インタビュー

【諫早市こどもの城 福薗恵子 #3】ワクワクしている人のところに人は集まる

福薗恵子top3

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手段は違えど、ゴールは同じ

福薗氏:こどもの城で働き始めた頃は館長と議論がかみ合わないことがよくあって、まあ今でもかみ合わないことはあるんですけども(笑)、話が平行線だったんですね。館長から信頼してもらえているのはすごく感じていたんですけども、信頼だけじゃなくて私のやりたいこともわかって欲しいとずっと思っていました。

 館長は圧倒的に人サイドなんですよ。人が大好き。そして私は圧倒的に自然が大好き。「よりよい社会にしたい」という、目指しているゴールは究極的には一緒なんですけど、辿るルートが全く違うんです。私は人が「苦手」なんですけど、「嫌い」ではないんです。自然が好きですが、自然の中に引きこもりたいのではなく、自然の神秘や不思議・面白さを「人と分かち合いたい」という思いで、自然のことを学んでいます。

 でも、どうやら館長からは「人が嫌いで自然に逃げている」と誤解されていたようですね。そうじゃないことがなかなか伝わらず、非常にやりづらい日々が続きました。

ないものはないと認めた

加藤:だいたいいつ頃からスムーズに仕事が進むようになりましたか。

福薗氏:親子を森に誘うプログラムが軌道に乗り始めたのは3年目くらいですが、私の超マイナスの精神状態が「ゼロ地点」に戻るには5年ぐらいはかかりました。よくコップに水が半分入っているときに、「半分しか」と思うのか、「半分も」と思うので全然違うっていうのあるじゃないですか。これ館長もよく言うんですけどね。私、自己肯定感ゼロなのでそれを変えたくて、コップの水を「半分も」あると思えるようにトレーニングもしたんですね。

 それで少しずつ「ここの部分は認めてあげてもいいのか」みたいに思えるようになっても、やっぱり最後には「いや、ないものはない」っていう感じになるんですよ。頭では理解できるけど、感情としてそう受け取れないからもうどうしようもないなと。思い込もうとしているだけで、結局自分に嘘をついているだけ。エネルギーがある時には「視点の変換」は有効かもしれませんが、カスカスの時にはそれさえもできないんです。自己嫌悪は悪化する一方で、ほとほと嫌になりました。

 それである時、開き直ることにしました。「ないものは、ない。それでいい」と。その「どうしようもない」を認めたら、不思議と楽になったんですよ。5年間かけて努力してきたんですけど、出来ないことをやろうとしてたというのがやっとわかったんです(笑)。その頃から、少しずついろんなベクトルがかみ合ってきた感覚があります。

ワクワクしている人のところに人は集まる

加藤:そういう自分を認めるきっかけはあったのでしょうか。

福薗氏:私が憧れている理科の先生がいるんですけど、その先生のセミナーを受けたときに3日間ずっとワクワクしっぱなしだったんですね。私はどんな研修でもチョコ持参で、疲れたときに食べるんですけど、その3日間は楽しすぎて、チョコの存在すら忘れていました。あれ、私チョコなしで生きられたみたいな(笑)。自分の中に押し込んでいた、自然や生き物に対する情熱が抑え切れないくらいに湧き上がってきて、なんかもう、全身が煮えたぎるような感覚でした。

 それで、やっぱり私これじゃないとだめだなって。私には自然が好きっていうのがあるんだから、やりたいことをやろうって。それまでは、こどもの城にいるからには、「人と人」を近づける仕事もちゃんとできなくちゃいけないと思って、自然のことは少し後回しにしていたんですけど、5年かけてもその分野はあまり成長できなかったんですよね。

 ずっとそのことでモヤモヤしていたんですけど、このセミナーをきっかけに、吹っ切れました。できないことに時間をかけるより、できることをしっかり伸ばそう、と。自然の家時代も含めれば、8年もそのことで悩んでいたことになります。これだけ努力しても伸びないんだから、もうギアチェンジしてもいいんじゃないか、と思いました。

 そうやって開き直ったら、今まであちこちに向いていたベクトルが全部一本に集約していったんです。そこから、ずっとやりたいと思っていた、コツコツ拾い集めた「自然のカケラ」を活用した出前授業が実現したり、いつもお世話になっていた学校の先生に、今度うちの学生にも授業をしてほしいと言ってもらえるようになりました。本当にいろんなことがポンポンポンポンって前に進み始めました。

 これまでも、自然の中に出かけては、いろんなものを拾って持ち帰っていたんですけど、あらゆる自然物の教材化を本格始動させたら、みんなも興味津々なんですよね。私自身も知らないことだらけなので、「一体これは何だろう?」と面白がって集めたり、謎を解いたりしていたら、みんなも面白がって、「これなぁに?」とか、「ふくちゃんが喜ぶかなぁと思って」とか、拾ったものを持ってきたり質問したりしてくれるようになりました。「自然のことは、ふくちゃんに」というルートが完成して、気づいたら周りにたくさん仲間がいました。迷いなくワクワクしている姿って、人にストレートに伝わるんですね。

福薗恵子3

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