので、今回受賞候補者として推薦するものである。

 
審査員のコメント(山本享兵氏):

 現地から離れた場所で、新たな講座を、役所として公式に実現するということは、庁内外双方に対する卓越した調整力がないと不可能なことであり、傑出している方であると思われます。

 
審査員のコメント(後藤好邦氏):

 地元と対話しながら地域が活性化するような事業を考え、その事業を丸の内朝大学と活用しながらPRしている点や、異動後もプライベートで地元の活性化に関わっているところが評価できる。

 明日は、須藤文彦氏(水戸市役所)と田中明美氏(生駒市役所)に続きます。

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