‐ついに最後のお二方。諫早市役所の福薗恵子氏と、熊本県庁の和田大志氏の紹介文をご紹介します。
福薗氏の推薦文には、「自分を盛ることなく、何のアピールもせず、ただただ目の前の利用者を大切にする姿に学ぶべきことが多い」とある。こういった方こそ称賛されて欲しいと思います。自治体における正規雇用と非正規雇用の問題を耳に挟むことがありますが、活躍する非正規雇用の方がもっと増えることを願っています。
和田氏の推薦文を見ると、『SIM2030』という爆発的に普及したゲームを開発したという実績と別に、「笑顔のある役所にしようとした」とある。このゲームでわかるように、財政がひっ迫していく自治体。その中で、笑顔はお金をかけずに人を幸せにできる数少ない武器、それを活用されていらっしゃるということも、本当に素晴らしいアクションだと思います。
福薗 恵子氏 <諫早市役所 こどもの城>
推薦者:池田 尚氏 <諫早市役所 こどもの城> / 大久保 康子氏 <諫早市役所>
また、平成27年に開催された「森のようちえん全国交流フォーラム」では、核となる実行委員として活躍するのみならず、自ら「火のワーク」というプログラムを担当し、幼児期の自然体験活動の重要性と面白さを全国の指導者に知らしめた。さらに、平成29年7月現在、セブンイレブン記念財団が国内の有望な指導者から選ばれた6名をドイツへ派遣する研修の最終選考に選ばれている。
②これらのことを嘱託員という非正規雇用の立場で全て実践していることに彼女の凄さを感じる。非正規雇用とは言え、公務員に準ずる立場であり、併せて正規雇用の公務員への刺激になり、さらには非正規雇用の立場で頑張っている方々への激励となると考え、推薦した。彼女が勤務する諫早市こどもの城の利用者の親からは、「神様」と呼ばれるほどであり、彼女を崇拝する親(特に、子育て中の母親)も多い。全て、自分の時間とお金を使ってプログラムや教材開発に取り組み、もちろん何の設備も提供されていない。
“UNCO”プログラムにおいては、生物の糞や人間による交通事故等で命を絶たれた動物の死骸を拾い、その糞、骨、毛皮などをきれいに教材として整え、動物が生きた証である死骸から、人と自然の関係を子どもたちや親に伝えている。平成29年1月にJapan Outdoor Leader's Awardで大賞(つまり日本一)に輝いた北広島町の学芸員である白川勝信さんは、「彼女はすでに学芸員を超えるレベル」と語る。そんな彼女であるが、自分を盛ることなく、何のアピールもせず、ただただ目の前の利用者を大切にする姿に学ぶべきことが多い。我が国の公務員のお手本となる人物であると考え、推薦する。
審査員のコメント(山本享兵氏):
審査員のコメント(後藤好邦氏):
審査員のコメント(佐々木絵理氏):
和田 大志氏 <熊本県庁 知事公室>
推薦者:村川 美詠氏 <諫早市教育委員会 生涯学習課>
②初めてSIMを体験した日、とにかくビックリしました。「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」の時代に、「対立」を「対話」で乗り越えるには、「何のために、どんなまちをつくるのか」、そんなことを真剣に考え、それを広めていくために、ゲームを作って体感してもらおうなどと考える自治体職員がいるんだ!ということに。名前のとおり大きな志をもって、本業でもオフサイトでも、チャレンジを続けておられる和田さんは、とにかくスゴイとしか言いようがありません。
推薦者:緒方 崇徳氏 <福岡県庁 総務部人事課>
SIM熊本2030の開発、暗黙知の継承など各地に波及する大ヒット企画を連発されており、変革リーダーとしての実績を着実に積まれています。自身の本務は県の中枢中の中枢で、熊本地震対応や県政の舵取りという重責を担われているほか、お子さんが生まれたときには長期の育児休業を取得するなど、とても真似のできない道を歩んでおられます。誰にも親しみやすい気さくなお人柄も含め、尊敬して止まない、敬愛する地方公務員です。
小さい子どもさんが四人おられる中で時間外に県職員の自主活動グループを率いて、職員採用ムービーを作成されているとか、県民を笑顔にするためにまず職員を笑顔に、ということで、ある日突然正門前に集団がいてハイタッチを求めてくるゲリライベントをやられている。
審査員のコメント(今村寛氏):
審査員のコメント(山本享兵氏):
審査員のコメント(後藤好邦氏):
お礼と振り返り
本日をもって、全ての方々の紹介文を掲載させていただきました。今回、受賞とならなかった方も含めて、多くの素晴らしい方が自治体にいることが確認できました。そして、まだまだ認知度の低いHOLGの企画でこれだけすごい方々を紹介していただけたので、全国にはまだ見ぬすごい自治体職員の方が山ほどいるのだろうと確信できました。終わったばかりで気が早いのですが、来年もまた本企画を行ないたいと思っています。
ただ、ここで一つ私の懸念を述べますと、自治体職員が外部からの賞などを受賞することがあると、組織内でまわりから距離を置かれたり、嫌がらせを受ける人もいると聞く点です。このウェブサイトをご覧になられている方には、受賞者に対してそういったことをする方はいらっしゃらないと思いますが、このイベントを問わず、何か表彰などをされた人が周りにいた場合、その方をサポートする文化をそれぞれの自治体の中に創っていただけないかとお願いしたいです。
これからの時代は官民問わず、個人が活躍できる環境を構築できない組織のパフォーマンスは上がりません。「出る杭は打たれる」という文化がまだ存在するようであれば、それは「百害あって一利なし」だと思います
HOLGの力だけでは私の目的とする「地方公務員の方々がより力を発揮できる環境の構築」はできないかもしれません。ただ、一つ確実なことは、活躍した際に広く評価される職員個人が増えることで、自治体の見られ方や環境は必ず変わります。将棋というゲームの良さをどれだけ口で説明するよりも、藤井聡太四段のような輝く人が出て来るだけで、将棋のイメージが変わることと同じです。
自治体職員の皆さんは自治体が持つ『信頼』などのプラスのイメージと、『お役所仕事』などと言われるような、マイナスのイメージにも向き合っていると思います。もし、職員個人が表に出て、その活躍が広まれば、自治体のイメージは向上し、民間企業や住民とも様々な取り組みが、今よりも行ないやすくなるのではないでしょうか。もっとわかりやすい例でいうと、窓口でクレームを言う人の数も減るのではないでしょうか。それにもかかわらず、職員個人の活躍を阻害するということは、かならず全国の自治体にとってマイナスになるだろうと思っています。
いずれにせよ、本企画はHOLGとして主宰させていただきました。もちろん、この文責もHOLGにあります。本企画に関わり『突然表彰されることとなった受賞者』、『活躍する方への称賛を望まれた推薦者』、『無理を言って引き受けていただいた審査員』の方々には一切の責任はありません。むしろ、リスクをとって関わっていただいた皆様を称えていただけたらと思います。
初めての試みで至らない点もあったと思いますが、修正すべきところを修正し、次回に繋げて行ければと思います。また、改善案や他の切り口などでできるイベントのアイデアなどがありましたら、ページ下部のコメント欄に残していただけたら嬉しいです。
また来年、本企画に沢山の方々の推薦をいただけるように、引き続きHOLGの影響力を少しでも高めて行きたいと思います。ここまでご覧いただきました皆様、今回関わって下さった全ての方々、本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
<記=加藤年紀>
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