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【八尾市 松尾泰貴 #2】地域の企業がつながる「勉強会」と「子ども向けワークショップ」

学びを通じて交流が生まれる「学ぶ場やお」

加藤:前回、「みせるばやお」が企業間の交流の場になっていることを伺いました。「経営者交流会」や従業員向けの「ランチミーティング」以外にはなにがありますか。

松尾氏:たくさんあるのですが、たとえば「学ぶ場やお」というのもあります。採用とか、マーケティングやブランディングとかを学べる場ですね。ただしこちらは単に学んで帰るような場ではなくて、やはり交流が目的になっています。
 「学ぶ場やお」は、「入会する前に、様子が見たい」という非会員の方にもご参加いただけるんですね。そこで会員の方との交流が生まれると、会員に限らない繋がりが増えているんです。

加藤:それは良いですね。実際にやられてみて気づきはありますか。

松尾氏:これまで15回ほど「学ぶ場やお」を開催しましたが、非会員さんに第三者として講演してもらうと、違う地域の情報もたくさん入ることになり、学びに深みが出せると感じました。
 こうしていろんな人が集まるので、有益に情報交換ができ、この場所やコミュニティの価値も認識してもらえるので、「みせるばやお」の考え方が浸透している人、していない人が一緒に学ぶメリットは大きいと思います。

 オープンイノベーションの観点から、クローズな会員同士だけの関係だとあまり良くないと思っているので、企画によって外部の方も参加できるようにしているんです。
 「学ぶ場やお」では、他にも「企業コラボ商品の開発秘話」を実施しており、ほかにも学び合いという点でいけば、「若手の失敗談ピッチ」というイベントもあるのですが、こうしたみせるばやおならではの企画をやると、大学の教授なんかもイベントに参加されたり、さらに交流が生まれやすいですね。

加藤:「学ぶ場やお」はどれぐらいのペースで開催されているのでしょうか。

松尾氏:不定期なんですけども、すごく人気があるので月3回あったりもします(笑)。学びたい意欲が高い方が集まるので、すごく良い場になっていますよ。

業務課題をITで解決「みせるばやおIT道場」

加藤:「みせるばやお」にはITが学べるプロジェクトもありますよね。

松尾氏:「みせるばやおIT道場」ですね。地域密着の企業さんってITに苦手意識を持っている方多いじゃないですか。実際、ITベンダーの言いなりになって何百万も損しちゃっている企業さんもいて。そこをなんとかしようと立ち上がったプロジェクトです。

加藤:ITを学ぶというと、どのぐらいのレベル感なんでしょうか。

松尾氏:いきなりプロフェッショナルになるのは難しいので、まずは経営者向けに「ITツールとかクラウドサービスってどうなってるの?」というレベルをやる「ゼロ回目」があります。そこで世の中と自社の乖離を分かってもらうんですね。

加藤:トップの意識から変えるのですね。

松尾氏:はい。そのゼロ回目に出た経営者たちが、社内で従業員さんに声をかけて全6回のタフな勉強会に参加してもらいます。朝から晩までみっちりなので、かなり力が付きますよ。
 最終回ではその従業員さんが自社の経営者に対して業務改善プランを発表します。それに対して経営者側も、しっかりコミットしてもらいます。ですから、業務課題の洗い出しからITによる改善提案までしっかりつくり込む必要があるんです。

加藤:それはかなり実践的ですね。たとえばどんな課題が出てきますか。

松尾氏:よくあるのは、在庫管理、品質管理、あとはペーパーレス化ですね。
 たとえば営業部が使うシステムと資材部が使うシステムが違うとするじゃないですか。そうすると情報が連携されていないので、営業部が情報を一回紙に印刷してから資材部に手渡して、それを資材部がパソコンに情報を手入力しはじめる、みたいなことも本当にあるんですよ。

加藤:それは明らかに業務課題ですね。

松尾氏:いまってプログラミングの知識なしで、ドラッグ&ドロップで必要な入力項目や枠が作れるITツールとかあるじゃないですか。そういうサービスを使いながら、業務課題をITで解決できる状態をめざしています。

子ども向けワークショップ「ものづくりCAMP」

加藤:「みせるばやお」には一般の子ども向けワークショップもあるんですよね。それはどんなプロジェクトですか。

松尾氏:ひとつは「ものづくりCAMP」ですね。八尾市の近隣の自治体と一緒に、ものづくりの楽しさを子どもたちに伝えようとしています。企業さんにとっても自社のPRになるし、市をまたいだ企業間交流が生まれています。

ものづくりCAMP

加藤:近隣の市でまとまって行う広域連携事業ですね。

松尾氏:そうです。具体的には尼崎市、堺市、門真市ですが、八尾市と同じく製造業が盛んなんですね。なかなか市単位で個別に予算を取るのは難しいですよね。「みせるばやお」の場所は、既に八尾市が確保しています。そこで他の自治体が一緒にイベントを作ってくれたら、「みせるばやお」の価値もあがりますよね。

加藤:なるほど、他の自治体も予算を取る必要がなければ、担当者も動きやすいですよね。

松尾氏:はい、スピード感を持って進められます。

端材を有効活用した「住まいグループ」

加藤:ほかに子ども向けのプロジェクトはありますか。

松尾氏:「住まいグループ」というのがありまして。
 企業さんが製造する過程で出る端材がいっぱいあるんですけど、どうせ捨てるなら端材を活用して、子ども向けのワークショップを企画しようと始まったプロジェクトです。

加藤:非常にものづくりのまちらしいワークショップですね。

松尾氏:そうですね。端材を使って「まちをつくろう」や「楽器づくり」などテーマに合わせて、子どもに自由に夢のある発想をしてもらうんです。
 未来への投資という意味でも良いですし、そういう夢のあることをしていると企業同士が仲良くなって、商品開発につながったりもします。

加藤:この住まいグループもそうですが、「みせるばやお」におけるあらゆるプロジェクトが企業同士の交流を促進しているのが面白いですね。

松尾氏:そうなんです。皆さんものづくりが好きな方や、まちのためになにかしたいという方が集まっていますから、こういうきっかけさえあればなにか生まれるんです。そのきっかけづくりが「みせるばやお」の役割なのかなと思います。

(文=小野寺将人)

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※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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