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地方にないのは「仕事」じゃない-過疎地は人口減少に立ち向かうことができる#2

(文=八幡平市 中軽米真人)

希望する職を求めて人は移動する

希望する職を求めて人は移動する

前回、「22歳の壁」についての論考をお届けしたところですが、果たして本当に仕事が人の移動のキーになっているのか、今回はこの点についてもう少し深掘りしてみたいと思います。

まず、もっとも多くの転出が生じるタイミングである大卒時点の進路から、若者たちのニーズを概観してみましょう。

県内の学生の就職先は、7割が県外、県内は3割という、まさに大きな人口移動が起きる大きなきっかけとなっています。
一方、そうした学生たちがどんな業種に就いているのか。ここを見ていきましょう。

県内と都内就職大学生の就職先
都内に就職した学生と、県内に就職した学生で大きく傾向が違うことが見て取れますね。
教育学部があるので、どうしても公務員・教員へ進む子が多くなるのは当然なのですが、
県内に残り就職する人に人気の職種は

 1公務員・教員
 2小売
 3情報通信

の順となっています。一方、都内に就職する場合は

 1情報通信
 2公務員・教員
 3小売

といった職業が人気です。
まさしく、外へと飛び出していくケースは、地元にない職種を求めているのだ、ということが推察できますね。

高い専門性を発揮するために大学へ進学して人的資本の価値を高めたのだから、そりゃあもちろん学んだことを活かすことができる職に就きたいという心情も頷けます。加えて大学に進学したことで、より高給な企業で雇ってもらえる可能性が開けたのですから、投資に見合う経済的なリターンを得ようと考えるのも当然です。

すでに転出した人に聞いてみる

学生たちの進路状況から彼らのニーズが明らかになりましたが、すでに転出した人たちはどう考えているのか、その理由を聞いてみました。

転出者へのアンケート

上は、市内の全世帯に協力をお願いして、お盆で帰省した人を対象に、なぜ市内に戻ってこないのかを聞いたアンケート調査の結果です。圧倒的に大多数を占めるのは、「希望する職種がない」。はい、これで仮説がほぼ実証されましたね。

望む職種がないから外へ出て行く。
肌感覚となんとなくの想像で皆さんが思っているであろう、実にシンプルな答えですが、出て行く人の心理がクリアになりました。そしてここには見逃してはいけない点が、もう一つあります。魅力的な仕事があるかどうかということが、外に出ていく理由になると同時に、地元に残ってもいい理由にもなり得るということです。

なければ作ればいいじゃない

とは言ったものの「ウチにはそんな仕事ないよ。そもそもないからみんな出て行ってるんだよ!」なんて悲痛な叫びも聞こえてきそうです。

もちろん、そうした向きもあるでしょう。望む条件に叶う仕事がないからこそ、若者たちはどんどん市外へ移動してきたワケですからね。
仕事は、なにもないところにいきなり生まれたりはしません。ニーズのあるところに、経済性が成り立つからこそ存在できます。「だったら無理じゃん」なんて声が聞こえてきそうですが、そう決め付けるのは早計です。

なければ、つくればいいのです。

つくるといっても、闇雲にやればいいというものでもありません。では、何の職を作り出そうと言うのか。もちろんそれは、外に出ていく人たちのニーズの高い職業が望ましいワケです。
そう、もうお分かりですよね。

地元に残る子たちの第三位であり、都内に就職する子たちでは堂々のナンバーワンを誇る職種。「情報通信」です。

地方に足りないのは仕事をつくれるプレイヤー

よく地方民の口から「地方には仕事がない」なんて話を聞くと思いますが、そんなことはありません。地方に足りないのは、仕事ではなく「仕事をつくれるプレイヤー」なんです。

地方の過疎地にだって、人は住んでいます。
人が住んでいるところには、困りごとが発生して、それを解決して対価を受け取るという仕事は存立し得るワケですね。

そして、情報通信であれば、顧客はネットの海の向こうに無数に存在します。ネットが普及すればするほど、居所はどこであろうと関係なくなっていく仕掛けです。

我が国の開業率は、OECD諸国中でも最低ランクではありますが、起業したいニーズというものは、それなりにあるワケです。特に近年は、ベンチャー企業の創業が相次いでおり、全国の自治体で起業塾などを開催する動きも広がっています。

そうした起業を目指す志のある若者を集めることができれば、どんな過疎地であっても、情報通信業を生み出すことは、不可能ではないのです。

次回は、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう、「ウチは田舎で何もない」という常識をひっくり返します。

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