教師を目指す人へのメッセージ
加藤(インタビュアー):公立高校の先生としてご活躍されている吉川さんから、教師を目指している学生に何かメッセージはありますか。
吉川氏:ここ5年とか10年とかで社会の状況が大きく様変わりしましたよね。テクノロジーという意味でも、コロナのような社会的な問題という意味でも。そして教育界は「GIGAスクール構想」等によってさらに変革期を迎えます。
教師になりたい人たちは、自分が学生時代に出会った先生像をイメージしていると思うのですが、その教育方式の再生産をしてしまわないか注意が必要です。
加藤:たしかに、自分の学生時代とはまったく違う時代を、子どもたちは生きていると認識した方が良いですよね。
吉川氏:そうなんです。世の中がこれだけ変化しているなら、教育も常に変化すべきですよね。
教育実習生が教師になるために、数年ぶりに学校に来るじゃないですか。その若い世代でさえも、オンライン授業はあまり馴染みがないわけです。ぜひそういう時代の変化に適応できる教師になって欲しいですね。
公立校の教師の醍醐味
加藤:公立高校の先生の醍醐味は何だと思いますか。
吉川氏:公立では多くの場合、地域の子どもたちを育てていますよね。それによって、地域で暮らす方々や、地域の企業、行政からの信頼をいただけています。つまり公立高校は地域との連携がしやすいので、一緒にプロジェクトに取り組めるのは醍醐味だと思います。
加藤:たしかに、公立だと地元からの見え方が違ってくるかも知れませんね。
吉川氏:あと公立だと、私立に比べて動き出しに時間がかかるイメージがありますよね。たしかにそういう側面もありますが、コロナのような社会がガラッとかわる瞬間においては話が違います。
いざやるとなったら公的な予算がびっくりするくらいダイナミックに投入されるので、一気に前に進むんです。先進的な私学と比べても引けをとらない、とても大きな予算規模になるというのも、公立の醍醐味かも知れません。
加藤:確かにそうですよね。
吉川氏:私立の先生からしたら、ちょっと反則的な感じはあるのかもしれないですね(笑)。
多様性が認められる社会
加藤:吉川さんの、人生における今後の展望を教えてください。
吉川氏:私が最近よく思うのは、多様性が認められる社会ってとても重要じゃないかなと。今までの学校や社会は、画一性を大事にしてきました。それが世界に目を向ければ向けるほど、違和感というか、別の価値観が必要だという気がしています。
加藤:海外でのご活動もされているのでしょうか。
吉川氏:個人的にバリ島の観光支援の手伝いをしています。この状況でも行えるバーチャルツアーを2020年の4月から立ち上げて、テクノロジーの力で世界中から訪れる仕組みを作りました。
加藤:なるほど、そうやって別の価値観に触れているのですね。
吉川氏:国籍や地域の文化もそうですし、ハンディキャップ、性差、LGBTQなど様々な特徴をお互いに持っていても、共生できる社会が望ましいと思うんです。その点において、教育はとても重要なトピックスですから、今後もプロジェクト化して進めていきたいですね。
(取材=加藤年紀 編集=小野寺将人)
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※本インタビューは全8話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。
第2話 学びを止めるな!わずか2週間で全教員がオンライン授業
第4話 オンライン授業をやって見えたもの
第5話 生徒が企画し、コロナと戦う病院でメッセージ動画を投影
第6話 協賛金を生徒が集める「掛川城プロジェクションマッピング」