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事例を知る 財政

#地方公務員が気になるニュース 令和6年12月19日(地方財務)

記事タイトル:「今後目指すべき地方財政の姿と令和7年度の地方財政への対応等についての意見」の提出
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei02_02000385.html
(文=川口 克仁)

16日、地方財務担当、大東市の川口です。今回は地方財政審議会が総務大臣に提出した、「今後目指すべき地方財政の姿と令和7年度の地方財政への対応等についての意見」を取り上げます。

こちらの意見書は、令和7年度の地方財政を網羅的に俯瞰するのにとても適しているので、この分野に興味がある方は一読をお勧めします。比較的平易な表現で、読みやすいよう配慮されています。

国及び地方財政に強い影響力を持つ国の大きな会議体が3つあります。

①経済財政諮問会議(内閣府) 内閣総理大臣が議長
②地方財政審議会(総務省) 現在は小西先生が会長
③財政制度等審議会(財務省) 会長は実業家、学者が順番に務めている。

地方財政制度の大きな方向性は、地方財政審議会と財政制度等審議会の議論が収束して経済財政諮問会議に上がり、骨太の方針の中で決定されるようなイメージで理解しています。財務省が強いという印象があるかもしれませんが、総務省も地方六団体や有力首長を上手いこと味方につけて、したたかに意見を通しているように見えます。

骨太の方針における「一般財源ルール」の継承が守られていることもあり、最近は地方財政審議会と財政制度等審議会の対立が大人しいような気がしますが、毎年、地方財政計画における地方一般財源総額の確保の解釈等を巡って互いに刃を交えてきました。
特に地方自治体の基金残高の増加については、財務省が攻撃のやり玉に挙げることが多いので、意見書は先手を打って次のように理由を説明しています。

『令和5年度決算において、基金残高が増加したが、主として、地方税が当初見込みから増加したことを踏まえ、各地方自治体が、将来の普通交付税の減額精算のための備えとして積み立てたものや、令和5年度においては、定年引上げに伴う退職手当支給額の年度間の増減に備えるための交付税措置がなされたこと、補正予算により「臨時財政対策債償還基金費」として普通交付税が増額交付されたことにより、制度的に基金残高の増加が想定されているもの等によるものである。基金残高が増加したことをもって地方財政に余裕があると判断するのは適当ではない。』との記載があります。要するに、基金残高が増えてるけど、ここを論点に攻撃すんなよって言ってる訳です。

地方財政審議会の現会長は、地方財政に関する著書を多数上梓されている元関西学院大学教授の小西砂千夫先生ですが、この意見書の『おわりに』は、小西先生の価値観と願いが強く出ていると感じたので、抜粋して紹介しておきます。私は心に刻みました。

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『おわりに』
 千年単位で見ても類を見ない急激な人口減少、気候変動に伴う自然災害の激甚化・頻発化、生成AI等の登場による急激なデジタルの進化、約30年ぶりの賃金・物価の上昇。我が国は大きな時代の変化に直面している。
 地方自治体は、このような変化に対応しつつ、行政サービスを安定的に確保し、住民の当たり前の生活を支えていかなければならない。そのためには、経済の好循環と財政の健全化を両立させ、確固とした地方税財政の基盤を構築することが不可欠であり、地方税をはじめ地方交付税を含む一般財源総額が適切に確保される必要がある。
 令和7年、我が国は戦後80年を迎える。戦争によって焦土と化した我が国は、先人たちの懸命の努力により、戦災の復興に続く高度成長を遂げ、国民生活が大きく発展・向上した。戦後整備された地方税財政制度は、その礎を担ってきた。その歴史に思いを馳せつつ、時代の変化を踏まえながら制度を適切に運用し、経済の好循環と持続可能な地域社会を実現することを通じて、今日直面する諸課題を乗り越え、未来を切り拓いていくことを期待している。
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ということで、意見書の守備範囲はとても広いのですが、今回は特に、一般財源総額の確保を中心に取り上げてみたいと思います。


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