インタビュー

【掛川西高等学校 吉川牧人 #3】オンライン授業のメリットとデメリット

吉川牧人3

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Zoom授業のデメリット①:通信への負荷

加藤(インタビュアー):オンライン授業のやり方には色々なパターンがあると思いますが、掛川西高校ではどんな形式にされましたか。

吉川氏:よくニュースではZoomを使った授業が注目されていましたが、本校はそのやり方をあえて取りませんでした。前回もお話しした通り、本校ではZoom自体の活用は既に行っていたのですが、その経験から良し悪しが分かっていたんですね。

加藤:つまりZoom授業にはデメリットもあるのですね。

吉川氏:まず生徒のご家庭の通信環境を調査したところ、30%強がWi-Fiを使えなかったんです。Zoomは良好な通信環境が保てなければ満足に使えませんから、これは大きなデメリットでした。
 ではWi-Fiではなくスマホの通信はどうかと言えば、当時どのキャリアでも多かったのが50GBまでのプランなんですね。それをベースに考えたとき、逆算すると1授業10分ぐらい、200~300MBのデータ量を使うのが限界だろうと想定した時、Zoomを繋げっぱなしにする授業は得策ではありませんでした。

Zoom授業のデメリット②:心理的な抵抗感

加藤:通信容量を緻密に考えられたのですね。

吉川氏:今の話が技術的な観点ですが、実はもう一点、あまり深く議論されてこなかった重要なポイントがあります。それは、画面に顔や家庭の状況が映される抵抗感です。
 普段の授業は生徒が学校に来て教室に参加するのですが、Zoomだと学校が家庭に入って来る感覚ですよね。各ご家庭には様々な事情がありますから、それを映して皆に見られるのが嫌だという生徒が多いのも、Zoom授業にしなかった大きな理由の一つです。

加藤:たしかに、生徒への配慮も重要な観点ですね。

吉川氏:それらを踏まえて、本校では10分から15分の動画とPDF資料等を組み合わせた計50分パッケージの授業にして、しっかり学びが進むよう組み立てました。

インドネシアのオンライン教育

加藤:最終的にその形式にする上で、なにかヒントにした事例はありますか。

吉川氏:私は3年程前に、2週間インドネシアの教育を調べに行ったんですね。ジャワ島の学校を7つ視察して、ものすごく進んだ学校のシステムに驚いた体験があったんです。
 そして2020年3月、インドネシアでは既に全授業を動画やSkypeで行っていたので、そこから話を伺いました。

加藤:なぜインドネシアはそこまで進んでいるのでしょうか。

吉川氏:インドネシアには1万3千ぐらいの島々があるので、共通テストがしにくい課題があったんですね。そこにオンラインの普及が手伝って、数年前から卒業認定試験や大学入試がパソコンで行うオンライン試験になっていったんです。
 そういう経緯からインドネシアでは普段の授業でもパソコンが使われるようになり、オンライン授業の土壌ができているのです。

オンライン授業と実技科目

加藤:オンライン授業が難しい科目はありますか。

吉川氏:やっぱり体育のような実技科目と、あとは英語のスピーキングはちょっと工夫がいりますね。そのため各教科のカリキュラム内の教える順番を入れ替えながら、臨時休業中はオンラインに適した内容を先にやるなど工夫をしました。

加藤:なるほど、オンラインにも向き不向きはありますよね。

吉川氏:ただ意外だったのが、いろいろと試行錯誤するなかで体育の授業もやってみたときに、デモンストレーションで先生の顔や姿が出ますよね。それが生徒のアンケートを見ると好評で、「あの体育の授業がめちゃくちゃ面白かったです」みたいな感想があったんです。
 オンラインだとしても教員の姿がみえること、どの教員が教えているか、つまり教員と生徒のつながりが求められていることが判明しました。このことが教員の側のモチベーションに繋がりました。

(取材=加藤年紀 編集=小野寺将人)

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※本インタビューは全8話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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