インタビュー

【生駒市 大垣弥生氏 #6】頑張っても、頑張らんでも一緒やん

大垣弥生16

優秀な若手に不満がたまる

加藤:自治体の人事給与制度について思うことはありますか。

大垣氏:私は中途採用枠なので、前職の経験年数をそのままスライドしてもらえました。でも、新卒採用枠で生駒市に入ると、民間企業の経験は2分の1しか換算されず、全員が1級の事務員からスタートします。

加藤:それだと社会人経験が3~10年くらいある優秀な若手を獲得しづらい仕組みに見えますね。

大垣氏:そうなんです。さらに 1級は3年、2級は4年、3級は3年・・・と在籍期間の条件があって、昇級の時期はほぼ横並び。来年度に人事制度が変わるようですが、それでも係長級になるのに10年ぐらいかかるので、30歳で入ると40歳になるまで役職がつきません。

加藤:そもそも、年功序列であるべき理由はなんでしょうか?

大垣氏:自治体には、窓口の仕事もあれば、まちづくりの仕事もあります。部署によって全く職務内容が違うから一定の基準で評価しづらいと聞いたことがあります。でも、民間企業だって売上などの数字で成果を表せる職種は限られていますよね。
 明らかに成果を上げている後輩の査定結果を聞いて、がっかりしたことは1度や2度ではありません。みんな同じ査定なら、デキル人たちは正当な評価をしてくれない職場風土に不満もたまりますよね。年功序列って「頑張っても、頑張らんでも一緒やん」ということ。よほど強い信念がない限り、モチベーションが下がっても仕方ない制度だと思います。

「公務員はお金で報酬をもらおうとしてはいけない」

加藤:民間から来た人はその仕組みに慣れていないですよね。

大垣氏:業績表彰を受けても、職員提案で最優秀賞になっても、賞状しかもらえない。全く賞状なんてほしくないのに(笑)。「実績をあげても給与に反映されないって、不平等ですよね」と上司に言ったら、「公務員はお金で報酬をもらおうとしてはいけない。住民から喜んでもらえることが何よりの報酬だ」と言われて、何て崇高な仕事なんだろうと思いました。

加藤:横並びと言われるものでしょうか。

大垣氏:どうせ横並びだからなのか、人事考課の際も成果をしっかり伝えることより、謙遜することが美徳だと考える人もいて、独特の文化だなあと思います。

加藤:特にこれからは、一人ひとりの能力によって仕事の結果は大きく変わるので、民間からも優秀な人を採用したいですよね。

大垣氏:その通りです。売り手市場において「住民から喜んでもらえることが報酬」で、数年間はみんな同じ評価という職場に惹かれる人なんて少ないでしょうね。

わざわざ仕事の質を下げるなんておかしい

大垣氏:残業を減らす取り組みが始まったとき、「仕事の標準化」を求められたこともありました。専門性を高めて質を向上させようとしているのに、わざわざ仕事の質を下げるなんておかしいから、ものすごく反発しました。現状維持が大切だという考えのあらわれですよね。
 誰でもできる仕事だけでは、まちの明るい未来はつくれないと思います。

加藤:標準化は進歩を諦めていることに近いですよね。レベルを上げたうえで、それを引き継ぐことを目指していくほうが建設的だと思います。もちろん、レベルを10上げた人から、そのまま10を引き継げなくても、8なのか、7なのか、少なくともプラスにしたまま引き継ぐことはできると思います。

大垣氏:今以上の仕事をすることで、組織は成長していきますもんね。

現場主義の先輩を尊敬

加藤:今まで関わった公務員のなかで、尊敬する人はいますか?

大垣氏:幸い生駒には「地方公務員アワード」に推薦させてもらった田中課長をはじめ、「市民のために」というぶれない思いで、常にまちの方々からニーズを聞き、制度化し、改善するサイクルをまわし続ける先輩がたくさんいらっしゃいます。
 そんな現場主義の先輩方は、まちのキーマンからも「〇〇さんに頼まれたら断れない」「〇〇さんはすごい」と信頼が厚いんです。とても尊敬していますし、私もそうなりたいと思っています。

※本インタビューは全7話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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