インタビュー

【八幡平市 中軽米真人 #2】増加する「スパルタキャンプ」の応募。選考基準は“面白そうな人”

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定住者が出やすい合宿

加藤:「スパルタキャンプ」の応募者は年々増加して400人を超えるときもあるようですが、参加者は毎回15人前後にしていますよね。参加者数を増やそうとは思わないのでしょうか。

中軽米氏:一か月で全員と仲間になるには、これぐらいの人数が限界だと思っているんです。実は「スパルタキャンプ」に参加した人のうち、八幡平市にそのまま定住を決める人が結構な数いるんですよ。中には海外から参加して、そのまま居着いちゃったメンバーもいるほどです。

加藤:プログラミングを学ぶために集まった人たちが、定住をするんですか。

中軽米氏:はい。よく聞く「関係人口」っていう言葉あるじゃないですか。あれって薄く薄くってやっていると思うんですけど、「スパルタキャンプ」の場合は濃く濃くやっているんですよね。

加藤:逆なんですね。

中軽米氏:定住にいくまでの一般的なプロセスとして、まず交流から始めて、徐々に関係性を築き上げて定住に結びつけるみたいな話がありますよね。
 国土交通省の「住み続けられる国土専門委員会」がとりまとめた2019年度の報告書になぜかスパルタキャンプのことを取り上げてもらったとき、担当の方から「定住までのステップをポーンと飛び越してしまうのがこのプログラムのおかしいところだ」って言われて(笑)

加藤:15人程度の人数にして、一か月合宿させる方法によって、定住者を増やすことにつながるのでしょうか。

中軽米氏:はっきりとはわかりませんが、そうかも知れません。スパルタキャンプをきっかけに移住してきたみんなが口を揃えて「八幡平に来るまでは、移住する気は全くなかった」って言うんですよ。一か月もの間、起居をともにして最高の仲間になり、すでに移住している先輩起業家たちとも強固なコミュニティを形成する。この流れが大きいんじゃないかな、と考えています。

加藤:なるほど、面白いですね。その集められるちょうど良い数が15人で、一か月間合宿で一緒に頑張ればそこで仲間ができる。あわよくば定住もしてしまう。

教わった人が教える人へ

加藤:「スパルタキャンプ」の参加者は、その後どんな道を歩むのでしょうか。

中軽米氏:最近すごく良い流れができているんですけども、かつて生徒として参加した人たちが、いまでは教える側になっています。
 しかも教えるだけじゃなく運営にも入ってもらっています。1回目の参加者が起業した会社が、いまでは「スパルタキャンプ」の運営会社になっているほどです。

起業志民project

加藤:すごいですね。

中軽米氏:最初は運営を東京の企業に任せていたので、講師の交通費など高コストでの開催でした。でもいまは任せている会社が八幡平市にあるので、最初の頃よりはコストが抑えられるようにもなっていて、それも良い循環だと思います。

加藤:「起業志民プロジェクト」では、オフィスも無料ですよね。

中軽米氏:無料の方が面白い人が集まるかな、と思ったので(笑)。ソフトウェアやデザインなど、一緒にいることでシナジー効果の高い業種に限定していますが、5年間無料でシェアオフィスが利用できるようにして、八幡平市で起業がしやすい環境を整えています。
 当然ギガビットのWi-Fiが使えますし、合併で使わなくなった元議員控室の居抜きなので眺めも良くて空調も完備。そして何より最高の仲間たちがいる。いまの時代、ネット環境さえあれば地方でも全然問題なく仕事ができるじゃないですか。スパルタキャンプを通じてコミュニティを形成した起業家仲間も多いし、すごく良い環境だと思いますよ。

加藤:他の自治体でも起業家を増やすために予算を取っているところがあります。どこか参考にされたところはありますか。

中軽米氏:他の自治体を参考にしたことはないです。ただひたすら、こういう仕掛けがあったらもっと面白くなるんじゃないかな、と思ったことを実行してきた結果がいまの状態です。

基準は「面白そうな人」

加藤:いまでは参加するために高い倍率となっている「スパルタキャンプ」ですが、どんな方が参加しているのでしょうか。

中軽米氏:それこそニートから国家公務員、あとは海外からも参加者がいます。ただ共通していることは、「面白そうな人」です。

加藤:面白そうな人とは、どういう人ですか。

中軽米氏:はい。あえてオブラートに包まず言えば、起業する人って考えなしの人が多いじゃないですか。逆に小利口な人って絶対起業しないんですよ。後先考えちゃうので。

加藤:わかります。ある程度の勢いがないと起業ってしないですよね。

中軽米氏:忘れられない参加者がいて、いまは八幡平市で子ども向けの本格的なプログラミング教育事業で起業してるメンバーなんですけど、その人の志望動機の書き出しに「今日、辞表を出しました」って書いてあったんですよ(笑)
 もうそれ見たら「よし、モノにしてやるぞ」って思うじゃないですか。

加藤:いいですね。そこまで攻めてくれているわけですもんね。

中軽米氏:ただ最近、「辞表出しました」と応募してくる人が珍しくない感じになってきて。そういう意味では、だんだん面白さのハードルが上がって来ているかもしれませんね(笑)

(文=小野寺)

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※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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