インタビュー

【四條畷市長 東修平 #1】「働き方改革」は市民に向き合える組織を作ること

東修平 1
【東 修平 経歴】
1988年大阪府四條畷市生まれ。四條畷高校、京都大学工学部卒業、同大学院工学研究科修士課程修了(原子核工学専攻)。その後、外務省、野村総合研究所インドを経て、現役最年少市長となる(当選時28歳)。全国初の取り組みとして、民間人材サービス会社とのコラボによる副市長公募や、コミュニケーションアプリを用いた協働のまちづくりシステムの構築など、新しい基礎自治体のあり方に挑み続けている。

-最近、「働き方改革」という言葉がよく聞かれるようになった。働き方というのは、組織の目的に沿って答えが変わるモノであるから、分かりやすい正解がない。そんな中、四條畷市では、全国最年少で市長に就任した東修平市長が肝いりで「働き方改革」を進める。
 東市長は何を目的に、そして、どのように「働き方改革」を行っているのか、また、「働き方改革」に直結するという利権の問題、さらには将来の展望についても伺った。

四條畷市の働き方改革とは

加藤(インタビューアー):四條畷市の働き方改革の話を、耳にすることが増えてきました。

東市長:前提として、東京では「働き方改革」という言葉は浸透しているかもしれないですけど、地方ではまだまだ。「働き方改革? 何それ、おいしいの?」くらいの感じなんですよ。東京で流行っているワードだからと言って、さほど広まってないのが実情です。

 ただ、僕自身、働き方改革は公務員の世界でこそ重要だと思っています。生産性を上げようとした時に、企業は例えば売上を労働時間の投入量で割ればいいと思いますが、行政にはいわゆる売上に相当するものがないですよね。

 となると、何を目標に我々は働くのかをブラッシュアップしないと、行政にとっての働き方改革ができないんです。これまでは「こういう会議を何回しました」「予算をこれだけ使いました」というのを成果としてみるのが当たり前でしたが、これからは「新規創業が何件増えました」「健康寿命が何歳伸びました」ということを成果指標とした働き方に変えなければいけません。

市民に向き合う組織を作るには

東市長:僕にとってのゴールは、とにかく市民に向き合える組織を作ることなんです。そのために大事なことは2つあって、1つは市民にとって価値のない作業に時間を使わない組織にすること。

 もう1つは組織を多様化させることです。例えば、家族を介護しながら3時間しか働いてない正職員が市役所にいても本当は良いじゃないですか。市民が多様化しているんだから、職員も多様化してないと、制度や運用なんて考えられないですよね。いま、民間から子育て中の女性の副市長に入ってもらっていますが、それも多様性の確保につながっています。

加藤:選挙の時に働き方改革をするという話もされたのでしょうか?

東市長:していないです。働き方改革というのは、それだけを聞くと職員のためとしか聞こえないですよね。単に労働時間を短くするように聞こえますし、市民にとって直接の変化としては分かりにくいですから。

 ただ、市長に着任した5日目くらいに、「労働時間革命自治体宣言」という、組織を挙げて業界や社会全体の働き方改革を促進する宣言に、四條畷市として賛同しました。もちろん議会にもご了承いただく必要があったので、すぐに職員に相談して進めましたが、着任直後でもあり少し大変でした。

着任1週間で部長級の人事異動

加藤:取り組むうえで初めは何に気をつけていましたか?

東市長:小さく始めないことです。働き方改革をスモールスタートさせると、会議の短縮化とか、資料を一枚にまとめるとかそういう話になりがちです。そうなると、働き方改革の本質を見失って、小手先の業務改善になってしまう。それを非常に恐れていました。だから、就任直後の議会における所信表明で、働き方改革を最重要課題に位置付けたものの、実際に始まったのは半年以上経った秋くらいです。

 ただ、その前段階として着実に進める体制を作るために、人事課長に理解、納得をしてもらいました。実は、うちのいまの人事課長はプロパーで30代です。この年齢で人事課長は珍しいのではないでしょうか。ただ、うちの課長の中で一番若いのに、熱い思いと馬力があります。抜擢人事で市役所内がザワザワしましたが、僕が着任して2週間後から人事課長を務めてもらいました。

 実際、着任直後に一番力を注いだのが人事異動です。着任して1週間しか経っていないうちに、部長級でも重要なポストにいる幹部を多く動かす内示を出しました。そうすることで、何をしている人が評価されるのか、一番分かりやすいメッセージになりますよね。

加藤:1週間でどう判断材料を集めたのでしょうか?

東市長:当選(1月15日)直後から、就任(1月20日)までの間、寝る間も惜しんで元職員や市役所関係者等から徹底的に庁内の情報を収集しました。そのうえで、就任してから実際に職員とやり取りするなか、聞いていた内容とイメージのすり合わせを行い、有無を言わせず内示表を「これ」と渡したんです。反論は認めないと(笑)。ただ、2ヶ月後の新年度4月1日付の異動は、課長級以上全員と一対一で面談して、課長代理級以下とはランチミーティングを実施しました。この時は譲れない部分だけ指示を出して、他は人事課長に任せました。

加藤:改革に向き合う状況が整ったわけですね。

東市長:はい。その後に具体的なアクションが始まります。

※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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