インタビュー

【北見市 及川慎太郎 #3】窓口業務改善を進めるには

及川慎太郎3

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ひとつずつ、試行錯誤しながら、できることから

加藤:他の自治体が北見市の真似をしたいと思った時に、どこから手を付けたらいいと思いますか?

及川氏:まずは地道な事務整理だと思います。あと、先進的な取り組みを真似ていくのも近道と思います。他の自治体の様子を聞くと、なかなかうまくいかないという悩みも聞きます。実は私たちもそうでしたし、今も未達成のことはたくさんあります。役所の中で想いを持っている人たちの課題意識を拾い、1つ1つ試行錯誤しながら、ちょっとずつ良いかたちに直していくということを、この数年間継続的に取り組んでいます。

 ユーザー目線で。アナログから始めて、システムに載せていく

加藤:北見市では窓口を支援するシステムを入れているという話がありましたが、業務改善はITに精通した人がいないと進めるのは難しいのでしょうか。

及川氏:プログラム的な思考は大事ですし、システムを使うことで大きな効果を出すことができます。ただ、私たちも、まずは「できることから改善」と称して、まずはアナログから始めてシステムに移行する手法から行ってきました。プログラム的な思考で情報を整理してツール化してみる。例えば、システム導入の前段階として作成した、この「手続きチェックシート」もその一つです。

kitami_checksheet

及川氏:役所の窓口で渡される手続き一覧のようなものを見ると、課の順だったり階別とかで情報が羅列されてますよね。北見市も以前のものはひたすら文章で説明書きがあって、特に順番に気を配られていたわけではなかったし、最後に必ず「詳しくはお問合せください」なんて記載されていた。もう、自ら問い合わせを増やしてたようなものですよね。

加藤:チェックシートによって何ができるようになりましたか。

及川氏:条件分岐を埋め込んでいるため、おおよそ必要な手続きや持ち物をすばやく探せるようになりました。また、1枚の紙というのがポイントで、窓口で俯瞰的に眺めながら、職員が一緒に確認していくことで手続きもれを減らしていける。原作者は私ではありませんが、よくできていると思います。一般の方から見て分かりやすいということは、私たち職員が見てもわかりやすい。何より、こういう形で整理してみると、役所の窓口の中で「つながっていないフロー」に気付けるんですね。自治体で引越しやおくやみなどのワンストップ窓口を始める際のツールにもなると思います。

リンク:北見市版「手続きチェックシート」
http://www.city.kitami.lg.jp/docs/2014012000017/

システムはツールである

加藤: 及川さんは業務改善にプログラム的な考え方を取り入れているのでしょうか?

及川氏:プログラムの考え方は意識しています。私自身も市役所に入った頃、情報システム部門で業務システムの運用やデータ処理のプログラムをひたすら書いたり直していた時期がありました。その頃に、システム構築の考え方やプログラミング的な思考が身に付いたと思います。あとは当時、「原課に行ってヒアリングして、事務改善になるように作れ」と常に言われていましたので、システム化やチェックシートのようなツール化をするうえでも、その経験が生きていると思います。

加藤:一方で、アナログな部分もおろそかにしていませんよね。

及川氏:昔からずっと、IT化、デジタル化が言われていますけど、システムはツール、情報を処理する手段ですので、何を解決するのか課題や目的があったうえで、システムを入れることによって大きな効果になるわけです。システムを小さく作るか、紙のツールをきっかけにやってみるといいと思います。実際に形あるものにすることで、自分たちも運用感がつかめて、役所全体にもイメージが伝わるようになると思います。

アンテナを張る、足でかせぐ、手を動かす

加藤:少しでも行動に移していくことが大事なのでしょうか。

及川氏:そうですね。できることからまずやる。そして、そこからステップアップをしていくことが、大事でした。私たちも初めから今の形が見えていたわけではなく、やってみて、走りながら軌道修正して、運用として定着させていく。いろいろやった結果、こうした地道な進め方が大切と感じています。

加藤:行動に移すことは簡単ではありません。そのために必要なモノはなんでしょうか。

及川氏:アンテナを張る、足でかせぐ、手を動かすということではないでしょうか。現場の困りごとを、ちょっと外の目線から見て拾う。それを一緒にかたちにしていく。この考え方は、これまで携わったみなさんに伝授していただいたと思います。

事務整理したことは、ルール化する

加藤:及川さんはBPR的な発想をすごく強く持たれているのかなと感じます。そこに至ったのはなぜでしょうか。

及川氏:業務改善を続けていく中で、「情報を整理してシステムを組み合わせる」という、変えていくための考え方があることを教わりました。BPRって、平たく訳すと、目の前の「コレ、やりにくいな」と感じているところを1つずつ、やりやすいかたちに直していくことなんだと思います。それだったら、できますよね。BPRとかの略語って、略語になるくらいですから、その目的や中身を深く考えてみると、使える要素がたくさんあると思います。あと、事務整理したことはルール化する、仕組み化することも大切です。人が変わると元に戻っちゃわないように運用に定着させていくことが大切で、これが難しいです。

加藤:一方で、業務を変えたくない人も多いと思います。そういう時はどうしていますか?

及川氏:何のためにやっているのか、目的に立ち返ることだと思います。それでも、何かを変えるときは、一時的に「変えるための仕事」が増えるので、悩ましいですよね。そこに労力をかけられないから、やる人がいないから進まないことも多い。でも、そこを乗り越えたあとには、もうちょっと「作業」を減らして、「仕事」に注力できる世界が待っていると思うんです。

RPAにどう向き合うか

加藤:最近よく、RPAという単語が出てきています。及川さんはRPAの可能性については、どう思っていますか?

及川氏:これは個人としての意見ですが、自動化ツールなので使い方だと思います。いろいろとコツがあるので、理解して使いどころに使えれば効果が高いと思います。

加藤:北見市では、窓口業務でRPAの実験をされていると伺いました。この分野にしているのはなぜでしょうか。

及川氏:すでに「書かない窓口」を実施していて、窓口で申請書を作ったときのデータがあるので、そのデータを使って定型的な入力処理を自動化できれば、件数も多いので効果が高いと考えています。まだ実証実験中です。

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※本インタビューは全4話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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