インタビュー

【神戸市 長井伸晃 #5】官民が本気で汗を流すと、嬉しいことが待っている

長井さん5

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言葉だけでなく行動で熱意を示す

加藤:庁内外で連携が進みやすくなるために意識していることは何ですか?

長井氏:自分の都合だけ押しつけると嫌がられるし、うまくいかない。相手方との会話を始める最初に、かけ違いがないように気を付けるようにしています。まず企業が重要視していることとか、ゆずれない部分や神戸市に要望したいところは絶対確認する。その上で、その軸をはずさずにどういう選択肢があるかを一緒に考えていく。
 あとは、とにかく腹を割って距離感を詰める。その中でお互い大事にすべきところ、重要ポイントの共通認識を持ち、認識合わせするのが大事だと思っています。

 今回の連携では、スピード感を出すために、会見のパワポを連携パートナーが説明するパートも含めて自分で全部作ったんです。相手方との共通認識の素材としても使えるし、市長のレク資料にも使える。あと、Uber Eatsも出前館も複雑なサービスなので、資料を作ることで自分の理解が深まる。なので、実は出前館の社長が説明するパートも僕が作らせてもらったんですよ。

 向こうもびっくりしたみたいで、今まで出前館の社長さんは、自治体と一緒に会見したことはなかったらしいんですけど、スピード感や熱意に感銘を受けていただいて、「行きます」と言ってくれたんですね。「あなたと一緒にやりたいんです」っていう熱量を伝えることと、言葉だけじゃなくて実践して見せるのが大事だと思います。

 「こことやりたい」と思った時には、とにかく自分から距離を詰めにいく。最近は実績が出てきたので、僕のことを知ってくれている人もいて、そのアドバンテージはとても大きくてありがたいです。それまでは「お互い情報を出し惜しみするのはやめましょう、探り合いをやっている時間がもったいないですし」と言ってやっていました。会社と会社というよりも個人レベルで早く仲良くなって、「長井さんだから言いますけど」っていう言葉が出てきたら嬉しいですよね。

学会展示会を盛り上げるイベント運営が転機に

加藤:そのスタンスは、若手のころからあったんでしょうか。

長井氏:若手の時はないですね。僕は生活保護のケースワーカーを2年やり、その後6年人事給与をやりました。生活保護は、市民とは話しても企業の人と話すことなんて全くなかったし、人事給与はとにかく1日中作業っていう日もあるくらい。

 ただ、もともと外向きのところに行きたいという思いはあったので、ICTの担当をやらせてもらうことになり、それがきっかけだったと思います。ICT担当といっても、自分がコーディングとかをするんじゃなくて、IT系のコミュニティを作ったり、イベントを開催するという話やったので、それなら何とかできそうかなと思いました。

 4月に配属されて、半年後にSIGGRAPH AsiaというCG系の国際学会展示会があるから、すぐ形にせなあかん、と。そこで、民間の人たちと一緒に実行委員会を立ち上げたんです。「儲け関係なく、街のためやったら協力するよ」という人が各分野から集まってきてくれました。

「長井さんがいないと始まらへん」

長井氏:一番大変だったのが、神戸市が展示会の中で一番でかいブースを作ったんです。しかもそれを直営で。とにかくいろんな人に出てもらいたいという思いがあって、日替わりで出店者を変えたんです。毎晩終わったら撤収してもらい、翌朝違う出展者に入ってもらう。10、20ぐらいブースを毎日全部入れ替えて、そのオペレーションを自分でやってました。
 あとは神戸大学発のベンチャーとして、「SAMURIZE from EXILE TRIBE」というLEDに特化したパフォーマンスチームの技術的な仕組みを開発した企業があったんです。その人に声をかけて、一緒にレセプションを盛り上げてほしいとパフォーマンスをしてもらったら、めちゃくちゃ盛り上がりました。盛り上がって終わってほっとしている時に、一緒に汗かいてきた民間企業の人が、「こんなところにおったんや。みんな長井さんがおらんかったら始まらへんって言ってるで」って探しに来てくれて、その言葉に思わずいろんな感情がこみあげてきて泣いてしまったんです。
 それがターニングポイントというか、頑張って外の人と一緒に汗かいて新しい価値を生み出すと、こんなに面白い、嬉しいことが待っているんやと。大変だけど、組織の壁とか全く関係なく、神戸のために集中してやると、これだけのパワーが生まれるんやなと感じました。

Facebookと全国の自治体で初の連携を実現

加藤:SIGGRAPH Asiaがあった後にドコモやアシックス、ヤフー、Facebookとの連携があったということですね。

facebookの連携2

長井氏:Facebookのインパクトは大きかったですね。全国初で、Facebookと自治体が組むという発想が新しかったようで。もともと僕自身、かなりFacebookをやっていて、行政としてはもっとできることあるやろなと思っていました。
 Facebookの傘下にInstagramがあるんですけど、Instagramの最高製品責任者があるイベントで日本に来ることになったんですね。連携した前の年でした。「日本の自治体の首長と会ってみたい」と、なぜか神戸市の名前が出たらしく、その話が僕のメッセンジャーに来たんですよ。めちゃめちゃ面白い話きたやん、と市長にすぐ「こんな話あるんですけど会ってくれませんか」と言いました。そこでトップ同士が会って、「連携しましょう」となり、後は事務方でやれることを決めていった感じですね。

facebookの連携1

加藤:Facebookとの連携はどのようなものでしょうか?

長井氏:当時、神戸市には公式のFacebookアカウントが80以上あり、クオリティもバラバラの乱立状態やったんですね。そこで、ガイドラインを作って、アカウントを運用するためにはこれだけ更新しましょうねとか、フォロワーが少なかったら諦めてやめましょうとか、ルール作りを一緒にやったんです。実は数は今もそんなに減ってないんですけど、質は上がっているはずです。

加藤:神戸市が運用するFacebookアカウントのアドバイスをしてくれた感じですか?

長井氏:最初はそうです。それ以外にも商店街や市民の方にもニーズがあるので、集客に活用するためにはどうしたらいいのかをセミナーしてもらいました。その後、要望があった商店街をフォローアップして、マルシェイベントにどれだけお客さんが増えたかを検証したら、新規のお客さんが増えていることもわかりました。やって良かったなと思いますね。連携期間は、1年更新で続けていて、毎年その時のニーズや重点事項を踏まえながら、取り組む内容を考えていく感じです。
facebookの連携3
(編集=市岡ひかり)

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※本インタビューは全6話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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