インタビュー

【生駒市 田中明美 #6】ボランティア参加が高齢者の承認欲求を満たす

田中明美6

ボランティアに参加することで承認欲求を満たせる

加藤:ボランティアに参加する方は、貢献したい欲求を満たせるということですよね。

田中氏:そうです。社会貢献ですね。若い時や元気な時は孫の世話をしたりして、家族に喜んでもらえた。だけど、80歳に近くなってくると、求められることも減って来て、「自分のことだけやってくれたら充分。転倒しないように気をつけてね」となりやすいじゃないですか。

 社会的にも年齢が重ねると、実際は役割が果たせる力量が充分にあっても世代交代していく。その中で、承認欲求が満たされる環境が徐々に失われていく、そのような背景が大きく影響しているのかもしれないと仮説をたてています。

 でも、ボランティアを行うことで、自分が伝えていた「ありがとう」を今度は逆に新たな参加者から言われる立場に代わる。「助かる」って、言ってもらえる。「あなたに出会って勇気がわいた」と言ってもらえる。

 そして、元気になっていく人を直接見ることができる。自身の活動が他者の生きる喜びや可能性を探る挑戦に向けた力になっていることを実感できるため、きっと皆さんの承認欲求も高まるんだと思います。

団塊の世代には有償のボランティア制度も検討

加藤:プログラム参加者もボランティアも、そして、役所もプラスになる関係ですよね。互助の社会につながりそうです。

田中氏:ただ、ボランティアに関する考え方や捉え方にも変化が起きているので、今までのような無償だけのボランティア制度がどこまでも通じるかは、正直わからないところが多いです。きっと、5年、10年後同じことが通じるかと言ったら、ちょっとそれは違いそうで、有償ボランティアという制度なのか、団体への補助の仕組みづくりなのか、ボランティアポイントなのか、いずれにしても価値観の多様化と介護人材不足への懸念等も考慮しながら、どこかで分岐点を迎える気がしています。

加藤:なぜ、そう感じたんですか?

田中氏:知識もあるし、技術がある人がたくさんいる。それを糧に、民間企業でも部長や課長としてバリバリやってきた人が無償での社会貢献という感覚だけではない気がしています。働き手・担い手の一人としてまだまだ現役でやっているという自負もあるでしょうから、彼らには介護人材不足の解消や、民間事業者としてサービス開発をしてもらう等、別の活躍の場を模索していくことや市に対してできることを逆に提案してもらうなど、行政との協働をもっと幅広く考えてもらうことが、必要だと思います。

 そうした活躍ができる人、そこまでは求めないけれど、何か、活動を続けたいと思う人、など目的別に多様な仕組みを作ることが大切だと思いますので、今後は主観ではなく適切なニーズを把握していくことを考えていくことが大切だと思います。

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