悪いところを見た上でも、町に愛情を持てた
加藤:今、四月からですね、大体10ヶ月くらいですか。そうすると愛着みたいなものが段々と沸いてきているのでしょうか。
半田氏:そうですね。初めに良いところばかり見えたところから、悪いところが見えてくる時期にもなっていますね。だから、悪いところを見た上でも、町に愛情を持てるというのが分かってきたところなので嬉しいですね。
「葬式かよっ!」
加藤:差し支えなければ、「悪いところ」と思われた部分はどういうところで感じられたのですか。
半田氏:色んなところで会議が進まないことでした(笑)。役所や農家さんが一緒にやっていた2時間ぐらいの会議があまりにも静か過ぎて、「葬式かよっ!」と思っていました。「誰か死んだんかよっ!」みたいな(笑)。
最初は私も黙って見ていたんですけど、「誰も返事せえへんなぁー」と思ってですね。人が沢山集まっているのに、シーンと黙っているのが謎で(笑)、私が「何で喋らないですか?」って口火を切ったんです。「何で、何で?」って。
そうしたら、「まぁ、大人同士で皆さん役職があって会議に出ているんだから、思っても言えないこともあるよね」みたいなことを、やんわり言われて。
「そんなに怖いんだったら、私のせいにしろ!それもできないのか!」
半田氏:でも、私はバカだから、会議しているのに誰も喋らないって意味が分からないんですよ(笑)。だから、「えー、じゃあ誰がいると、何で言えないか教えてください。私わからないので。」とか「その人って偉いの?」とか聞いていたんです(笑)。
そうすると、「この人はこうでこうで・・・」って。ちょっとイライラしながら教えてくれたんです(笑)。でも、やっぱり私は納得がいかなくて、「これだから言えないというのが分からない。何で言えないの?何で、何で?何か言ったら、どうかなるの?何で?何で?」って。
しつこいぐらい「何で、何で?」で攻めたら、さすがにその方を怒らせてしまって、「俺だって、お前の言うことぐらい分かってんだよ!でも、みんな我慢しているんだよ!」と言われたんです(笑)。
でも、私も売り言葉に買い言葉で、「そんなにその人が怖いんだったら、私みたいなよそから来て、期間も限られている人間の責任にしたらいいのに、そんなこともできないのか!私のせいにしろ!それもできないのか!」って言ったんですね。口調がちょっと悪かったですけどね(笑)。
地道な裏の仕事における価値の方が大きい
福井氏:そこから会議の話が進んで、結局その企画も無事に終わったんですよ。よう言ってくれたと思いますよ。
加藤:立場上、市役所の方がそこまで言うのは大変ですよね。
福井氏:僕は表の仕事もそうですけど、実はそういう地道な裏の仕事における価値の方が大きいと思っています。
加藤:おたがいが言いたいことを言うと、意外と人間関係って上手くいくじゃないですか。何も言わないと、そのまま心が通わず平行線になってしまいますから。
半田氏:そうなんですよ。なんて言うんでしょう、『せっかち』ですから大阪人は(笑)。今、そういう鹿屋の文化に慣れてきたところです(笑)。ただ、私も「こういう気持ちなんだろうな」と理解できるようになりました。だから前みたいな酷い言葉遣いはしないようになりました(笑)。
役所で実務までしている『派遣芸人』
加藤:福井さんがさらに半田さんに期待されていることは、どんなことがありますか。
福井氏:もう本当に十分やってもらえていると思うんですが、あえて言うなら、鹿児島のテレビ局でレギュラーを獲って欲しいですよね。
半田氏:一本獲ったら大きいですね!
福井氏:それができて、彼女がこちらで食っていけるくらいの仕事があればいいと思っているんですけどね。結局、「半田あかり」が売れれば、勝手に鹿屋も引き上げられると思っているんですよね。
恐らく、役所で公務員として普通の実務までしている『派遣芸人』というのはこの人しかいないと思うんですよ。
半田氏:『派遣芸人』・・・(笑)。ホントだ、派遣芸人ですね(笑)。
福井氏:松竹さんはすごいレベルの人を送ってくれたなと思っているんですけど・・・。あとは、『ギャグが面白ければ』申し分ないんですよね(笑)。
半田氏:活字だとホントっぽくなるから止めて下さい(笑)。
加藤:(笑)。
「鹿屋の人はどうしたら笑うのかな」
加藤:半田さんの場合は、芸人と自治体職員という2つの顔があると思うんですが、普段お仕事をしている中で、どういう思いを大切にされていますか?
半田氏:鹿屋のPRが私の仕事で、鹿屋をもっともっとみんなに知ってもらうのが私の仕事です。ということは、私が鹿屋の良いところと悪いところを全部知っておかないといけないと思っています。
なので、「鹿屋の人はどうしたら笑うのかな」といつも思っちゃいますね(笑)。今はとにかく鹿屋の人たちみんなに笑って欲しいです。みんなが明るく、よく笑うのも鹿屋の人たちの魅力だから。全国でウケんでいいから鹿屋の人が笑うネタとか、ボケを考えてしまいますね(笑)。
加藤:笑いのツボは違うんですか?
半田氏:微妙に違いますね。・・・いや、むしろ全然違います。大阪は何か、ちょっとひねくれているというか、もっとコアなやつ、ハードなやつがウケるんです。でも、こっちは多分、下ネタとかじゃなくて(笑)、ちょっと分かりやすくてみんなで笑える、共有できる内々のものが好きなんですよね。
加藤:なるほど、なるほど。
半田氏:だから、鹿屋の人のツボを日々研究しています(笑)。
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※本インタビューは毎日1話ずつ更新します(全5話)
第1話 松竹芸能の実験として鹿屋へやって来た『地域おこし協力隊員』
第2話 カンパチの解体を、朝4時から8時まで練習してから出勤
第3話 町の雰囲気を変えた
第4話 葬式かよっ!
第5話 一緒にツッコまれて、一緒にズッコケたい