インタビュー

【生駒市 大垣弥生氏 #5】「ラクしたい」から公務員になった

大垣弥生15

自治体広報のおもしろさに憑りつかれた

加藤:なぜ転職をしようと思ったんですか。

大垣氏:もともとは不純な動機です。百貨店って、お正月は1月2日の早朝から出勤で、土日も祝日もない。娘が小学生になったときに、時間短縮勤務からフルタイムに戻ったら、家庭が全く回らなくなりました。それで「もう少しラクしたい」と思って(笑)。
 面接では「生まれ育ったまちのために働きたい」ともっともらしいことを言いましたが、本音は無理せずに働いて、子どもともう少し一緒に過ごそうと考えていたんです。「おもしろくなかったら、また民間に戻ればいいや」と思って転職しました。

加藤:でも、辞めていないですよね(笑)。

大垣氏:この仕事のおもしろさに取り憑かれてしまいました。家族は「前より働いてるよなあ。好きにしたらいいけど」と呆れています(笑)。
 広報やプロモーションって、まちの方と心を通わせながら、地域をいっしょにつくる仲間を増やしていく素敵な仕事です。今はこの仕事につけたことを心から感謝しています。

宣伝部のランチの写真

市民‐市職員の壁をこえる関係を築く

改革を良しとする上司が必要

加藤:これからは民間企業から自治体への転職がさらに増えると思います。アドバイスできることはありますか?

大垣氏:何よりも受け入れ側の度量の広さが必要だと思います。
 転職当時、課内では私が1番年下でした。課の上司や先輩は柔軟で、他の自治体にアドバイスを求めることも認めてもらえたし、改善案を出せば実現できるよういっしょに考えてもらえました。後輩のみんなも、公務員としてのキャリアが浅い私を先輩と認め支えてくれました。おかげで、こうやって10年も働けています。

加藤:活躍されている方には、大抵いつも、味方になる上司がいますよね。

大垣氏:改革を良しとする上司、いっしょに頑張ってくれる同僚の存在は必須です。仕事は一人ではできませんから。

“諦めない”こと

加藤:そのうえで、民間企業からの転職者が活躍するには、どう立ち回ればいいと思いますか。

大垣氏:諦めないことでしょうか。ラクな方に流されず、採用時の期待に応えるための努力をし続けることが大切だと思います。そうすれば、各課のキーマンからの信頼も得られて仕事も進めやすいですし。
 今も毎年新しい取組みにチャレンジしています。前例のない事業に予算をつけてもらうのは大変だし、不安になることや心が折れそうになることも多々あります。でも、外からきた私が守りに入っている場合じゃないですから。

加藤:それが、本来、中途採用へ期待されるべきことですよね。ただ、いざ改革をするとなると、どうしても波風が立つ。

大垣氏:昨年、視察に来られた市議会議員の方に「保守的な世界だから、キミみたいな人はしんどいと思うけれど、辞めずに頑張ってね」と激励されました。異分子のままでいることも大切なのかなって思います(笑)。

加藤:ただし、転職者は「俺は民間でこんなにすごかったんだぞ!」といった態度をとるべきではないんでしょうね。

大垣氏:正直、私も民間時代は「役所の人たちは民間では働けない人たちなんだろう」と思っていました。

加藤:公務員バッシングを見ているのでそうなりがちですが、それはマイナスですよね。

大垣氏:はい。でも、この職業への一般的なイメージの悪さは今もそのまま。「公務員?安定してるし、ラクでいいね」って私も思われているんだろうなと思います。
 最近も、同年代の市民の方から「市役所の人って席で新聞読んで、ぼんやりパソコンを眺めているイメージだったのに、本気でまちを良くしようと思っているんですね。びっくりした」と言われました。悲しいけれど、それが現実。そんなイメージを変えられるような仕事ができたらと思います。

地域を自分ゴトにするきっかけをつくりたい

加藤:生駒市に転職したことで、なにか気持ちの変化はありましたか?

大垣氏:私は生まれも育ちも生駒ですが、旅先で「どちらからですか?」と聞かれたら「大阪からです」って答えていました。

加藤:(笑)

大垣氏:そんな私が、今では「生駒への愛にあふれていますよね」と言われるようになりました。それは、地域に入って、素敵な人と出会い、まちの魅力を知ったからです。
 これからの時代、地域の持続可能性は行政施策で何とかできるものではなく、まちの方々が地域をどれだけ自分ゴトにできるかにかかっているんじゃないかと思います。一人でも多くの人に生駒を知ってもらい、好きになり、関わってもらうきっかけをつくりたいです。

ペンキ塗り

積極的に地域に入り、夢や課題を共有することを心がける

※本インタビューは全7話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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