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【野洲市 生水裕美氏:第5話】今の異動の在り方では 経験が蓄積されない

今の異動の在り方では経験が蓄積されていかない

生水氏:正規職員は異動をすることで、様々な業務を覚えることができるメリットがある反面、経験が蓄積されないデメリットがあります。業務において柱となる人材がいないため、事業が適切に継続されていけないことは、知識の損失です。これからは正規職員の育て方、異動の在り方も変わっていかないと、問題解決ができないと思っています。柱となる職員を、それぞれの部署で育てていくような人事配置が必要だろうし、ジェネラリストとスペシャリストをそれぞれ人材育成していく視点が重要だと思います。

異動しなかったから 多くのことを進められた

生水氏:民間ではその業務のスペシャリストを育てていくので、総務もすれば、営業もすれば、工場勤務をするなんてことは普通ないんですよね。役所ではジェネラリストという考え方のもとに異動ありきなので、中には、経験が生かされない、全く知らない業務に4月から配置されてしまうため、職員のモチベーションが高まらない。潰れてしまう職員もいる。

 管理職を育てるには広く業務を知ることが大事かもしれないですが、柱となる専門性の高い職員も部署毎に育てていかないと、うまく機能していかないと思っています。私は、ありがたいことにたまたまこうして長く同じ部署にいるので、経験値を高めることが出来るため、条例を作ることが出来たのだと思います。

加藤:確かに、もし、生水さんが他の部署へ異動していたら、いろんなことが進んでなかったかもしれないですよね。

生水氏:私は相談を受けてそこから課題を見つけて制度にし、そしてそれを運用して問題解決をする、一連の流れを体感できる立ち位置にいるので、非常に恵まれていると思います。この体感が私のモチベーションになっているんでね。こういう育て方をしてくれた市役所にはとても感謝しています。

 でも、本当は、何も役に立たずめんどくさいので引き受けてくれる所がなく、他に配属する部署がなかったんだと思います(笑)。

目的を達するためには 自分を押し殺す

加藤:尊敬する公務員の方はいますか?

生水氏:すごい人は沢山いますよ。私の最初の上司はさりげなく気がつかないところで掃除をしたりとか、管理職なのにいろんな雑務もされる。自分が目立ったことをするのではなく、見えないところで部下を支えてくださっていて、働きやすい環境を作って行く心配りをされていました。目立つことだけが仕事ではない、支えることの大切さを学ばせていただいた。

 国も素晴らしい人がいっぱいおられますが、中でも厚生労働省や内閣府に務められ昨年退職された山崎史郎さん。「生活困窮者支援法をやるぞ!」と力強く押し進めてくれた方なんですけど、すごく敵が多いと言われている状況の中、たぶんそれに気づかれているんだろうけど、全くそれをいとわずに、誰にでも分け隔てなく、一人ひとり声をかけ励まして、明るく明るく周りに接していかれる。

「ガー!」と文句言ってくる人に対しても、すごく包み込むような感じ。でも本当はすごく芯が強くて戦うタイプなんだけど、なんだろう…、目的を達するためには自分を押し殺していくというか、どうすればものごとが上手く進むかわかっている方。人心掌握術、いわゆる「人たらし」、というか、そういうやり方を学ばせていただいた。

飲み会でネタにしてもらえる存在になりたい

加藤:ご自身の理想の公務員像はありますか?

生水氏:理想の公務員ね。昔うちの上司がずっと遊び倒していて、ずっと遊び倒したまま退職した人いるんです(笑)。

加藤:理想ですね(笑)。

生水氏:みんなでね「あいつ面白かったよな」とかね。「変なやつやったよな」って、辞めてからもみんなに茶化してもらう、そんな存在がいいですね。武勇伝じゃなくて、辞めた後も飲み会の席でネタにしてもらえる、そういうのが私の理想の公務員像かな。

加藤:既になっていますよね。『地方公務員アワード』の推薦文でも「おせっかい」とか「被害者の会」とか、冗談で書かれていましたから。

生水氏:いやいや。でも、ネタにしてもらえるような公務員がいいですね、「あいつアホちゃうか」みたいな。

歯がゆい思いをしながら困っている人達に 会いに行きたい

加藤:ちなみに今後したいことはなんでしょうか。

生水氏:うーん…。隠居(笑)。遊んで暮らしたい。

 条例もできて、面白い部下が次々に育っている。だから、「やりたいけど、できない」と歯がゆい思いをしながら、困っている人達に会いに行きたいです。

 先進地とか、出来ているところではなく、問題山積みで、そういうとこにいって一緒に悩んで汗をかいていくようなね。半年毎とかで、そういうことができたら面白いと思っています。救急隊みたいな感じで、キュッと行ってグチャッとして(笑)。

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