インタビュー

【北見市 及川慎太郎 #2】事務の手順を整理する

及川慎太郎2

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手順を揃える、簡素化する

加藤:少し細かいところですが、事務処理の統一化ということをされています。これはどういうことでしょうか。

及川氏:ワンストップ化しようとすると、各課のいろいろな手続きを受付するようになるので、事務処理の手順や基準が違っていると困ってしまうことに気付きました。そこで、できるだけ基本部分は揃えようと。例えば本人確認の手順や基準を揃えたり。これは多くの自治体で取り組まれていますが、認印の押印省略化などもやってみました。揃えておくと、「あっちの窓口では良いって言われたのに・・・」というようなトラブルも少なくなりますよね。

窓口で使う書類のデザイン、レイアウトを揃えた

加藤:北見市では、書類の様式をわかりやすく見直したそうですね。それについても教えていただけますか。

及川氏:役所の窓口で使用している届出書や申請書の様式は、手続きや部署ごとに違っていて統一性がありませんでした。元となる制度や作られた年代も、所管する役所や作者も違うので仕方ないですよね。そこで、他の自治体で既に取り組まれていた「表記を揃える」とか「順番を揃える」といった見直し事例など参考に、自分のところのいろいろな様式を組み替えしていたら、「これ、パターン化すればいいんじゃないか?」と気づいたんですね。そこで、「共通の要素は部品化する」「部品をパターンに組み合わせる」という手法で、各課の窓口で使っている様式を見直ししました。手続きが違ってもおおよそ様式が似ているので、記入する際も、職員が確認する際にもわかりやすくなりました。

kitami_layout

加藤:法や慣習による縛りがあるため、現在使われている様式に手を入れるのは億劫になりそうです。

及川氏:役所の様式は決まっていて変えられないと思いがちですが、実は自治体側で手を入れられるものもたくさんありました。

加藤:様式を直す場合、北見市ではどのように進めているのでしょうか。

及川氏:各課で様式を作る際のルールをガイドライン化して、それに沿って直してもらっています。
https://www.city.kitami.lg.jp/docs/2015110200057/files/kitami_youshiki_guideline_20190301.pdf
 ただ、各課に「これに沿って作ってください」と投げるだけでは、各課の職員が内容を解読してイチから作るという作業をいたずらに増やしてしまいます。そこで、「様式修正案を作って、それを配って各課に直してもらう」という手法で取り組みました。部品化したことでコピペの要領で作れちゃうので。

経験値に頼らず質の高い作業ができるように

加藤:改善の内容を見てみると、現場の職員が仕事を進めやすいような配慮があるように思えます。ほかに気を付けている点はありますか?

及川氏:事務を整理して、「普段から使えるツールにする」ということを意識しています。窓口業務って、様々な法令とか通知などが過去から積み重なっていて、職員の経験値に頼っている部分が大きいことがわかりました。それらを拾い集めて幅広く覚えるのも労力がかかりますし、マニュアルのような読みものにまとめるのも大変です。そこで、必要な確認事項やフローを、普段使う単位で1枚の用紙に落とし込んでツール化する、という手法でいろいろ整理してみました。

 例えばこれ。とある事務の受付からバックヤード処理で使っている「処理票」ですが、複雑なチェック事項も網羅しつつ、今どこまで処理されているのか、あと何を確認なきゃいけないのかが一目でわかるように、ビジュアル的にマッピングしています。このほかにも、窓口で提示しながら使うパンフレットや、自分たちのチェック用に使うものなど、いろいろあります。いずれも、職員が現場で必要だと気づいて利用者目線で作ってきたものです。

kiitami_checktool

加藤:このシート便利ですよね。条件分岐とかもちゃんと表現されている。

及川氏:ツール化することで、経験の浅い職員でも形式チェックが覚えられる、という効果もありました。全国の自治体が工夫してそれぞれマニュアルを作っているような状況なので、こういう表現の仕方が普及すると、調べる労力が大きく減るかもしれませんね。

ITでフロント業務を支援する

加藤:業務改善を進めていく中で、窓口支援システムというものを作ったそうですね。

及川氏:はい。それまでの自作版の「書かない窓口」で培ったノウハウをベースとしながら、現場で必要ないろいろな機能を分析して、新たにバックヤード連携も考慮して構築した受付支援システムです。ワンストップ窓口を支える仕組みとして活用しています。北見市では、証明書の窓口で年間9万件、ライフイベントの窓口で年間1万2千件くらいを対応していますので、この件数に、1件あたりの短縮できた時間や、窓口を回らなくなった手続きの種類とか対応時間などを掛け算すると、市民側、職員側それぞれの効果が見えてくるかと思います。窓口では、利用した方から「書かなくていいんですか?」「もう終わったの?」「この手続きもやってくれるのですか?」といった声も伺っていて、フローを見直ししてよかったと思います。

加藤:システム導入によって、改善を見込める余地はまだあると思いますか。

及川氏:そうですね。もともと自治体では様々な業務システムが導入されていますが、その多くは、紙で受付したあとに情報を入力しておく台帳管理の仕組みが中心で、受付部分はまだまだ紙が主流です。そこで最近は、「フロント業務のデジタル化」がテーマになっていますよね。北見市の受付支援システムは、既存のシステムに上乗せして使える仕組みで、各課の様々な手続きについて、申請書の様式とか受付時の対応手順や職員のチェック事項、判定の条件など、現場の実務担当者のノウハウをパラメーターとしてどんどん登録して、成長できるように組みました。必要な情報をきめ細かに届けるだけでなく、職員側の事後処理の効率化や手戻りの削減となる要素も大きいです。今は、これを最大限活用できるように、フローの改善をひとつひとつ進めています。

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※本インタビューは全4話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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