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和田大志 TOP3

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【熊本県庁 和田大志氏 #3】生き生きと働ける職場を作る

最初の一歩、自主活動グループの立ち上げ

加藤:「くまもとSMILEネット」がどういうものか教えていただけますか?

和田氏:一言で言うと、熊本県職員の自主活動グループです。2010年9月に設立し、約40人のメンバーがいます。「熊本県民、県職員を笑顔にする仲間たち」という意味で、志を持った同僚をつなぐイメージです。最初の半年間ぐらいは、ずっと理念作りに費やして、今の名前などができました。

加藤:なぜ、設立しようと思ったのでしょうか?

和田氏:私の公務員人生の中で転換点があって、北川正恭先生の早稲田大学のマニフェスト研究所、人材マネジメント部会に2010年から2年間派遣してもらったんですよ。そのときに幹事団から、「お前は熊本県庁をどうするんだ?」と散々問いかけられました。

 「どうするんだ?」って言われても、「俺、一担当だしな」みたいな感じでした(笑)。でも、それなら仲間を増やそうと始めたのが「くまもとSMILEネット」です。そのときに周りの人たちが楽しく、生き生きと仕事ができる職場を自分が作りたいと腹決めしました。

自主活動がYahoo!ニュースのトップ画面に掲載

加藤:具体的には初めに何を行いましたか?

和田氏:ゲストに庁内の先輩や、国から出向しているキャリアの方をお呼びして勉強会をやっていました。だけど「もうちょっと、外に出たいよね」ということで、県庁の玄関で仕事始めのハイタッチをしたんですよね。

 職員を笑顔にすることをしようと考えているときに、「連休明けの職員のモチベーションを上げられないかな?」という話が出てきました。民間企業でハイタッチをやってモチベーションをあげているという話を聞いたことがあったので、「うちの組織もでできるんじゃないか?」ということになったんです。

 それで、同世代、私くらいの若手・中堅が10人ぐらい集まって、2011年の1月から始めました。返してくれる人もいれば、苦笑いとかクスリ笑いもあるんですけど、そういったのも全部笑顔のうちだということでやっていました(笑)。

和田大志 ハイタッチ2

加藤:冷ややかな反応だったり、嫌なことを言われることはなかったんですか?

和田氏:予想に反して、そんな風当たりはなかったですね。逆に「いい取り組みだね」と応援してもらいました。例えば、熊本県の広報部門のフェイスブックに載せてもらったところ、県民や県外の方からも「いいね」やコメントがいっぱい来ました。職員の側も、やったらやったで面白かったという人も多かったですね。

 実は、自分たちだけでは恥ずかしいので「くまモン」を呼んで一緒にやったんですね。ある年、新聞社が取材に来てくれて、2~3時間後にYahoo!ニュースのトップに「くまモン、仕事始めはハイタッチ」という見出しで出ていたんです。「ああ、自主活動であっても、こういう風に取り上げてもらえるんだ」ということを感じた経験でした。
和田大志 ハイタッチ

 月1回のペースでやっている時期もあったんですが、大体年1回、仕事始めの日にイベントっぽく続けました。結局6年間やって、最後の年には蒲島知事にも参加してもらうことができました。

消え行く暗黙知を若手に引き継ぐ

加藤:「くまもとSMILEネット」として、今はどのような活動を中心に行っていますか?

和田氏:ハイタッチの次にやったのが、「退職予定者とのワールドカフェ」と「採用PRムービー」、「SIMくまもと」の3つが柱です。

 ワールドカフェは、ざっくばらんに退職される前にメッセージとして残すべきことを語ってもらいたいと、若手・中堅の側からお願いして伝承の場を設けたんです。今、県庁職員の年齢構成では若手が少ないんですよね。

 今一番多い50歳代の職員がこれからどんどん辞めていかれるので、そのノウハウや経験、失敗談など、語らなければ消えて行ってしまう、いわゆる「暗黙知」を若手に引き継ぐために始めました。

 具体的には、いくつかテーブルを作って、それぞれの場所に先輩にいてもらう。若手メンバーはそのテーブルをぐるぐる回って話を聞き、響いた言葉を模造紙に書き留めていく。最後に、その様子や話された言葉をムービーにして全職員で共有する、ということをやっていました。

等身大の自治体職員を公務員志望者へ伝える

加藤:採用PRムービーというのはどういうものでしょうか。

和田氏:これから試験を受ける、あるいは悩んでいる学生の皆さんに、「俺たち、こんなことやってるんだよ」っていうことを伝えるために、日々の仕事の様子をドキュメンタリータッチで撮ってムービーを作るんです。

 ここまではオフの自主活動なんですけど、そのムービーを採用担当である人事委員会に売り込みに行って、年に1回、300~400人ぐらいの大学生が来る「採用ガイダンス」で流してもらい、なおかつ、それを県庁のホームページにも載せてもらう。今、6年連続作成しています。

加藤:そのムービーを拝見しましたが、「そんなこと言っていいの?」と心配になるくらい個人の感情などを率直に話していますよね。庁内から掲載に対する反発はなかったんですか?

和田氏:カウンターパートの人事委員会には事前に見てもらって「これで問題ないですか?」と確認してから載せてもらっています。そこはしっかりお互いで共通理解と言うか、納得した状況で出すようにしていますし、こういうオフ(自主活動)とオン(業務)の連携というのが、SMILEネットの特徴なのかなと思います。

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※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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