インタビュー

【神戸市 長井伸晃 #1】謎の部署、神戸市の「つなぐ課」とは?

長井さん1

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【長井 伸晃(ながい のぶあき)経歴】
神戸市企画調整局つなぐラボ特命係長。横断的な政策課題に対し、課題の実態リサーチと関連するステークホルダーとの連携を図り、市民本位の具体的な政策・課題解決につなげるべく、遊撃部隊として活動する。
これまでに、フェイスブックジャパンやヤフー、Uber Eatsなど10企業との事業連携を通じて課題解決や新たな市民サービス創出に取り組むとともに、バルセロナ市との連携によるオープンガバメント人材の育成を図るワークショップなどの企画を行った。
また、神戸で開催されるクロスメディアイベント「078KOBE」や「TEDxKobe」に加え、全国の公務員コミュニティ「よんなな会」などの運営に関わる。
複業として、神戸の知られざる魅力を発掘・発信するNPO法人「Unknown Kobe」を設立し、まちあるきイベントやセミナーなどの活動を行っている。
「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2019」受賞。

 次々と先進事例を生み出す神戸市。新型コロナウイルスの対応についても、迅速かつ連続的に手を打ち続けている。特に、話題となったのは飲食店と生活者を同時に支援する、Uber Eatsや出前館との連携だ。これらの取り組みを主導した神戸市つなぐ課の長井伸晃氏に、所属するつなぐ課の役割、そして、連携までの道筋、さらには公務員としての想いについて伺った。

謎の「つなぐ課」への応募は、迷いはなかった

加藤:所属する「つなぐ課」というのは珍しい部署の名前ですね。どのような部署なのでしょうか。

長井氏:つなぐ課は去年の4月にできて、1年間活動してきました。市長がいま2期目に入っているんですが、1期目に様々な政策に取り組んできた中で、結果的に各課それぞれの政策として小粒なものにとどまっているものがあると感じたそうです。その原因がどこにあるかと考えた時に、縦割りが大きいだろうと。

 そこで、部署をつないで政策を束にして分かりやすくそして効果的に届けることが大事だということで「つなぐ課」ができました。僕も市長のブログで初めて知ったんですけど、「まさに、自分がやりたかったことやな」と思ったんです。

加藤:長井さんは、どういう経緯でつなぐ課に入りましたか?

長井氏:公募が出てたので、すぐに手を上げて「こういう思いで行きたい」と自分の思いを伝えたら、次の4月に行かせてもらえることになりました。
 前の部署でも企業と連携する仕事をしていたんですが、テクノロジーとかシーズだけ先行すると独りよがりなものになってしまうと感じていたんです。課題があってこその、テクノロジーやシーズで、それを生かすためには課題を知らないといけないと感じていました。

加藤:募集人数も当初から示されていたんでしょうか?

長井氏:出ていましたけど、若干名でした。誰もが「つなぐ課」がどんな組織なのかわからないままでしたので、応募は勇気がいることだったかもしれないですけど、全く迷いはなかったですね。あとで聞いてみたら、全員公募を受けたわけじゃなく、通常の異動で入った人もいることを知りました。
 「つなぐ課」が面白いのが、課長と係長は、上司部下という関係性ではなく、横一線なんです。プロジェクトごとに僕がリーダーになって課長が補佐してくれることもあります。それもまた面白いですね。呼び方も肩書きではなく「さん」付けです。

縦割り打破のマインドを庁内へ

加藤:現在は何人くらい所属しているのでしょうか?

長井氏:そうですね。全体で10人いて、半分が一般行政、半分が技術職員や消防職員が入っていました。この4月に数名異動があり係長の割合が増えて少し年齢層が若くなりました。つなぐ課は企画調整局という部局にあるのですが、昨年度は造園職や農業職、今年度も設備職や化学職など、これまで企画調整局へ異動してくることがほとんどないような職種の人が来ました。多様な課にしたいという思いが市長にあったのだと思います。
 このように、1年で異動する可能性もあると当初から言われていました。なぜかと言うと、1年間で縦割りを打破するマインドを身につけて、庁内に散らばってほしいということでした。同じ人がずっと「つなぐ課」にいたら、マインドやコンセプトが広がらないので、広げてほしいという思いもあったようです。

黒子に徹してくれるサポート役が大切

加藤:当初は市長も手探りだと思いますが、こうすれば成果が出せるといった方程式のようなものは見えてきましたか?

長井氏:そうですね、みんな前向きで能力の高い人たちなので、当初は探り探り雰囲気を見ながらも、課題が降りてきたら、ぶわーっと群がるぐらいの感じでやっていました(笑)。だんだん得意分野や立ち位置がわかってきて、前面に出る人とサポートにまわる人が出てきていました。黒子に徹して庁内調整をサポートしてくれた人が何人かいますが、その人にめちゃくちゃ感謝しています。
 あるプロジェクトを進める中で、「これやろうとしたら庁内調整で、こことここを押さえなあかんよね」みたいな話になった時に、「話しとくよ」と間髪入れず動いてくれる方がいました。昨年度の終盤は、そういう役割分担ができて、綺麗な形ができつつありました。でも、その人は異動してしまったので、また今年度は改めて構築ですね。

加藤:それは痛いですね。自治体の人事課題でもあるような気がするんですが、新たな政策を実現するために、フォロワーシップを促して、評価することも重要かなと思っています。

長井氏:そうですね。みんな忙しいから巻き込むことは申し訳ないんです。とは思いながらも、やるべきことはやるべき。最初は半分引きずるぐらいの勢いで巻き込んで、ある程度形ができてきたら「その人たちのおかげ」であることは、巻き込んだ者として、発信しないといけないと思います。

 Uber Eatsと連携した時の会見でも、僕だけが話すのではなく、支えてくれた経済観光局の担当部長にも出ていただいてコメントしてもらったんです。メディアからしても、普段から飲食店の現場の声を聞いている人の声を聞きたいですよね。
 そうすると、最初に巻き込んだ時と全然反応が違って、「やることがあったらやるよ」と言ってくれるようになりました。そうやって頑張ってくださった人を、いかにフューチャーするかという工夫はしてますね。

(編集=市岡ひかり)

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※本インタビューは全6話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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