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【袋井市 石塚浩司 #5】学校給食のレベルを日本全体で上げたい

仕事は内容よりも職場環境

加藤(インタビューアー):石塚さんは入庁される前、民間で働かれていましたよね。

石塚氏:私は入庁が29か30歳頃でしたから、少し遅めだったと思います。
 私は大学を卒業して冷凍食品の会社に就職をしたのですが、ずっとやってきた陸上の十種競技を続ける上で両立が難しかったため退職したんですね。ただその十種競技も日本選手権に出場後、持病の悪化でドクターストップがかかってしまったんです。それが仕事にも影響して、お医者さんからは事務仕事じゃないとだめだと言われました。

加藤:大変なご苦労をされたのですね。

石塚氏:でもそれまで事務仕事に縁がなかったものですから、どこにそんな仕事があるのか想像もできませんでした。とりあえずバイトをしてお金が貯まったら辞めて、なくなったらまたバイトをして、という生活を三年ぐらいしていました。
 精神的にはつらかったのですが、そこでいろいろな職場を見て学んだのは、仕事は内容よりも職場環境が大事なんだなと。それこそ私は入庁したとき税務課で徴収の仕事をしていましたが、仕事自体はあまり楽しいものでなくとも職場環境が良かったので苦じゃなかったんですよね。ですので、今でも誰と仕事をするかは自分の中で大切なポイントです。

民間と役所の違い

加藤:かつて働いていた民間と、現在働いている役所とで、どんな違いを感じますか。

石塚氏:地方公務員として働いていると、どこまで踏み込むか難しい時があると思います。もちろん最低限やらなければいけないラインはあるのですが、突き抜けすぎると公平性が保てなくなる危険性があるので抑える時もあるんですね。
 目標を達成するためには一点集中をした方が効率良い場合もありますが、やはり公務員としては全体の奉仕者としての在り方が前提になるので、そのバランスが難しい仕事なのかなと思いますね。

子どもたちは出されたものを食べるしかない

加藤:石塚さんが困難を乗りこえながらも、意欲的に取り組まれている動機は何でしょうか。

石塚氏:一つは単純に、給食をより良いものにしたいからですね。子どもたちからすれば、出されたものを食べるしかないので選択権がないじゃないですか。だったらそれを美味しくしたい、旬のものを届けたいと思うのは自然なことかなと思います。
 例えば袋井市では5~7月にきゅうりが獲れるので、袋井市の5~7月の給食にはきゅうりが多く使われているんです。きゅうりって今は一年中スーパーで売っていますが、給食のデータを見返すとちゃんと旬のものを使っていることがわかるんですよね。

加藤:それは素晴らしいですね。

石塚氏:あともう一つのモチベーションは、私自身がじっとしていられるタイプじゃないので、外に出て農家さんと農作業をしながら会話するのが好きなのも大きいですね。この仕事は、本当にめちゃくちゃ楽しいですよ。

加藤:袋井市は文部科学賞の学校給食表彰で大臣賞を獲られましたね。そうやって注目されると、他の自治体にもノウハウが共有されるので、とても良い流れを作られていると感じます。

石塚氏:私としては、袋井市はもちろんなんですけど、学校給食における日本全体のレベルを上げたいんですよね。地場産物を活用していく手法は全国で使えると思うので、これからも伝えていきたいです。
 給食は子どもたちの体を作るものであり、食育と考えれば子どもたちの未来を創るものでもあるので、とてもやりがいを感じます。

加藤:今日色々とお話を伺って、本当に誇れるお仕事をされていると感じました。

石塚氏:ありがとうございます。地方公務員という仕事は、残念ながら良い意味で目立つことが少ないですよね。ただひたすら地域住民のために当たり前の仕事をしていくことは、なかなか評価されにくいかも知れませんが、やりがいを持って取り組める良い仕事かなと思います。

9.石塚さん写真

(取材=加藤年紀 編集=小野寺将人)

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※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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