インタビュー

【熊本県庁 和田大志氏 #2】地域の未来をリードする人材を育てる

和田大志 TOP2

熊本から九州へ 九州から全国へ

加藤:SIMが全国に広まっていきました。熊本の外で最初に始めたのはどこだったんですか?

和田氏:SIMには公認ファンという制度があるんですけど、その第1号が福岡市役所の今村寛さんです。2015年の1月、初めて熊本県庁で体験会を開いて、県庁職員と市町村職員30人程度でやったんですが、それを、あるメンバーがフェイスブックに、臨場感たっぷりにうわーっと書き込んだ。その投稿をたまたま今村さんが見たんですよ。

 今村さんはご自身で財政出前講座を開催されているんですが、そこでSIMをミックスされて広められたというのが大きかったですね。それと九州の自治体職員の集まり、「九州オフサイトミーティング」で提供する機会があったので、熊本から九州全域に拡大した。2年ぐらい前には、千葉県庁の仁平貴子さんたちの企画で、関東での体験会に呼ばれて提供したこともありました。

 それで関東一帯、特に千葉県の方々(後に公認ファン第3号に認定)が自分たちのモデルを作って、さらにわーっと拡散した。SIMちば2030の特徴は、幅広い年齢層・属性の方が参加しやすいよう、よりゲームらしく洗練し、カスタマイズされたところです。

 それが、石川県や長野県にも広がりましたし、他にも関東での体験会を機に、三郷市(埼玉県)や小田原市(神奈川県)など、各地に広がっているので、もう全然把握しきれなくなってきています。辿ってみると、子の世代、孫の世代、ひ孫の世代までいるらしいです。

行政職員と市民がともに未来を考えていく

加藤:「SIM熊本2030」には一般の方も参加していますか?

和田氏:はい。1回目をまず行政の職員だけでやったんですが、地域の自治会とかまちづくりの担い手とか、NPOとか、「一緒にやってかないといけないよね」っていう話があった。それで半年後、2015年の11月に、公認ファン第2号の徳永伸介さんにお声がけいただいて、「マチナカレッジ」という熊本の街中をキャンパスにした市民大学と一緒にやらせてもらったんですね。

 SIMの世界観の中では、行政だけではやれないことがどんどん増えていくんです。ですから、行政にも限界があることを分かった上で、いかに企業や市民と協働していくかということを考えてもらいたいと思っています。

加藤:市民にもどんどん拡大するほうがいいと思われているんですか?

和田氏:そうですね。参加者として、市民の割合がこれから増えていく流れに当然なっていかないといけない。でも、行政職員も少なくとも2~3割くらい参加して、市民の考えも分かるし、行政が今感じていることをしっかりと市民に伝える。そういう相互理解じゃないと、市民だけでSIMをやっても行政の本音を聞けず、ただやっただけになってしまう。それぞれのまちの未来を行政職員と市民が絡み合いながら考えていく。そういう形で広がっていってほしいと思っています。

地域社会の未来をリードしていく人材を各地に育てる

加藤:SIMがどう成長したら理想的だと思っていますか?

和田氏:今の段階では、各地のSIMの進化を見守っているところですね。

 ただ一つだけ、心がけないといけないなと思っていることがあるんです。私がSIMを開催する際は、最後に「地域のありたい姿を描きましょう」と問いかけるんですよね。でもある時、「じゃあSIM自体のありたい姿って何なんですか?」と聞かれたことがあったんです。その時は、すぐには答えられなかったんですけど、頭の中で引っ掛かっていたので、帰りの飛行機でずーっと考えていくうちに、「SIMを通して、地域社会の未来をリードしていく人材を各地に育てていく」ことが一番大事だということに思い至りました。

 ですから、各地でSIMをやって、うわべだけの結論で終わらせるのではなくて、地域を引っ張っていく人材だったり、これからを担う若者世代が芽生えていくように使っていってほしいなと思っています。

※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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