『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2022』、6人目の受賞者の紹介です。
東 克宏(大阪府大東市 政策推進部 部長)
推薦者1:溝口 尚也(熊本県人吉市 経済部長)
取り組み概要、「すごい!」と思うポイント
地域再生のためハード・ソフトで公民連携を推進。行政手法として確立を目指し日本初公民連携条例を制定!
推薦文
昭和期後半の急激な人口増や大水害により、義務教育施設、水害対策等に多大な出費を強いられ、平成期には2年連続で赤字日本一に転落した大東市。必要最低限の我慢の時代を過ごす中で、人口・税収は減少、まちの知名度も人気もなく、住民は市に、市は国に依存する体質がはびこる。依存体質から脱却し、住民みずからが自分でつくったまちに住むために、待ち望まれる「新しい担い手」の誕生。そんな中で東氏が辿り着いた答えが「公民連携事業」。同じく財政難に喘ぎ令和2年大水害に見舞われた我が人吉市。復旧復興への希望の光として同氏が展開する「公民連携」の取組に熱く注目するとともに、大いなるベンチマークとして追いかけていきたい。
◎東さんのここがスゴイ!!
1)大東市の財政難、知名度不足を背景に一念発起。都市経営プロフェッショナルスクールで学ぶ。そのまま学びを学びで終わらせず「公民連携事業」を実践。現在も強力に推進!
2)「民間が主役。行政はサポート」というスタンスを貫き、「大東公民連携まちづくり事業会社」を設立。財政課長、政策推進部長というゴリゴリの企画財政マンから、「黒子」に徹するに公民連携事業の先駆け的に存在に華麗に転身!
3)一過性の事業に終わらない。しっかりと行政経営の仕組みに落とし込むために、大東市公民連携基本計画を策定。北条まちづくりプロジェクト(morinekiプロジェクト)、アクティブ・スクウェア大東など、公共施設・用地等を活用した4つのリーディングプロジェクトを推進。さらに日本初の公民連携条例を制定!
4)自分の自治体のみにとどまらず、公民連携を推進し全国に横展開する「NPO法人自治経営」の立ち上げに参画。初代理事長に就任!
5)公民連携を全国の自治体組織の経営改善ツールとして横展開し着実に根付かせるべく「NPO法人自治体経営マネジメント研究」において「公民連携研究会」を令和4年度に立ち上げ!
推薦者2:宮本 歌奈子(大東市 政策推進部 公民連携推進室)
取り組み概要、「すごい!」と思うポイント
「ⅿorinekiプロジェクト」の影の功労者
固有名詞で仕事ができる唯一無二の行政マン!
推薦文
大東市の公民連携事業を黒子として支える東克宏さんをご紹介します。
①民間をリスペクトし、黒子に徹する
東さんの「公民連携」は、民間のやりたいことを、行政が徹底的に黒子となって応援するもので、いわばアイドル(民間)とマネジャー(行政)の関係に例えることができます。黒子で活動される原点には、民間へのリスペクトがあります。東さんは、まちづくりの基本は「稼ぐまちづくり」で、行政は稼ぐことが苦手であるという大前提に立たれており、稼ぐまちづくりの実現には、民間の力が必須だと考えておられます。条例や制度をつくり民間が活躍しやすい環境づくりを進めてこられました。
②固有名詞で、街へダイブ
東さんは、机上の空論ではダメで、まちづくりを自分事として語れないといけないと言います。「街へダイブ」と称し、固有名詞で民間と交流をされます。また、大東市のまちづくりに必要となれば、全国どこへでも駆けつけ、その道の実践者に教えを請いに行かれます。情熱的なトップセールスが、多くの著名な方々が、大東市に関わってくれるきっかけとなっており、morinekiプロジェクトをはじめ、大東の公民連携事業の成功につながっています。
③アドバイスを徹底に実行する
東さんは、公民連携の有識者やその道の実践者にもらったアドバイスは必ず実施されます。実践者のアドバイスを受け、機構改革を実施し、公民連携基本計画をつくりました。言われたことをするというのは簡単に見えますが、これって本当に大変だと思います。多くの方はアドバイスを聞くだけ聞いて、結局言い訳を理由にして実行までには至りません。この守破離の姿勢は本当に尊敬します。
公務員でありながら、組織・役職に頼らず、固有名詞で活動できる唯一無二の行政マンであり、東さんのような公務員がいると、第一線で活躍する民間は、全力で走っていくことができると思います。
推薦者3:宮下 智(群馬県庁 デジタルトランスフォーメーション戦略課)
取り組み概要、「すごい!」と思うポイント
NPO法人自治経営を立ち上げ、初代理事長として公民連携事業実践者のネットワークを構築
推薦文
大東市役所の東さんは、私が2018年に公民連携によるまちづくりを学ぶために入学した「都市経営プロフェッショナルスクール」の大先輩です。大東市の職員として、日本初の公民連携条例を制定し、市営住宅の建て替えや住道駅周辺エリアのプロデュース、健康福祉事業等に公民連携の手法を取り入れて目覚ましい成果を上げてきました。
2020年には、その穏やかな人柄と厚い人望でプロフェッショナルスクールのOBを取りまとめ、「NPO法人自治経営」を設立し理事長に就任。全国各地の公民連携事業の実践者をネットワーク化し、多様な自治・経営が行われる世の中にするための陣頭指揮を取っています。具体的には、自治体のまちづくりに関する計画策定等の「伴走型支援」、会員の実践事例集である「ケーススタディブック」の制作・販売、これからの時代に必要な公務員を育てる「公務員力養成講座」など、東さんのリーダーシップのもと様々な事業が生まれ、メンバーが各事業において自律的に動き、活躍しています。
東さんと出会ったおかげで私の活動の幅も大きく広がり、2020年には地方公務員アワードを頂くことができました。私は、日本の公民連携のトップランナーである大東市役所東さんを推薦します。
推薦者4:富田 咲希(大東市 政策推進部戦略企画課)
取り組み概要、「すごい!」と思うポイント
日本各地を駆け学び、都市景観大賞を受賞する公民連携事業を実現!
事業実現の裏にある学び続ける姿勢
推薦文
大阪府大東市は、かつて2度の大洪水を経験し赤字日本一になるなど財政的に大変厳しい状況でした。このままの行政運営ではいずれ立ち行かなくなることは目に見えている。状況を打破すべく、全国的にもあまり例のなかった「公民連携事業」を大東市で取り組むこととなります。とはいえ、黎明期であった公民連携事業のいろはがわからない。東さんは、当時既に役職を持つ立場でありながら、単身自腹で公民連携を学ぶスクールへ飛び込み、全国の事例を研究しながら、人脈を築かれました。
さらに大東市内や大阪府内にも足を運び、自ら営業の最前線に立ってパブリックマインドを持つ民間事業者の発掘と、事業実現に奔走。遂には全国初と言われる、民間事業者がエージェントとなって公民連携で公営住宅を建て替えてエリア全体の価値を上げるmorinekiプロジェクトを実現させました。(令和4年度都市景観大賞「都市空間部門」大賞受賞)
年齢や立場に関わらずいつまでも学んでおられることは、常に仕事机の上に新しい本がたくさん積まれていることからもよく分かります。
休日も自費で視察や講演会などに足を運び、情報収集をするほか、非営利活動法人 自治経営の理事長も務め、講演会の講師としても全国を駆け回っています。大東市にとどまらず、全国各地で公民連携事業に取り組む、自治体職員や民間事業者を応援し、学び合いを続けておられるのです。
座して学ぶだけでなく、実際のまちに繰り出し、自分事として体験する、そして大東市のまちづくりに反映させるその行動力と推進力は、まさに「すごい!」公務員であると考え、推薦いたします。
審査員のコメント
学びから実践へとしなやかに移行する意志の強さを感じます。稼ぐまちづくりのために人をつなぎ、人を動かすには相当の熱意と努力が必要ですが、それを継続する信念に敬意を表します。(須藤 文彦)
学びに飛び込み,それをアクションに必ずつなげる。公務員業界に欠けたピースがここにあると感じました。(平塚 雅人)
役所でできることを明確にし、取り組みを組織に街に着実にインストールする手腕が圧倒的。(河尻 和佳子)
公民連携を徹底し、NPOを立ち上げるなど横展開しているところが評価できる。(吉川 牧人)
民間を前面に出しながら、それをキチンと行政がサポートする。まさに地域ニーズを適切に解決していく方法を確立しているのだなと感じました。(森田 修平)
東 克宏さん、受賞おめでとうございます!
【地方公務員アワード2022 受賞者の推薦文はこちら】
⑴荒井 菜彩季さん ⑵田中 雄大さん ⑶寺井 優介さん
⑷橋本 隆さん ⑸出蔵 健至さん ⑹東 克宏さん
⑺山中 正則さん ⑻小野寺 崇さん ⑼廣濱 学さん
『地方公務員アワード2022』全体発表はコチラ
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1979年より毎年、自治体職員を1年間、研修生として受け入れる研修制度「自治体等パブリックセクター年間研修受入制度」を実施。座学、OJT、フィールドワーク等で弊社の社員と共に働き、学び、帰任時には首長に自主提案を行う。観光や広報に限らず、幅広い分野部署で活躍できるプロデューサー人財の育成を目指す。
NECグループの社会ソリューション事業をICTで担う中核ソフトウェア会社として、社会やお客様とともに、先進技術とイノベーションで新たな価値を創造し、持続可能な社会を実現します。お客様の課題を解決する従来の業務システム開発/業務PKG提供に加え、共創を通じて社会課題を解決する社会価値創造ソリューションに取組んでいます。
「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」をミッションに掲げ、企業とメディア、生活者をつなぐインターネットサービス「PR TIMES」を運営し、地方自治体300市区町村を含む6万5000社超が利用。地域情報を流通させる為の枠組みづくりとして、42都道府県で銀行、メディア、自治体と提携をし、各地域事業者の情報発信を支援しています。(R4年5月時点)
不動産・住宅情報サイト『LIFULL HOME'S』のノウハウを生かした全国版空き家バンク『LIFULL HOME’S 空き家バンク』の運営をはじめ、地方移住マッチングサービス「LOCAL MATCH」の運営や空き家等の地域課題を解決できる人材の育成を目的とした『LIFULL地方創生 スクール』を開講するなど、空き家問題の解決や地域活性のための取り組み等を行っている。
日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を運営し、インターネットを通じて今ある課題を解決するだけではなく、未来志向で新たな希望を作り出すことにも挑戦していきます。また「Yahoo! JAPAN」の行動ビッグデータを活用し、住民理解や観光課題等の自治体課題解決のご支援するデータソリューション事業を展開しています。
ビジョンは「自立した持続可能な地域をつくる」。2012年4月に創業、同年9月に国内初のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を開設。18年東証プライム市場の株式会社チェンジとグループ化。現在、行政DX化支援をするパブリテック事業や地域経済循環を促す地域通貨事業、電力の地産地消を目指すエネルギー事業を展開。
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「テレ東、地域創生やるってよ」を旗印に、自治体向けには情報番組『都会を出て暮らそうよ』、旅番組『ハーフタイムツアーズ』、グルメ番組『虎ノ門市場』を活用したシティプロモーションとコマースを融合させた事業を展開。PRにとどまらず地域経済の活性も狙う地域創生事業を実施しています。
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地域に飛び出す公務員を応援するために、50人を超える首長が参加。過去4回にわたって「地域に飛び出す公務員アウォード」を主宰。過去の受賞者プレゼンやサミットの内容はこちら。
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格闘家・桜庭和志が立ち上げた打撃のない安全な組み技競技ブランド。老若男女が取り組める健康増進・防犯対策として、過去に秋田県庁や生駒市役所と「ねわざ祭」を開催。全国の自治体とも連携を図っています。
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