インタビュー

【横浜市 瀬戸勇 #1】手話を用いた防災研修を実現、「消防局長賞」を受賞

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【瀬戸勇(せといさむ)経歴】
1979年3月神奈川県足柄上郡山北町生まれ。民間企業を経て、2006年に横浜市安全管理局(現在の消防局)に転職。消防隊、救急統計、通信指令、広域応援事務、火災原因調査(鑑識・鑑定)と幅広い分野を転々と異動する。
小学生のときに手話を学び、2016年からはヨコハマ手話研究会(横浜市職員による自主勉強会)に参加。2010年から市民サークルの横濱大道芸倶楽部に参加し、各種イベント等でのジャグリングを中心としたパフォーマンスを行う。
消防学校での聴覚障害に関する研修や、多くの人に防災を伝えるための「手話・字幕付き防災講座動画配信」「手話付き防災大道芸」の取り組みが評価され「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2019」受賞

横浜市消防局の消防訓練センターに勤める瀬戸勇氏は、独自の防災広報に取り組んできた。平時において防災に関心を示す市民はそう多くない。瀬戸氏は、関心のない人にも届くように、大道芸を駆使して防災知識を伝えた。
それだけではない、聴覚障がいのある人に向けて手話を用いるなど、すべての人に伝わる防災啓蒙をしている。新しい挑戦を続ける瀬戸勇氏に、その活動内容と原動力について伺った。

消防訓練センターの役割

石塚(インタビュアー):瀬戸さんは現在、横浜市消防局の消防訓練センターにお勤めですよね。

瀬戸氏:はい。消防訓練センターに配属されてから4年が経ちます。
 消防訓練センターには新任の消防士が訓練に来たり、現任の消防職員が救助隊員や火災調査員の資格取得のため、潜水士や火災調査のような専門的な方々が研修のために来たりします。

石塚:消防の訓練センターって結構スパルタなんでしょうか。

瀬戸氏:昔は時代的にそういう部分もあったかも知れませんが、いまはそんなことありません。特に横浜市の場合は「厳しくすれば身につくというわけではない」という認識が浸透しています。

石塚:いまの時代に合った考え方ですね。

瀬戸氏:そうですね。消防訓練センターはなにかを身につけるために来るところですので、押し付けるのではなく、自分たちで考えてもらうやり方が主流になっています。

新任者研修で手話研修を導入

石塚:瀬戸さんはその消防訓練センターの新任者研修で、聴覚障がい者学習のカリキュラムを作ったと伺いました。

瀬戸氏:手話を取り入れた新任者研修のことですね。
 大きな教室で100人以上いる受講者に対して、手話ができる仲間に協力をしてもらって、一人ひとりが体験しながら学べる授業にしたんです。

石塚:話を一方的に伝えるだけでなく、体験学習も取り入れたのですね。どうしてその研修を作ることになったのでしょうか。

瀬戸氏:教育課長が「人権啓発」という授業のコマを持っていて、手話を絡めた授業ができないかご相談いただいたんです。それを聞いたとき、正直ただ講演をするだけだと絶対つまらない授業になると思いました(笑)。
 そこでご自身も聴覚障害者で、横浜市健康福祉局にいる萩原昌子さんに「なにか面白くできないですかね?」って聞いてみたんです。

石塚:普通の授業にはしたくなかったんですね(笑)。萩原さんはどんな反応でしたか?

瀬戸氏:すごく前向きに聞いてくださいました。
 萩原さんは横浜市職員の自主勉強会で手話講座も行っている、通称「手話研」で繋がった方なんですけど、その手話研のメンバーを集めてアイディアを募ってくださって。
 最終的には、その授業のための「聴覚障害当事者による講師チーム」の派遣ができることになったんです。

石塚:すごい!

瀬戸氏:やっぱり手話はコミュニケーションですから、体験しながらじゃないと理解が深まらないと思うんです。
 それでチームの皆さんと一緒に授業を組み立てて、ひとつの授業パッケージができたので教育課長に伝えました。

石塚:実際に授業もされたんですよね。

瀬戸氏:はい。とりあえず一年目にうまくできたので、またブラッシュアップしていきたいと思っています。
 人によっては「あとは前例踏襲で、来年も同じ感じでやれるね」って言ってくださるんですけど、個人的に同じことをするのは面白くないので(笑)。
もっと良いものにしていきたいと思っています。

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消防局長賞を皆で分かち合う

石塚:瀬戸さんが生み出した研修のおかげで、聴覚障がいのある方について、消防士の理解が深まりますね。

瀬戸氏:協力してくださった手話研の皆さんには、とても感謝をしています。
 手話研は横浜市の職員で構成されていて、その皆さんに講師として来てもらうには各所属の部署に派遣依頼を出す必要があるんですね。
 部署に対して本業以外のことをお願いするので、やっぱり申し訳ない気持ちがあって。

石塚:たしかにちょっと頼みにくいですね。

瀬戸氏:邪魔をしているじゃないですけど、すこし迷惑をかけているかも知れないなと。
 だから余計に、この取り組みが「消防局長賞」をいただいたときは、手話研の皆さんに恩返しができた気がして嬉しかったです。今まで講師をやってくださった方々の部署分、全26枚の賞状を用意してもらいました。

石塚:消防局長賞だけど、協力してくれた他部署の人も一緒に表彰したんですか?

瀬戸氏:そうです。賞は人じゃなくて部署に対してなので、各部署に贈られるんですけど、「この度あなたの部署の〇〇さんが、こういうことに協力してくれたおかげで賞状がもらえました」と一筆添えてお渡ししました。

石塚:すごい。それは報われますね。

瀬戸氏:これだけいろんな部署の方の協力で成立させたので、実はちょっとだけ市長賞や副市長賞も期待していたんですけど(笑)。
 それは台風の対応をされた方々に贈られたので、納得しました。

地方公務員アワード2019受賞

石塚:そして賞と言えば、「地方公務員が本当にすごい!地方公務員アワード2019」を受賞されましたよね。おめでとうございます。

瀬戸氏:ありがとうございます。あれは先ほど話に出てきた萩原さんの推薦のおかげで受賞に至ったんですけど、私は推薦されたこと自体知らなくて。
 萩原さんから突然LINEで「おめでとうございます」ってメッセージがきたので、最初は訳も分からず「もしかしてアカウントの乗っ取りとかに遭っちゃったのかな?」って思いました(笑)。

石塚:(笑)。

瀬戸氏:これ乗っ取り犯の詐欺かなんかじゃないかなと思って、警戒しちゃって。
 返信する前にネットで調べてみたら本当に受賞しているみたいだったので、驚きました(笑)。

(取材=石塚清香 編集=小野寺将人)

※本インタビューの内容は2020年3月時点の情報となります

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