インタビュー

【四條畷市 安田美有希 #5】公務員がモチベーションを持って働ける職場に

安田美有希5

全庁内で人事課の結果が悪かった

加藤:地方公務員はモチベーションを持って働きづらい環境にあると思っています。その中で、四條畷市が職員のモチベーションを測る民間企業のサービスを導入しました。これについて教えていただけませんか。

安田氏:すごく端的に申し上げると、職員に組織の満足度についてアンケートを取って部署ごとの現状把握と分析を行うものです。リンクアンドモチベーション社のモチベーションクラウドを使用し、今回は常勤職員のみを対象に約300人に実施しました。
 実は結果が先日戻ってきまして、私は心が折れているんですよ。というのも、2018年度に行った結果で、人事課の満足度が全庁的に芳しくなかったんです。ちょっと疑心暗鬼に陥りましたね(笑)。全庁的に組織の帰属意識を高める、満足度を高めるためのアンケート。全庁を考える前に自分の所属する人事課が最悪のスコアなんて笑うしかないでしょ。本気で落ち込んでいます(笑)。

公務員とモチベーション

加藤:地方自治体では定期異動があったりして、自身がキャリアプランを描けません。その上で仕事へのモチベーションを維持するのはすごく難しいと思っています。だとすると、本来、自治体は民間企業以上に個のモチベーションを維持するのが難しく、そこに意識を向けないといけないはずなのですが、実際はそうなってはいませんよね。

安田氏:働き方改革にも通じますが、しんどい仕事でもやりがいがあれば乗り越えられるし、それがモチベーションにつながると思っています。また、モチベーションクラウドの結果から、四條畷市の職員が何を求めているのかが明確になりました。今後は、その中からどれを実施していくべきかを落とし込んでいくフェーズにうつっていくこととなります。

加藤:優先順位を決めてやって行くということですね。変動値が重要なので、今後の変動過程を庁内でだけでも公開したら面白いですよね。

安田氏:これ以上、人事課の結果が下がったら、しばらく出勤できなくなると思います、私(笑)。

課題が可視化されるから次の打ち手が見える

加藤:(笑)。悪い評価が出たら嫌だから、市民から意見や評価を集めることを躊躇することがあると言われます。安田さんは自部署も含めて、部署毎のモチベーションを数値化されました。普通なら委縮して実行できないですよね。

 ちなみに、全庁で見たときに、職員がどういう不満を抱えているか浮き彫りになりましたか?

安田氏:財政状況や、人的配置、オフィス環境などが満足度としては低くなっています。

加藤:課題が可視化するということだけでもすごく大きいことですよね。

安田氏:市長は「僕がやるべきことが明確になりました」と言って、可視化された結果を見てワクワクしておられました。私は落ち込んでいるので、全然ワクワクしていないです(笑)。

ポジティブな降任降格があってもいい

加藤:具体的に職員のモチベーションを維持する施策なども検討していますか?

安田氏:具体的には様々な施策があるかと思いますが、一先ず自分が制度設計したいと思っているものは、降任降格制度です。自分が望む形で、降任降格できる制度があって良いと思うんです。組織の中では管理職になった結果、メンタルに不具合が生じてしまう職員もいますから。

加藤:議会対応が大変という声もありますし、そもそも管理職の仕事が好きじゃない人もいると思いますよね。

安田氏:そうなんです。課のマネジメントよりも実務の方が向いているという職員もいると思います。現状では、四條畷市には介護や育児といった私生活の事情に対応する降任降格制度すらありません。まずはそこからです。副市長からは、もっとポジティブに降任降格があってもいいよね、と言われていますので、今後の制度を考えていきたいと思っています。

加藤:1回管理職に上がってみたけど、自分は現場でプレイヤーとして働く方が合っているなと気がつくこともありますよね。

安田氏:プレイヤーの方が達成感を得やすい部分もありますよね。

加藤:偉くなっていくと外に出られなくなりますもんね。民間企業でも例えば、WEBプログラマーでプログラムを書くことが好きだから、マネジメントをしたくないという人もいます。幸せの感じ方は人それぞれですから、そういう人向けに「降格制度」があってもいいですよね。

安田氏:そうですね。ただ組織からすると、降格してほしくない人に名乗りをあげられると困ることも考えられます。そのような状況になった場合にどうするのかは課題です。

加藤:企業の早期退職制度でも、辞めてほしくない力のある人が辞めてしまうと言われます。こと役所に関しては、管理職になりたいモチベーションをしっかり作り込まないといけない気がします。

モチベーションとやりがいを持って働ける職場にしたい

加藤:これからも、全庁で職員のモチベーションを定点観測していくのでしょうか?

安田氏:今後も全庁でモチベーションを測っていきたいと思っています。ただ、今年度は年度末に向けて全庁ではなく、総務部約60人に絞って実際に改善アクションをやってもらい、アンケートを再度実施します。その経過をまとめて、改善アクションによる変化を把握し実績につなげたいと考えています。職員がモチベーションを保って、やりがいを持てる職場になっていくことは、様々な好影響があると思っています。例えば今、若年層の離職も毎年あります。もちろん、次のステップに進むためであったり、ライフステージに応じて転職するなどの理由もありますので、離職自体が悪いことではありません。ただ、四條畷市役所が嫌になって辞めるというのは防ぎたいんです。

(編集=文書編集チーム、加藤年紀)

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※本インタビューは全7話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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