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【南房総市 松田浩史 #5】攻めの姿勢でいれば、公務員は楽しくて仕方がない

軽はずみに無理と言ってはいけない

加藤:仕事をしていく中で意識していることは何ですか?

松田氏:市民という個人に向き合うことですよね。色々苦情を言ってくる方がいた場合に、その課題を解決したいのか、その裏に何かを考えて言っているのか、どうしたらその人の気持ちが解きほぐれるのか考えて対応しなきゃいけないと考えています。裏にある思いが分かると、納得できることもありますから。

加藤:そう考えるきっかけはありましたか?

松田氏:観光の部署にいた時、観光協会長が色々と私に頼んできたんです。1日2日考えて、無理ですねと伝えたら、「お前が無理だっていったら無理なんだな」という風に言うんです。その時に与えてしまった絶望感のようなものに、申し訳なさを感じました。軽はずみに無理と言ってはダメで、しっかり考え抜かないといけないな、と思いました。
 役所の中には、自分の仕事を増やさないことに労力を割いちゃう人っているじゃないですか。一方で、ふるさと納税の勉強会に出てくるような日本全国のふるさと納税担当者の人たちって、責任を背負っている気がします。私もそうありたいですね。

自分が評価されたいと考える公務員はとても多い

加藤:松田さんは関係者のニーズを踏まえながら、やりたいことを実現しているのかと思いました。役所の中でやりたいことをやるにはどうしたらよいでしょうか?

松田氏:私がやりたいのは「市民がやりたいと思っていることを実現すること」だから、割と簡単なんです。アンケートなどで市民のニーズを可視化すれば、理解してもらえます。

 補助金がもらえるからと言って、ニーズ調査もせずに先進性を押し付ける公務員もいます。いいことを言って希望を持たせても、結果を出せなければ絶望しかありません。本来、市民のために動かなければいけないのに、自分が評価されたいと考える公務員はとても多い。これは、市民の方もかわいそうですが、後処理をする職員の苦労も大変なんです。

加藤:自分の評価を目的としてしまうと、大義も弱いですし、周囲の協力も得られません。結果として、やりたいことが実現できない気がしますね。松田さんにはあまり出世欲が強くないように見えます。

松田氏:私は前に出ようという欲はあんまりないんです。今回、ふるさとチョイスアワードを北上市さんと一緒にいただきましたけど、こういう賞もどうやって市の事業者さんへ還元できるかが大事だと思っています。

攻めの姿勢でいれば、公務員は楽しくて仕方がない

加藤:これから求められる地方公務員像はどのようなものだと思いますか?

松田氏:市民に妙な安心感を与えられる人間でしょうか。そもそも公務員なので、信頼感は当然必要ですが、「あいつが何かやるって言ってるんだから大丈夫なんじゃない?」と言われる公務員でありたいですね。

加藤:その信頼感を得るためには何が必要ですか?

松田氏:小さなことをコツコツ積み重ねていくしかないと思います。本当にちっちゃいことだと思いますよ。幸いなことに、公務員が頑張って市民に喜んでもらったとしても「この結果で、お前は相当儲けているんだろうな」とは思われないんですよ。フラットに見てくれて一緒に喜んでくれる。

加藤:成果を上げても給料が大きく上がるわけではないですもんね。

松田氏:見返りが金銭ではなく信頼なんです。市民のみんなと二人三脚でやって行くなかで、単純に喜んでもらいたいだけ。自分から動いて攻めの姿勢でいれば、公務員は楽しくて仕方ありません。市役所でなければできないこと、民間でなければできないことをお互いが補いながらことにあたれば、大抵のことは実現できると思います。

加藤:攻めの姿勢を維持するために、自分のやりたいことをやれるようにする努力も重要ですよね。

松田氏:鴨川市のふるさと納税の前任の方が「やらされてる感じだと苦痛。だけど、攻めていくのであれば楽しい」と言っていました。予算だったり、課としての目標をうまく自分自身の目標に置き換えて動ければいいなと思います。当然、自分の首は締まって来ちゃいますけどね(笑)。

加藤:目の前の仕事に忙殺されると、その仕事にどんな意味があるのかを忘れがちですよね。

喜んでくれる姿を見ると嬉しくて頑張れる

加藤:最後の質問です。お仕事の醍醐味を教えて下さい。

松田氏:ふるさと納税の仕事は残業も多いです。年末でも休みはほぼありません。忙しい中で、台風が来ることもある。でも、被害で何日も営業を止め、停電で損失を多く抱える事業者さんの頑張る姿を見たら、何もしないという選択肢はありえません。

 台風の後に事業者さんは、これまで以上に笑顔で接してくれるようになりました。単なる市役所と事業者という関係ではなく、仲間と言えるような関係が生まれたのを実感したんです。そして、実際に喜んでくれる姿を見ると嬉しくなっちゃうので、「また一緒に、何かをやりたい」と思ってしまう。そういうところが、この仕事の醍醐味だと思います。

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※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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