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1億円の範囲なら失敗しても大丈夫【よんなな会若手首長セッション#4】

(編集=金治 諒子)

 未来の希望を職員と共有する

東氏:今日は公務員の方が集まっていらっしゃるので、どうしても我々首長は住民の皆様と話すときに「対話を重視して」とか、「地域みんなと一緒になってやっていきたい」というセリフを吐きがちなんですけど、一方で庁内にいる職員からしたら、「住民と一緒に」というセリフはわかるけれども、やっぱり一緒にやっていくのは職員であって、職員のことはどう思っているんだ、という思いは必ずあると思うんですね。
 ドラスティックな改革をしていこうとすればするほど、職員とどれだけ一緒になって前に進んでいけるかが非常に重要だと思う中で、山添町長がおもしろい話をされていたので教えていただいてもよろしいですか。

山添氏:・・・・・。

会場:(笑)。

東氏:副町長のやつ(笑)。

山添氏:あのー。確かに住民の皆様と共に歩くということを私たちは重要視しています。けれども施策の立案、施策の方向性を定めていく段階では、副町長や担当部署の長との連携を密にしています。例えば私が100%の無理難題をしかけたときに、いまの副町長はその難題を真摯に受け止めていただいて、80%、90%まで仕上げてくれる方です。こうして日々の業務の中で、自分が求めるものと、職員と一緒に育める段階のものを見定めながら、一つ一つ事業を推進しているという状況です。

 とりわけ、私は職員との対話も大変重要視しています。私たちのまちは分庁舎方式になっているので、月に一回はみんなで集まって話をする機会を設けています。その中で、私が就任以降数多く言ってきた言葉があります。人間の存在に近しい動物で、チンパンジーという動物がいますよね。チンパンジーというのは、いま目の前に起こっている物事に対して、非常に高い能力を発揮するそうです。例えば、自分が交通事故にあって首から下が動かなくなってしまっても、病床ですごく明るく振る舞うという研究結果があります。

 これは何を意味しているかというと、チンパンジーにとっては、「いま、現在が極めて重要だ」、ということです。一方、私たち人間はそうじゃないですよね。仮に自分や愛する人がそうした状況になれば、絶望もするし、もし歩こうとする姿を見れば、希望を感じたりもするじゃないですか。これは、私たち人間には、チンパンジーにはできない「未来を想像することができる」力が宿っているということだと思います。この「未来を想像する」を職員と共有することによって、非常に難しい問題にも歯を食いしばって取り組めているのではないかと思います。いまだけでなく未来を見据えて、その先に明るい希望があることを職員と共有しています。

東氏:ありがとうございます。いま山添町長から、「未来の意識を共有する」という話がありましたけれども、その他3町長からも、職員と一緒に歩んでいく上で、「こういうふうにやって欲しいんだ」とか「こういう思いを持って欲しいんだ」というのがあれば一言ずついただけますでしょうか。

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職員自身が豊かな人生を歩んで欲しい

照井氏:私、いま34歳なんですけれども、副町長は60歳で同じ年の娘さんがいるんです。親の世代の人達と一緒に仕事をしていると難しい場面もあるんですが、山添町長も仰ったように、職員と想いを一つにするということが非常に大事だと思っています。私が熱く語らないとまちも熱くならないし職員も熱くならないのですが、そこに副町長が冷静に少しブレーキをかけてくれる。そういう信頼関係を築いています。
 (職員と想いを一つにするということが大事ではありますが)職員の皆様も、決して想いだけではなく、家庭があって、働き口の一つとして公務員を選んでいるわけです。(職員の想いが)私の想いと一致するかどうかは別にして、公務員がやりがいをもって働ける職場環境をつくっていく。公務員の皆様が豊かな人生をもってもらうことで、職場全体、まち全体が良くなっていくと思い、私は役場の中で日々そういう話をしています。

東氏:ありがとうございます。

1億円の範囲内ならどんどん失敗していこう!

森田氏:えー、いつも職員に言っているのは、個人賠償請求の1億円の保険に入っているので、範囲内でするミスやったら大丈夫やで、と。

会場:(笑)。

森田氏:そこぐらいまではなんとかすると(笑)。

会場:(笑)。

東氏:すごい寛容ですね(笑)。1憶までOKなんですね。

森田氏:保険でいけるんで(笑)。保険の範囲内の失敗はしてくれと。あと謝ってすむ失敗はしてくれと。ただそれ以外で、人としてしたらあかんこと、人の命に関わる失敗はダメ!!それだけを職員に伝えて、(他は)好きなことやろうと。みんなで楽しく、なるようにやろうと。いま職員にずっと言っていることです。

東氏:いまちょうど予算の首長査定の時期で、先ほどは控室で「この10万もきつい」とか言うてたんですけどね。1憶までOKなんですね(笑)。

森田氏:保険の範囲内なんで(笑)。

東氏:これおそらく皆さんのまちの首長も思っていることなので。「1憶の範囲内ならどんどん失敗していこう!」というメッセージです。

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熱い想いを見せて欲しい

東氏:では最後、しゃべりにくいかもしれないですが、(桑原町長)お願いします。

桑原氏:私も若い職員さんには「失敗を恐れずに」というメッセージを度々出しています。管理職の方々には、「ご自分の後継者は育っていますか」という投げ掛けをするようにしています。そういう形で様々な職員さんとコミュニケーションをはかりながら進めていますけれども、「町長大丈夫か」みたいなシーンがけっこう多いようで、職員の皆様から「支えねば」、「俺たちがしっかりせねば」と思ってくれているみたいで助かっています(笑)。

会場:(笑)。

桑原氏:それでも首長が決めなければならないシーンはありますので、「本当にこれやるんですか?」という最後の一言は投げ掛けるようにしています。(職員から)「それでもやります」という言葉が返ってきたときに、「よしやりましょう」と言うようにしています。

東氏:なるほど。熱い想いを見せて欲しいということですかね。ありがとうございます。

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