インタビュー

【横浜市役所 石塚清香氏 #1】市民のステージに合った子育て情報を届ける

石塚清香1

【石塚清香(いしづか さやか)】
平成3年横浜市入庁。都筑区新区開設準備担当、教育委員会情報教育課で市立学校への教育用PC、インターネット等インフラ整備担当を経て、総務局情報システム課で国内最多の被保険者数を抱える横浜市国民健康保険システムの運用管理を経験。
 平成25年度に金沢区役所において庁内アントレプレナー事業で提案したシステム「かなざわ育なび.net」を企画・構築したことをきっかけとして、オープンデータ推進や官民協働によるシステム構築、国が進める共通語彙基盤プロジェクトの自治体アドバイザーなどの活動を展開。平成29年4月よりICT専任職として経済局に着任。プライベートでは、Code for YOKOHAMAや横浜市職員自主勉強会「よこはまYYラボ」に参加。「地方公務員が、本当にすごい!と思う地方公務員アワード2017」を受賞。

―日本はまだまだ男性社会だと言われる。そんな中、家庭を持ち、業務外の活動もしながら活躍する職員が横浜市役所の石塚清香氏だ。石塚氏はITの魅力と可能性を感じ、IT関連の業務に携わりながら、子育て情報サイト『かなざわ育なび.net』を生み出した。そんな石塚氏の実績や、業務における考え方、そして、横浜という地への想いなどを伺った。

行政の情報をユーザーに合わせて表示

加藤(インタビューアー):『かなざわ育なび.net』(以下、『育なび』)について教えていただけますか。

石塚氏:『育なび』はホームページに分散する子育て情報を集約し、わかりやすく子育て中の方に提供することができるポータルサイトです。横浜市のウェブサイトは各局区で情報公開をしているので、保育園の情報はこども青少年局、公園の情報は環境創造局と、行政組織の縦割りそのままに情報が掲載され、ユーザーが欲しい情報に辿り着きにくい場合があります。それをデータとして集約して処理することで、まとめて見られるようにしました。

『育なび』がそれまでの子育てサイトと少し違っていたのは、子どもの生年月日と郵便番号を入れていただくことでユーザーに関連する情報を上位に出す「パーソナライズ機能」を備えたことです。一覧の中から探すのではなく、郵便番号や現在地の情報を入れることで、例えば医療機関を近い順に表示させることなどができます。その他にも、地域のイベントや施設など、集められる情報はできるだけ集めて提供しています。

各部署のデータを集めるポイントは負担感を取り除くこと

加藤:『育なび』では、どのくらいのデータを見ることができるのでしょうか?

石塚氏:いま使っているデータは30種類以上あります。子育て支援課、地域振興課、消防署、こども青少年局、環境創造局など、いろんな部署がオープンライセンスで公開しているデータ(オープンデータ)を活用しています。

 元々オープンガバメントの推進をしたいと思っていたので、『育なび』のために整備したデータは、基本的にオープンデータにしていく前提で、各課にコンセンサスを取っていきました。
 その時には、いきなり「データを出してくれ」と言わず、データを抽出するフローを整理してできるだけ負担感なくデータを作ってもらえるように気を使いました。その時は、毎年決まって発行する紙媒体があって、そこに必要な情報の多くがあったのですが、残念ながら印刷イメージの形で各課から集約していてそのままではデータベースに載せられなかったので、逆にデータの形で集めて育なび.netにも紙媒体にも使う「ワンソース・マルチユース」の形に変えて、担当職員の協力を得ることができました。

金沢区に異動 区長にプレゼン

加藤:『育なび』は金沢区役所に在籍してときに進めたんですよね?

石塚氏:はい。総務局情報システム課から、金沢区福祉保健課に異動したタイミングでした。

 もともとは、横浜市の「庁内アントレプレナーシップ事業」という職員提案制度で子育てポータル構想を提案していました。結果的に、横浜市全体ではできなかったんですけどね。

 ただ、横浜市全体でやる前に、どこかの区で実証してみたほうが良いと思っていた矢先に金沢区に異動になったので、これはラッキーとばかりにプレゼン資料を用意して、金沢区長に営業しにいったわけです(笑)。「金沢区でお試しいただければ、子育てしやすい区としてアピールできますよ!」とがっちりプレゼンをしたところ、当時の区長に「おもしろい!」と言っていただいたのが事の発端。あのゴーサインがなかったら、今でも作れていないと思います。

 

※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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