「公務員ってかっこいい」
矢嶋:平塚さんが公務員になろうと思われたのはなぜでしょうか。
平塚氏:大学生のときは、公務員って大嫌いだったんですよ(笑)。気候学を勉強していたので、気象予報士に憧れていました。
ただ親に話したら「その道は就職的に厳しいんじゃないか」とか「地元で安定した公務員がいいんじゃないか」ってずっと言われてきて。
矢嶋:公務員の道は親御さんから言われていたのですね。
平塚氏:はい。でも自分はそういうタイプじゃないと思っていて。ただあるとき、テレビの「夢の扉+」を見ていたら石川県のスーパー公務員の高野誠鮮さんが紹介されていたんです。
高野さんは自分がイメージしていた公務員とは違ってすごく挑戦をしているし、町の人と協働しながら町を変えていて。それを見て公務員でもこういうことやっていいんだ、知らなかったなぁと思って。そのとき「公務員ってかっこいいな」って思ったんです。
矢嶋:まさに今、平塚さんがやられていることですね。
平塚氏:私が今できてるかどうか分かりませんが。
もう一歩踏み出す
矢嶋:公務員になってみて、どんなところに醍醐味を見出していますか。
平塚氏:やっぱり町に飛び出して初めて醍醐味を感じられるかなと思います。恐らく公務員の中には町の人と話すことに消極的な方もいるのは事実です。部署によっては大変な思いをする場合もあるので仕方がない部分はあるんですけども。
矢嶋:平塚さんは実際そういう目にあったりしますか。
平塚氏:まあ、いろんな経験はします。正直、怖い部分もあるんですけども、一歩目を踏み出すことはやっぱり大事なわけです。
市民の皆さんからすれば、私たちが何をやってるのか分からないし、余計に不安にさせてしまう部分もあると思うんですね。だから自分から町に出て、会話をするのがすごく大切だと思います。
矢嶋:お互いに理解し合わないといけませんね。
平塚氏:そうなんです。市の決定について不満を持っている方がいた場合、その経緯をちゃんと伝えられていない私たちの責任でもあるじゃないですか。「こういう理由があって、こういう答えになりました」っていうプロセスを含めた説明が届いていない。
矢嶋:なるほど。賛成反対の前に、そもそも伝わっていないと。
平塚氏:「行政は真剣にこの町のこと、あなたのことを思って仕事はしている。だけれども、全体最適を見たときに、不都合なことをお願いするときもある。それは申し訳ないんだけども、どうしても必要だからお願いしたい」と、ちゃんと理由を含めて伝えるべきだと思います。そうすれば大抵の方は理解してくださいます。
矢嶋:その決定によって不都合を受ける方には、特に対話が必要ですね。
平塚氏:はい。ただ住民の方って、本当はもっと優しいんですよ。表面的な怖い部分からもう一歩踏み込んでみると、そこに醍醐味があるんだろうなって思います。これから公務員になろうとしている方には、ぜひそこまで目指して欲しいです。
矢嶋:大変ためになるお話でした。ありがとうございました。
(取材=埼玉県庁 矢嶋直美 編集=小野寺将人)
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