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【掛川西高等学校 吉川牧人 #7】学校が生徒を手放せば、「持続可能な地域活性化」を目指せる

学校が生徒を手放す

加藤(インタビュアー):この取り組みを他の学校が真似したいと思ったとき、どんなところがポイントになりますか。

吉川氏:まず学校は生徒を一旦手放すマインドを持ちましょう。学校はどうしても生徒を抱え込んでしまうので、それを信頼できる社会の集団に一度預けてみる。そこで刺激を受けた生徒が一回り成長して学校に戻って来ると、何か化学反応がおきるんですよね。

加藤:外部の大人に預けるのは、勇気が要りそうですね。

吉川氏:そうですね、ですから普段からしっかり発信して、教育活動であると理解してくれる大人を増やすのが重要だと思います。
 そしてもう一つ、そこで関わる大人たちが大人げなく楽しむ様子を見せるのもポイントです。高校生にプロジェクトって楽しいんだよ、地域の人たちと繋がるって楽しいんだよと身をもって示すのは教育効果としても高いと思います。

加藤:そのマインドは将来に向けても大切ですよね。

吉川氏:特に部活なんかは辛さに耐えるとか、嫌でも頑張るとか、そういう文化があるじゃないですか。そういう拘束力じゃなくて、協力してくれたこの人を裏切るわけにはいかない、みたいな観点で頑張る体験は重要だと思います。

持続可能な地域活性化

加藤:教育と地域活性化の融合において、今後の展望を教えてください。

吉川氏:一言でいうと、「持続可能な地域活性化」です。プロジェクトにおいて誰か一人だけ頑張る構図になると、それは消耗していってしまうので持続しませんよね。しっかりノウハウを共有して、学校を含めた地域全体で盛り上げる仕組みにしたいと思っています。
 そこで今、掛川市と一緒に考えているのが、プロが高校生に動画制作の指導をして、今度は高校生が小中学生に指導する、みたいな仕組み作りです。そうやって脈々とクリエイターが生まれる街になったら良いなと思っています。

「お弁当・お惣菜大賞」で日本一になる

加藤:ところで吉川さんが地域と連携して取り組むプロジェクトに、は「お弁当・お惣菜大賞」もありますよね。

吉川氏:「お弁当・お惣菜大賞」は、イオンや成城石井のような企業が社運をかけて参加するコンテストです。そのコンテストに、地元スーパーのサンゼンと本校の食物研究部が連携して丼を出して、2年連続で日本一を獲得しました。これは史上初の快挙ではないかと思います。

加藤:それは本当にすごいですね。生徒はどのように関わるのでしょうか。

吉川氏:まずは掛川市の地場産物を調べて、強みや課題、どんな活用方法があるのか考えるところからスタートします。そこから地元スーパーと一緒に地域を盛り上げる気持ちを前提としながら、値付けも含めて商品開発をしていきます。
 この取り組みのポイントとしては、本当に生徒が主体となっている点です。スーパーと、スーパーのコンサルの方と、本校の生徒が連携して商品が出来上がっていくので、担当教員である私は裏方の調整ぐらいなんです。

地域と高校生がコラボする意義

加藤:「掛川城プロジェクションマッピング」も「お弁当・お惣菜大賞」も、地域の方々が意欲的に取り組んでくれるのが素敵ですね。

吉川氏:おっしゃる通り、地域の皆さんが、学生とのコラボに意義を感じてくださるのが本当にありがたいことです。このコロナ禍であっても、高校生を育てて地域を良くしたいと言ってくださる方がたくさんいるんですよね。
 そこに行政のバックアップも加わって、地域全体での持続可能な地域活性化にすごく価値を感じています。

(取材=加藤年紀 編集=小野寺将人)

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