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【神戸市 長井伸晃 #3】クレームから学び、新たな施策を打つ

並行して連携を模索

加藤:Uber Eatsの発表後に、一部の批判的な意見からヒントを得られたとお聞きました。その後、どのような連携を進められたのでしょうか。

長井氏:出前館やキッチンカーとの連携を進めました。Uber Eatsとの連携の話が出てきた頃には全くなかった話ですが、市民やいろんな人の声を聞いて「やるべきやな」と思った時に、出前館の社長が神戸市まで話をしに来てくれたんです。そこで、「是非やりましょう」となって、10日で実現できました。

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 出前館でも、地域によってはデリバリーに登録されている飲食店が少なかったので、「まだ足りないパーツがある」と思って、キッチンカー活用による支援策も並行して進めました。

ケースワーカーのスキルが電話対応に生きた

加藤:最初のUber Eatsでやりきれなかったところを埋めていくために、順次打ち手を増やしていったんですね。

長井氏:そうですね。大事にしていたのは市民からの電話なんです。コールセンターで基本的なことは対応してくれるんですけど、クレームや込み入ったことは僕が聞くべきだと思って対応していました。
 1時間ぐらい話す人もいましたけれど、逆に取材する気持ちで「教えてください」という姿勢だと、電話を切る頃には「ありがとう、頑張ってね」と言ってくれるんですよね。元々、僕はケースワーカーの経験があったので、その時身につけたスキルが生きてるのかなと思ったりします。最後は笑顔で切ってもらって、アイディアももらう。めちゃくちゃ忙しい中でもありましたし、もちろんしんどかったですが、決して逃げずに1件1件向き合いながら対応するようにしていました。

Uber Eats会見の2日後に出前館の社長と面会

加藤:出前館の話は10日で決まったということですが、ご自身が出前館にコンタクトを取りにいったんですか?

長井氏:Uber Eatsとの連携発表直後に、コロナ対策で他に何かできることないかというブレストを有志でしていたんです。さっき言ったように、僕はUber Eatsだけだとまだ足りない部分があると言ったら、その中の一人が出前館の社長を紹介してくれたんです。連絡したら「すぐ行きます」と言ってくれました。
 4月10日にUber Eatsの会見をして、14日に出前館の社長と初めてお会いしました。2人で「やりましょう」って勝手に決めて、内容の検討と並行しながら上司や他の関係部署にも同意をとって、24日に連携を発表しました。

出前館は安全性に強み、利用店舗の選択肢を広げる

加藤:出前館は、大手のピザ屋やファミレスが登録するプラットフォームというイメージなんですが、中小のレストランも登録できるんですか?

長井氏:もちろんできます。Uber Eatsと異なる点は、出前館はデリバリー情報のプラットフォームなんです。そして、出前館には2つの選択肢があって、配達員が自前でいる場合は出前館のプラットフォームに掲載して売り上げがあったら、その商品代金の10%に当たる金額がサービス利用料として差し引かれるというものと、配達員がいない場合は出前館の従業員が代わりに代行してくれるものがありますが、こちらの場合はその配達代行にかかる手数料がさらに差し引かれます。今回の連携では、10%の利用料の半額を神戸市と出前館が3か月間助成したり、配達代行手数料の一部を出前館が助成するものです。この飲食店を支援するスキームもまた神戸市オリジナルです。

加藤:Uber Eatsと出前館との連携を進める中で、両者に違いは感じましたか?

長井氏:配達する方の働き方というか、雇用形態に違いもありますし、その中で出前館は安全面を特に重視して取り組んでいると強調されていたのが印象的でした。このようにして、特徴の異なるサービスの中から、飲食店や利用者のスタイルに合った形でどれを使うかという選択肢を広げていけたらなという思いがありました。
 また、出前館は、山岳エリア以外は市内全域をカバーしています。ただ、郊外のニュータウンにある住宅団地とかは、出前館のアプリを開いてもピザ屋さんしかないとか、選択肢が少ない。そこでキッチンカーの取組みにつながっていったんですよね。
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(編集=市岡ひかり)

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※本インタビューは全6話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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