インタビュー

【袋井市 石塚浩司 #3】データと泥臭さで農家の信頼を得る

石塚浩司3

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まずは学校給食のデータを整理する

加藤(インタビューアー):石塚さんは学校給食の仕入れについて、地元農家さんと直接交渉をされていますよね。もし他の自治体が真似したいと思ったとき、まず何から始めればよいのでしょうか。

石塚氏:まずどれぐらいの量が必要になるか、最初に把握すると良いと思います。農作物を作っていただいてから「使い切れませんでした」にならないよう、学校給食においてどの品目がいつどれだけ必要かを洗い出します。その後で、費用を出すイメージですね。
 例えば袋井市の場合、玉ねぎだったら年間50トンぐらい使うので、「この畑一面だと2トンは獲れそうだから、全部買います」みたいな会話をしていきます。

加藤:通常、給食センターはそのあたりのデータを管理しているものなのでしょうか。

石塚氏:既にしてある自治体もあると思いますが、使えるデータとして整理まではできていないところも多いと思います。ですから、真似しようと思ってから最初にデータ入力・整理が手間になる場合はあるかも知れません。私もどうすれば使いやすいか考えながら、ひたすらデータの入力・整理をしていた記憶があります。
 ただ、一度データを作れさえすれば現状分析ができますので、時期別の戦略も立てやすくなります。地域によって同じ野菜でも収穫時期が違いますので、地場産物を含ませながら効率的に仕入れるにはどうしたら良いだろうなど、そういう検討に使えます。

加藤:それは良いですね。その具体的なやり方について、他の自治体から問い合わせが来ますか。

石塚氏:はい、全国からお問い合わせいただきます。数年前までは「まず何をしたら良いですか」という質問が多かったのですが、最近は「今こんな状況なのですが、この後どうしたら良いですか」のような一歩先の質問が増えてきました。全国的にデータで可視化する流れができつつあるのかなと思います。

加藤:それは素晴らしいですね!

石塚氏:ここの良く発生するのが、縦割り行政問題です。本来は学校給食の献立を考える栄養教諭が持っているデータを使えるとスムーズなはずですよね。ただこのデータがソフトの都合上うまく連携できなかったり、もっと言えば人間関係ができていなくてやり取りが難しかったりもします。袋井市の場合は職員同士が同じ所にいるので一緒に仕事をしていますが、そうじゃない場合は注意が必要ですね。

学校給食の地産地消率を上げるデータ戦略

加藤:学校給食の地産地消率を上げるために、何か工夫はありますか。

石塚氏:データが揃えば、率を上げやすいポイントがわかりますよね。
 まず学校給食でよく使う野菜を洗い出して地産地消率を出します。そのとき、明らかに低い品目があれば、それを重点的に地元産物で充てていくことで率が上げられます。

加藤:なるほど、それは戦略的ですね。

石塚氏:袋井市の場合、玉ねぎは年間50トン使いますが、地元からは当初1トンも入れていなかったんです。調べたら袋井市でも玉ねぎはちゃんと作れるので、増やしていく重点品目にしました。
 ちなみに人参の率も上げたいのですが、袋井市では未だになかなかうまく育たないんですよね。そういう地域の特性も見ていけると良いと思います。

農家さんとの関係構築

石塚さん6

加藤:地元農家さんとの交渉は、農家さんと普段お仕事している部署と連携する場合もありますか。

石塚氏:時にはあります。ただ農政部は基本的に市の重点品目、袋井市でいえばお米・お茶・クラウンメロンを主に見ていますから、それ以外の品目についてはそこまで農家さんと関係性が強くないんですよね。もしかしたら玉ねぎを作っている農家さんは私の方が知っている可能性もあります。

加藤:話を聞く限り、かなり泥臭く人間関係を作られていますもんね。

石塚氏:最初の頃はスーツ着て営業に行っても、全然取り合ってもらえませんでした。名刺を渡しても「フーン」みたいな。
 そのためもう長靴を履いてラフな格好をして、一緒に農作業をしたり世間話をしたり、そうやって関係性を作っていきました。役所を泥だらけの長靴で大根持って歩いていたので皆からジロジロ見られたこともありましたね(笑)

加藤:農家さんからの信頼を得る上で、他に工夫した点はありますか。

石塚氏:ある程度会話ができるようになったら、割が良い農作物の提案もしています。例えばじゃがいもの方が、玉ねぎと比べるとキロ単価が倍ぐらい高い時があるんですね。しかも芋ってうまくいけば一つの種芋からいっぱいできるじゃないですか。栽培期間も玉ねぎの半分ぐらいですし、そう考えるとじゃがいもの方が良いかも知れませんね、みたいな話もします。
 やっぱり農作物によって単価や収穫の手間が変わってきますから、どの品目を育てると良さそうかは関心が高いですよ。そういう情報をデータありきで話せると、頼ってもらえるようになると思います。

(取材=加藤年紀 編集=小野寺将人)

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