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コアファンを作るしかなかった短期決戦 - 東修平 四條畷市長 #5

ビラの写真がだんだん笑顔に変わる

加藤:選挙の戦い方について掘り下げてお聞きしたいんですが、前の市長は現職一期で、二期目に挑む状態。地盤も強かったのでしょうか。

東市長:親戚がたくさん地域におり、父親も元議員という典型的な、いわゆる地元の名士でした。逆にそれが良かったのかもしれません。僕は親族に政治家が一人もいないので、市民にはそういう対比で見えたかもしれないです。

加藤:具体的にどういうタイプの人に投票してもらおうというイメージがあったんですか?

東市長:大阪の人は本当に橋下さんのことが好きで、男の人も、女の人も、おじいちゃん、おばあちゃん含め、東京の人が思っている以上に大好きなんです。たぶん8割ぐらい好きやと思います。なので、最初は分かりやすくイメージづくりするために、ビラも改革風の顔をしていたんです(笑)。

 ただ、分析していった時に女性からの評価が想定よりも多いと分かったので、ビラの写真も厳しい表情からだんだん笑顔に変えていきました(笑)。文字のフォントも明朝が、丸ゴシックとかになったり(笑)。

 こんなん言うとちょっと恥ずかしいですけど、ビラにはムチャクチャ自信があります。これを読んでさえしてくれれば、ちょっと話聞いてみようとなる。それくらい時間と労力をかけて練り上げたものだったんです。

コアファンを作るしかなかった短期決戦

加藤:ビラはいつ頃出しましたか。

東市長:最初はテストも兼ねて、自分の顔と名前は出さないタイプのビラを7月に発行して、選挙戦を意識したビラは選挙の3か月前くらいですね。その2か月後に別のビラを出しました。もう、ギリギリのタイミングですよね(笑)。「あいつは本当に存在するのか?」「どこで会えるんや?」っていう。

加藤:そうですよね(笑)。最後の1週間で一気に露出したとのことですが、そんな短期間で選挙区を網羅できるんですか。

東市長:もちろん、全人口5万6千人を網羅することはできないです。そもそも、選挙まで1年もなかったので、通常のアプローチが全く通用しない。もし、準備期間が2年あれば恐らくやりました。

 そのため、コアなファンを作るしかないという結論になりました。「とにかくあいつはやってくれそう」「あいつは信頼できる」と言ってくれる人を作る。そうすると、そういう人が各地域で、選挙期間までずっと話してくれるじゃないですか。もうこの戦法しかない、と。

加藤:なるほど。

東市長:よく意見交換会とかも、100人200人集めないと見栄えがと悪いって言うじゃないですか。でも、僕は規模の小ささを意識して、1時間ほど3人とかで膝を突き合わせてやるんですよ。

地域で信頼されている人が意見交換会に来る

加藤:意見交換会に来る人は、事前にどういう人が来るのか分かっているんですか?

東市長:いや、分かってないです。でも、そういう場に来る人って感度の良い人じゃないですか。

加藤:なにか、ベンチャー企業がニッチ領域を攻めていくのと近い気がしますね。

東市長:めちゃくちゃ近いと思います。

加藤:最初にアーリーアダプターみたいな人が意見交換会に来る。

東市長:そうなんですよ。後から考えたら、地域で信頼されている人が来てくれていたんじゃないかと思います。

選挙プランナーは本物じゃないとあかん

加藤:選挙コンサルは雇われたんですか?

東市長:お金はなかったんですけど、選挙の経験が全くない自分にとって、複雑な公職選挙法のことを考えると、選挙プランナーは選挙戦の根幹になると思い、「本物じゃないとあかん」と考えました。バーッとインターネットで検索して、実績や発言などから「この人だ!」と思って、選挙プランナーの松田馨さんの元に、選挙の4か月前に会いに行ったんです。

 今でもよくネタで言っているんですけど、松田さんの対応が結構冷たくて(笑)、「若すぎるし、地元での活動歴がないから市議選から出たら?」って(笑)。でも粘って、「政治家になりたいわけじゃないんです!」「うちの市の未来がかかってるんです!」って、面会予定1時間のところを3時間かけて説得。資料も作っていって、人物相関図とか票分析とか政策集も持って行って、1つ1つ説明しました。

 そしたら、「分かった。東さんの熱意に負けて引き受けるけど、市長選挙は甘くない。ましてや大阪維新の会が支援する2期目の現職相手なんて、100回やって1回勝てるくらいに思って」と言われたんです(笑)。そこから一緒に方針、戦略などを決めました。たとえば、ビラを徹底的に撒くというのも松田さんのアイデアですし、公職選挙法のレクチャー、写真撮影、世論調査、旗の色やキャッチフレーズ、意見交換会の場所とかも助言をもらいました。

 まちの将来がかかっている中、そもそもの戦略が間違っていると勝てないし、選挙違反のリスクもあります。選挙プランナーは本当に信頼できる人じゃないとダメですね。

※本インタビューは全8話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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