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選挙は政治哲学を市民に問うもの - 東修平 四條畷市長 #4

立場の強い現職

加藤:よく若い首長が生まれる時に、現職の不祥事が絡むことが多いじゃないですか。前市長の不祥事があったり、大きな不満が広がっていたわけではないんですか?

東市長:不祥事といわれるようなものは全くなかったですね。あってほしかったぐらいです(笑)。しかも、体育会系で長身、イケメンやったんですよ。ずっと母親に「あんた見た目じゃボロ負けやで」と言われていました(笑)。
しかも真面目な方で、毎朝駅立ちしているんですよ。60歳を超えておられましたが、ブログもSNSもやっておられました。

あえて対立軸は作らない

加藤:差別化を意識して、政策では明確な論点を作ったんですか?

東市長:当然、選挙で勝たないと市を変えられないんですけど、僕の基本理念としては、市を二分したくはない。たとえ勝ったとしても、相手を批判して勝てばその後の分断が永遠と続く。それは良くないと思い、あえて対立軸を作らないようにしました。

 だから、地域で意見交換会をしてるとき、市民の方から「勝ちたいんやったら、もっと橋下徹とか、トランプ大統領みたいにやれ」って言われるんです。ちょうど僕、トランプ大統領と着任日一緒なんですけどね(笑)。

 大阪人は橋下徹さんが大好きなんで、そのイメージを首長に求めるんですよ。ちょっと事情通みたいなおじさんが(笑)。

加藤:(笑)。それに対して、どうやって答えるんですか?

東市長:その時に僕は「市を二分したくない」と言い続けるんです。でも、こうした姿勢を支持してくれる人は実際に多いんです。特に女性の方は、人を攻撃するのが嫌いという方が多い印象があります。選挙なのに、いつ聞いても相手の批判をしてないっていうのは新鮮に感じられたみたいです。着任以後も過去の批判は一切しないと決めています。まぁたまには言いたくなることもありますが、そこはぐっとこらえています(笑)。

加藤:絶対ありますよね(笑)。でも、結果的にプラスにならないですよね。

東市長:そうなんです、何にも生まれない。批判している自分ですら嫌な感情になりますから。だから、「批判をしない」、「対立軸を作らない」というのはもしかしたら大きかったかもしれません。

選挙は政治哲学や判断プロセスを市民に問うもの

加藤:そうすると、政策の話はどうしていたんですか?

東市長:今のまちづくりの根幹に関わる話ですが、市長のマニフェストなんて大体みんなが同じこと書いているんです。たとえば、「子育てを応援します」とか、「産業を活性化します」とか。でも、そんなことは、誰が書いても一緒で「そもそも活性化って何やねん」みたいな(笑)。

 僕は、選挙は政治哲学を市民に問うものだと思っているんです。たとえば国政だと、大きな政府が良いのか小さな政府が良いのかというレベルの話です。地方だと、トップの強力なリーダーシップを求めるのか、多くの市民を巻き込んでいくリーダーが良いのかとか。

 僕はライフワークとして、今年もたぶん50回以上は市民と意見交換会をやるんですけど、スピードが遅いと言われたりもするんです。「パッと判断していくときはいかな」みたいな、スピードを重視する人もいたんです。

 でも、僕はまず客観的なデータを集め、アンケートを取り、市民と対話した上で、決断し、実行します。それは絶対にぶらさない。そうやると訴えて僕は選挙に勝ったからです。

加藤:政策そのものでは無くて、考え方やその判断プロセスを伝えた。

東市長:ある種、そこが差別化やったんです。前の市長は「こうと決めたらそこに向かう」、どちらかというと市民との接点が薄いタイプだったんです。

 いま四條畷市は、「市民中心のまちづくり」というキャッチフレーズで行政運営を進め、職員も徐々にですが、この言葉を使ってくれるようになりました。市長になって1年ぐらい経つと、「これだと市長が承認してくれへんな」という基準が伝わってきていて、市民目線でないものは少しずつ無くなってきています。

※本インタビューは全8話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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