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【平戸市 黒瀬 啓介氏 #5】「自治体のゴール設定の甘さ」を民間出向で感じた

市長に民間出向を直談判

加藤:民間企業でお仕事をするに至った経緯を教えていただけますか。

黒瀬氏:出向したトラストバンク代表の須永さんに、もともとお世話になっていましたが、出張の際に一緒にご飯を食べた時に「うちで働いてみない?」と軽く誘われたんです。出向して民間企業で働いたら、見える世界も変わるんじゃないかと。

 冗談だったのかもしれませんが、それを真に受けて帰ってすぐに市長のアポ取って、ダイレクトに「民間に出向させてください」と直談判。市長も結果的に「応援する」と言ってくれて、とにかくすごいスピードで話が進み、半年後には出向していました。

加藤:間の上司の方には何も言われなかったのでしょうか?

黒瀬氏:その後、めちゃくちゃ怒られましたよ。順番違うだろって(笑)。ただ、下からあげても通らない案件だと予想していましたし、スピードも必要だったので伝家の宝刀を抜いてしまいました(笑)。ただ、後々いろんな方に迷惑をかけたのがわかったので、そこは申し訳なかったですね…。

自治体の立場が分かるからアドバイスができた

加藤:トラストバンクでは主にどういう業務をされましたか?

黒瀬氏:主に制度の啓蒙や、ふるさとチョイスの上手い使い方をアドバイスしたりしています。寄附を伸ばすために、寄附者の行動心理や、興味、商品の強み、自治体の特性などから選ばれる確率を上げる改善を提案したりしました。

 トラストバンクとしては、クライアントである自治体に「もっとこうした方がいい」と、突っ込んだ指摘をすることが難しい時もありますよね。そういった時に、どっちの立場も知っている私から話をすることで、一定の役割は果たせたとは思います。

 他にはイベントや勉強会の企画や設計、講演に出向いたり、社内で企画を立ち上げる時にはプロジェクトメンバーとして参加したりしました。

民間出向で大変なことは存在しなかった

加藤:何が一番大変でしたか?

黒瀬氏:何も大変なことはなく、楽しかったですよ。これまで一人で足掻く仕事が多かったんですが、チームで同じビジョンをもって働いている空気感が楽しかったです。キラキラしているというか。市役所はそういう雰囲気ってなかなかないので…(苦笑)。また、決断のスピード感がとても早いため、自分がちゃんとアンテナを立てておかないと置いていかれてしまう。そういう感覚がたまらなく面白かったですね。

 周りの仕事や国の発信はもちろんのこと、今まであんまり意識した事のない競合やさまざまな外部環境に目を向けるようになりました。それと、社員が急速に増え、組織が変化する様を間近で見てきたので、マネジメントや組織編制などがとても勉強になりました。

自治体はゴール設定が甘い

加藤:民間企業と自治体で感じた違いは何ですか。

黒瀬氏:民間ではゴールの設定がちゃんとされていることです。自治体はどんな事業をするにしても、なんとなくやっている部分がどうしてもありました。たとえば、会議をやる時に、何が成果なのか明確に設定をしてないことが多かったり、計画書が現実的に設計されていない。徹底的に分析をした数字ではなく、「こうなったら良いな」という願望だったりします。

 公務員の時には想いを持ってやっていたつもりでしたが、甘かったとすごく感じました。もし、出向してなければ、今でもそういった疑問を持たなかったと思うんです。

加藤:2000年までは、「言われたことをやる」という時代があったわけですから、ある種しょうがない側面もあると思います。

黒瀬氏:生駒市の小紫市長の記事を拝見して、まさにそうだなって思いました(笑)。仕方なかったのかもしれませんね。

加藤:これから違った環境を作り出すことが大事ですね。

黒瀬氏:ふるさと納税も民間の力が入ったことが、一つ大きな転換期だったと思います。ポータルサイトの仕組みがなかったら、ここまで盛り上がっていなかったかもしれません。

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※本インタビューは全6話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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