インタビュー

【文京区議 海老澤敬子 #4】多くの地方議員は二元代表制の本質を理解していない

海老澤敬子 TOP4

賛成の人は声をあげない

加藤:今現在、議員は住民の声を拾う代弁者とも言われます。もし、将来的に電子システムなどで住民が簡単に直接行政に対して意思表示ができるようになった時、議員が担う役割は変わると思いますか?

海老澤氏:たとえば、「ここに高齢者施設が建ちます」と言ったら、周りの人が反対しますよね。保育園も同じですよ。問題は、反対の人の声はガンガン上がってくるんですけど、賛成の人は声をあげないことです。

 だから、テクノロジーが進化をしても区民の声を聞くことがか議員の役割じゃないかと思います。賛成の人の意見を集めることも大切だからです。

 基本的には反対の意見の人のほうが声が大きい。障害者施設でもマンション建設でも毎回建てるのに時間がかかりますよね。どこかに施設が必要なことはわかる、だけど、自分の家の隣はイヤ。

加藤:マンションだと、なんだかんだデベロッパーが押し切って建てちゃうじゃないですか、保育園とかは行政と議会が押し切って建てられないんですか?

海老澤氏:建てられるかもしれません。でも、できあがってからも反対運動などが起こり、建設に反対した人たちと、理解者で地域内がギクシャクしたらよくないでしょう。そんなことでは、せっかく建った保育園に通う子や保護者だって悲しいですよ。
そういうことで最近も、保育園が2、3箇所建てられなかったんです。

加藤:声の大きい人が得をする嫌な風土ですね。ゴネれば中止になる事例が沢山できてしまったから、必要以上にゴネる人が出て来る気もするので、個人的にはある程度強引に建てたほうが良い気もします。もちろん、実際に矢面に立つとしたら、政治家も行政職員も大変だとは思いますが。

地方議員は二元代表制の本質を理解していない

加藤:地方議員がさらに力を発揮するために何が必要だと思いますか?

海老澤氏:まず、根本的な問題は、多くの地方議員が二元代表制の本質を理解していないことです。「与党」対 「野党」とかではなく、議員一丸となり行政に提案ができ、先の述べた旅館業法のように条例まで作れるんですよ。あそこの会派が言ったから反対とかをやっている場合じゃないです。

 あとは地方議員なんだから、その地域で今起こっている問題について、地に足をつけて考えるべきですよ。防災訓練で自衛隊を呼ぶのに反対とかはおかしい、予算委員会で毎回自衛隊の募集に反対をして、それに何分も議論をするのはやめたほうがいいと思うんですよ。本当に災害被害にあった場合、現実として自衛隊は動くわけですから。

加藤:地方議員の魅力は地方行政と同じく、生活に関わる課題の最前線にいることかもしれませんね。

海老澤氏:私自身は「人を思うことができる政治」と掲げていますが、基礎自治体である文京区で生活に深く関わる、身近な課題を解決していきたいと思っています。

編集後記

昨今、議員の存在価値を云々されることが多い。HOLGが地方自治体に取材しながら感じていたのは、地方議員が地方行政の成果に貢献する難易度の高さだ。多くの議員は行政の現場における実務経験がないままに提言や提案を行う、加えて、それらを通すために議会での合意形成を図る必要もある。さらに、選挙があればそれに勝たなければならない。これら様々な負荷は非常に大きいものだろう。

 民間企業でも、現場感のない人がマネジメントを行う場合、能力が相当高くなければ成功しない。同様にこれからの地方議員も、現場と論理的に戦える情報と能力を備えていなければ、有権者に期待される役割は果たせないように感じている。

 海老澤さんは20年間大手企業で高度な実務を担ってきたバックグラウンドがあるため、政策と現場の視点をバランスよく調整できる方なのだと感じた。一方で、有能な地方議員の持つ力を、今以上に発揮できる環境整備も必要ではないかと思う。

 自治体職員と地方議員の関係を見ると、お互いに腹を探り合っていたり、相互の信頼感が希薄に思えることも多い。もちろん、互いの適切な緊張関係が行政サービスを高めているのであれば、両者間の信頼は必須のものではない。

 しかし、議員に政策提言が求められる時代なのであれば、互いに腹を割って実務レベルから議論が積み上げられ、内実ある真摯な議会運営がなされることで、今後、議員の貢献できる余地は広まるのではないかと感じている。

 冒頭でも言及したが、特に選挙に関わる活動によって、議員には大きな負荷がかかっていると感じている。そういった負荷が軽減されるためにも、まず、議員の普段の業務が広く市民に知られ、その活動の価値と実績が、選挙の結果に大きく反映されるようになれば、とも思う。

※この記事はテレビ東京とのタイアップ企画です。海老澤敬子氏の議員を志し、そこに至るまでの経緯はテレ東プラスでご覧いただけます。

※本インタビューは全4話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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