インタビュー

市長選には約1000万円の資金が必要 - 東修平 四條畷市長 #6

東修平9

5万人規模の市長選で約1000万円の費用

加藤:選挙の費用はトータルでどのくらい必要でしたか?

東市長:うちの規模だったら、市議会議員選挙の場合、100万円でも戦えると言われています。でも市長選は、自治体の規模にもよりますが、新人が現職に勝つには約1000万円は必要になるのではないしょうか。僕はあまりお金がなかったんですが、なけなしのお金すべてを使い、それが全体の半分から3分の1ぐらい。残りは寄付です。

寄付金が約600万円

加藤:寄付の金額がとても大きいですね。

東市長:寄付だけで600万円くらいあったと思います。思い返す度に泣きそうになるんですけど、会ったこともない老夫婦が封筒にお金入れて、「あんたまちを変えてくれるんやな、頼むわ」って渡してくれるんです。

加藤:会ったこともない人からですか?

東市長:そうです。ビラに「お金がないので個人寄付を下さい」って書いたんですよ。「しがらみが生まれるから大口の寄付はもらいません」と。地元の名士のなかには、「金の工面も自分でできひんようなやつに、市長やらせたらあかん」と言われたりもしてたみたいですけどね。

加藤:ビラを配っているってことは、4か月前とか3か月前とかってことですよね。それはもともと想定できる資金なんですか?

東市長:いや、ここに関しては見切り発車です。出馬を決めたときには、そんなにお金かかると思ってなかったので(笑)。いま考えたらアホですよね、なんでそれで勝てると思ったんですかね(笑)。

一番費用をかけたのはビラ

加藤:合計1000万円くらいを使ったわけですよね。何に一番費用がかかりましたか?

東市長:ビラです。イメージ戦略でそこは妥協せず、しっかりとした見やすいデザインにし、A3サイズのちょっと厚目の紙に両面フルカラーで沢山刷ったんで、高かったですね。

加藤:ビラは何回くらい作ったんですか?

東市長:出馬表明してからは、10月末と12月末と、選挙期間中に3種類ぐらいです。

加藤:計5種類くらいですか?

東市長:はい。ただ、同じビラを配りきってしまって、後から増刷したこともありました。地域との意見交換会で配ったり、もう一度、全戸配布したりとか。

加藤:1種類当たり何部くらい刷ったんですか。

東市長:だいたい1種類で3万部くらい刷っているので、全部で20万部ぐらいは印刷したのではないでしょうか。

コアファンがビラを迅速に配布

加藤:ポスティングは業者にお願いしたんですか?

東市長:最初はポスティング業者に依頼したんですけど、精度が低かったです。全戸配布でおねがいしているのに、1戸飛ばしでポスティングされていたりしたので、網羅率が低く、おそらく3割くらいだったんですよ。

 でも、2回目の全戸配布の時には、地域ごとに熱心に応援してくださっている方がバーッと配ってくれて、2日半とかで全世帯に配布できました。普通、みなさん少なくとも1週間以上かけて全世帯配布するんです。2日半というのはありえないですよね。

 しかも、年末の12月28~30日という、誰も外に出たくない極寒のなか、みなさん必死にやってくれました。

多くの協力者の存在

加藤:コアファン以外にも協力者はいたんですか?

東市長:最後の選挙期間中は、野村総研の東京、インドからも個人的に応援に駆けつけてくれましたし、外資系コンサルなどに勤めている友人も、有給を使って応援にきてくれました。「1週間、仕事休んでくれ」って(笑)。

 だから、選挙対策本部で取り仕切っていたのは、選挙自体は知らないけど、地頭が良い友人たち。聞いたらすぐ話が分かる人です。ヘッドである選挙プランナーが指示した時に、それをすぐ吸収し、実行してくれる。これが、なまじ選挙を知っている人が取り仕切ると、プランナーの言うことを聞いてくれないんですよ。「うちの市ではそうじゃない」とかって言うんです。だから、優秀な人に夜中とかに電話で「お願い、四條畷に来て!会社休んで!」って(笑)。

加藤:それで来てくれるところが、市長の人望ですね。最初の協力者はどういう人がいたんですか?

東市長:最初はインターンの子と二人がメインで、数か月やりました。あとは、おかん、姉。それに、同級生、同級生の兄弟や親。基本的に誰も選挙を知らない人たちです。そうした方々の助けをもらい、意見交換会を1か月くらい毎晩やっていました。

 最終的には、誰が僕を応援してくれているのか自分でも把握できないくらいたくさんの人が事務所に来てくれ、電話がけをしてくれる人たちも、選挙での電話がけのベテラン、みたいな人が3人チームで助けてくれていました(笑)。

加藤:東市長の話を読者の参考にしてもらえたらと思いましたが、真似できない気がしてきました(笑)。

東市長:特殊なことはしてないはずなんですよ。だって、人が足りなかったからお願いするとか、政策を知ってもらうにはビラを配るとか、正攻法で突飛なことは何もやってない。

加藤:地頭や人望、そして、人間力はなかなか真似できないですよね(笑)。

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※本インタビューは全8話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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