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まちの変革のためには「寛容さ」が重要【よんなな会若手首長セッション#2】

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与謝野町・山添町長

(編集=金治 諒子)

まちの変革のためには「寛容さ」が重要

東氏:では今日のテーマに入っていくのですが、熱い想いを持って当選された後、現在、具体的にどんな取り組みをされているのかについて伺いたいと思います。
最も任期の長い山添町長からお願いします。

山添氏:与謝野町は、織物業や農業というものづくり産業の発展によって成長してきたまちです。このものづくり産業の持続的な発展が、あらゆる社会問題の解決に結び付いていくのではないかと考えています。着任以降、この問題意識に重きを置きながら施策を積み上げてきましたが、今日は農業政策の一端をご紹介したいと思います。

 与謝野町では、農業政策の構築に当たり、「自然循環型農業の推進」と「テクノロジーを通じた農業改革」の二つの柱を持っています。後者についてお話したいと思います。与謝野町の農家では、高齢化による担い手の不足が課題となっています。とりわけ篤農家と呼ばれる農業者が亡くなってしまうと、その方々が40~50年の歳月をかけて習得した技術やノウハウが一瞬でなくなってしまいます。そうした状況に対して、テクノロジーを通じてテクニックやノウハウをデータ化する取り組みを行っています。いま地域にあるノウハウを保全しながら、新規従事者へのオープンソースとして提供していく、ということが進みつつあります。この施策から、テクノロジーは地域の課題の解決に貢献するものであると肌に感じています。様々な課題が山積する地域だからこそ、時代を牽引する新たな提案を生み出していくことができると思っています。このように地域の核を把握することからスタートしましたが、現在ではこのような取り組みをさらに他の分野でも広げています。

 ちなみに先ほど東市長からお褒めいただいたこのスーツですが(笑)、実は、町内の織物事業者の方の生地によってできているスーツです。こうした一つ一つの取り組みを丁寧に積み上げてきたことが過去5年間の任期でやってきたことだなぁと振り返っています。

東氏:ありがとうございます。おそらく本日参加されている行政職員の皆様は、普段お仕事をされる中でも、テクノロジーを入れていかなければならない、オープンソース化を進めていかなければならない、という問題意識については既にお持ちだと思うのですが、「オープンソース」と農家の方に説明したところで、「ん?」という顔をされるのではないか、庁内の管理職に説明したところで、「それはなんだ?」という反応が返ってくる可能性が高いかと思うんです。その懸念がありながら、現実的に実行できているのは、どのような取り組みによって可能になったのでしょうか。

山添氏:まず、与謝野町の皆様が元来持っている性質として、あらゆる物事に対して寛容である、ということがあると思います。この「寛容である」というのは、地域を作り上げていくに当たって大変重要だと感じています。何か知識を共有することに対し怖れを持たない、という点があるかと思います。そうした住民性があるからこそ、新たな提案に対しても、戸惑いや不安よりも、「どうしたら活用できるか」という方向に意識が向いたのではないかと。ただし、戸惑いや不安をお持ちの方には、私や担当職員が懇切丁寧に対話を繰り返すことで少しずつ理解を深める、ということを日常的に繰り返しています。

東氏:なるほど。丁寧に丁寧に、「こういうことだよ」と住民の方々に納得いただけるまで説明を積み重ねていらっしゃるということですね。

山添氏:そうですね。当然そうした対応は大切です。けれども、私がより重要だと思っているのは、先ほど前段で申し上げたことです。人が成長するためには、相手の主張を聴いたり、相手の提案を受け入れたり、そうした包摂や寛容という精神があってこそできることなのではないかと思います。こうした意味で、私たちのまちはものづくり産業の歴史を通してその精神が根付いており、その精神を持つ皆様と一緒に日々行政運営をさせていただけることは、とても幸せなことだなぁと感じています。

津南町・桑原町長

津南町・桑原町長

 町長着任後の実行速度を考慮し選挙前から仲間づくり

東氏:なるほど。任期の長い山添町長とは反対に、桑原町長は、おそらく町長選挙までに「こんなことやりたい」「こんなところを変えたい」という想いをたくさん持って着任され、まだ半年くらいかと思いますが、新しい取り組みをやろうとしてもなかなか難しい点が多いかと思います。半年経って、こんなことをやっている、という取り組みがあれば教えていただけますか。

桑原氏:実は町長選挙に出る前に、町内でブレーンになってくれそうな方々と将来の政策について、「こうしたら良いよね」と話し合っていました。私はその話を基にマニュフェストを作ったんです。町長になった後スムーズに事業が進むように、あらかじめ色々と話し合っていたので実際にうまくいくことやいかないことはありますが、当選後の実行速度はこれでも速かったように思います。

東氏:はじめに、町長になった後の実行速度まで考えてマニュフェストづくりの段階から仲間づくりをされたんですね。
いま一番力を入れているところはどんな分野でしょうか。

桑原氏:いまは観光が産業として伸びているじゃないですか。津南町は雪国なのですが、「雪国観光圏」という広域の観光圏に入っているんです。その「雪国観光圏」では、例えば体験プログラムを行うなど、各市町村が実施するコンテンツの質の向上が課題となっています。そこで、津南町のDMOを立ち上げて、観光のマネジメントをしてもらおうと準備しています。

東氏:なるほど。町長はあっさり仰っておられますけれども、これは、事前にあらゆるステークホルダーを説得してきたからこそできたことだと思うんです。まずこのスピードで進んでいること自体に、僕は非常に驚いています。

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