インタビュー

【北見市 及川慎太郎 #1】業務改善とサービス向上は、表裏一体

及川慎太郎1

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【及川慎太郎(おいかわ しんたろう)経歴】
北海道北見市職員。現在は総務の立場から、様々な業務の傍らで「システム化を組み合わせた窓口業務改善」に取り組んでいる。北見市では、庁内ワーキンググループやプロジェクトチームの検討を経て、システムを活用した「書かない窓口」やワンストップサービスを実運用に載せている。システム以外にも、北見市が作成したチェック事項や手順をビジュアル的に落とし込んだアナログツールは、様々な自治体で参考にされているという。

-愛媛県が主催した「行革甲子園2016」でグランプリを受賞して以降、窓口分野の業務改善で注目されるようになった北見市。その推進に携わってきた及川慎太郎氏に、改善の内容、そして、その進め方や考え方について伺った。

加藤:北見市で進めている業務改善はどのようなものでしょうか、目的などを合わせて教えてください。

及川氏:利便性の向上と業務の効率化の2つを目的としています。窓口業務は自治体の仕事の中で大きな業務量があって、膨大な種類の手続きを取り扱っています。窓口から見えていない部分にも注目すると、受付後の確認作業や、それをシステムに入力していくバックヤード処理の過程まで、仕事の流れに大きな工程のようなものがあります。それらを少しでもスムーズにできるようにしたい、ということで様々な取り組みをしています。行革甲子園2016で取り上げていただいた「書かない窓口」はその一例です。

加藤:どのようなことを意識して業務改善を進めていますか。

及川氏:利用者の視点から見て、わかりやすく、使いやすくすることです。問い合わせや二度手間をできるだけ減らしたい。職員側も、事務処理のスピードを速くしたり、手戻りを減らすためにはどうしたらいいか考える。そのために事務を整理してITを組み合わせる。仕事の量って1件ずつの時間の積み上げなので、ひとつひとつの改善を積み上げることが、一見遠回りなようで重要ととらえています。

加藤:「書かない窓口」とは、どういったものでしょうか。

及川氏:システムの支援を使って、申請書の記入をできるだけ減らす仕組みにしたものです。役所の書式ってわかりにくいので、書き方の質問を受ける場面は意外に多くて、職員が手続きごとに書き方を説明していたりします。手書きされた申請書は、受付の際にまた確認しています。そこで、「書かない窓口」では、印字された申請書をシステムで作成し、利用者は内容を確認して署名することで提出できる仕組みにしました。最近では、いろいろな自治体で増えていますよね。北見市版では、受付の際に職員が必要事項を確認しながら作るので、書く手間の省略化や受付時間が早くなるだけじゃなく、一度で完成度の高い申請書ができて、事後処理も早くなることがもうひとつの効果です。

加藤:きっかけは何ですか。

及川氏:2011年頃、何人かの職員が、うちもやってみようと言い出して。職員提案の仕組みも使いながら、初期バージョンは簡易的なものを自分たちでプログラミングして作り、実際に窓口応対で運用に載せていくところまで形にしてみました。現在は、その機能を「窓口支援システム」という受付システムに実装し、引越しの届出でも「書かない窓口」を実現しています。

サービスを改善すると、業務も改善できる

加藤:北見市では、「ワンストップサービス」と呼ばれる仕組みを進められています。これはどういったものでしょうか。

及川氏:受付できる手続きを増やして、できるだけ窓口を回らないようにする取り組みをしています。よく誤解を受けるところですが、全ての手続きを受付する窓口を作るわけではありません。効率性を考えて、北見市では、証明書とライフイベントの2つをワンストップサービスの起点としています。特に、引っ越しや戸籍の届出に伴っては、いろいろな手続きが必要となるので、関連性や難易度などで分類して、簡単なものはできるだけ窓口を回さずに受付や案内ができるように事務を整理しています。窓口を回らないで済むということは、職員の側から見ても、そのぶん対応件数が減るという効果があります。

市民目線とは、見ている順番で情報を整理すること

加藤:北見市役所の窓口を見た方が、窓口の配置なども、市民目線でとても分かりやすかったと言っていました。工夫していることはありますか。

及川氏:実際の動きや、思考の順番を意識してわかりやすく改善しています。例えば、「引っ越し」と「健康保険の手続きだけで来た人」とは目的や起点が違うので、窓口は課名ではなく「住所」とか「健康保険」といった分野別に看板を掲げたり。ほかには、書類の書式を見直ししたり、窓口で手続きをアシストするためのパンフレットや手順書などのツール類も、思考の順番を意識した構成でたくさん作っています。私たちの取り組みは、業務の改革であり、現場からの業務改善と思います。

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加藤:現場から業務改善というのは、素晴らしいですよね。以前から北見市の事例を取材して深堀して欲しいと、他の自治体職員からもたくさん話がありました。

及川氏:組織で事業として取り組んでいるものですし、これまでいろいろな人たちが携わって作り上げてきているものですので、こういうインタビューは少し戸惑っています。でも、「事例として知ってもらうことで、取り組んでみようと思う自治体職員が増えるかもしれないのでお願いします」との依頼を頂きましたので、実務担当者として紹介したいと思います。

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※本インタビューは全4話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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