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権限を正しく使う|金融庁長官 遠藤俊英・よんなな会 脇雅昭

 -11月17日(土)に『よんなな会vol.12』が開催され、渋谷ヒカリエに約700名もの公務員と学生が集った。渋谷ヒカリエという先進的なイメージをまとう地に、保守的なイメージの公務員が一堂に会することが、よんなな会のユニーク性を顕著に表しているが、その登壇者も毎回豪華でユニークだ。

 この日は、世界ゆるスポーツ協会代表理事の澤田智洋氏、パラリンピック銀メダリストの上原大祐氏、ナオト・インティライミ氏、そして、金融庁長官の遠藤俊英氏が登壇した。本記事では、遠藤俊英氏とよんなな会の主宰者、脇雅昭氏の対談の様子を記録した。公務員としての想いや経験、そして、あるべき姿が本音で語られた。

よんなな会(2)

脇氏:今日のよんなな会にはひとつテーマがあります。世の中を良くしていこうと思ったら、もっと先輩たちを巻き込みながら一緒にやることが大事だと感じました。そこで、参加者の皆さんには、「大好きな尊敬する先輩にもお声がけください」とお願いしたんです。

 そうしたら、本当に大先輩を連れてきてくれた方がいらっしゃいました。金融庁の遠藤俊英長官です。拍手でお迎えください。

会場:(拍手)

入場する 遠藤長官 (2)

脇氏:本日は遠くからお越しいただいたと聞いています。

遠藤長官:今は毎日、軽井沢から霞が関に通っております。12年前に東京から軽井沢に落ち着きました。

脇氏:わざわざお越しいただき、ありがとうございます。今日は全国の地方公務員の方が会場に来られていますが、金融庁と何か連携できる可能性があるんじゃないかなと思っています。

遠藤長官:地域行政では、今日参加されている皆さんのような方が頑張っていらっしゃると思うんです。今、金融庁には地域の経済や企業を、いかに元気にするかという課題があります。そのため、皆さんとの連携はもちろん、地域金融機関やNPO、住民と一緒に地域課題を解決するような、地域のエコシステムを作りたいと思っているんです。

 金融庁は東京にありますから、なかなか地域の状況ってわからないんです。ですから我々自身も地域に入っていかなければいけません。今年、少人数ですけれども、地域の生産性向上支援チームというものをつくって、「常に地域を回れ!」「霞が関にいるな!」と動いてもらっています。

 財務局という地方支部局で、財務局の職員や地方公共団体の方とか、そういった方々と常に意見交換する。さらに、地域のとがった人たちや志の高い人たちとタッグを組んで、地域の金融機関を巻き込もうと活動を始めております。

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脇氏:財務省や金融庁が地方に入って、一緒にやっていきましょうというのは、これまであまり多くなかった気がします。

遠藤長官:今は若い人が霞が関の仕事だけじゃ満足できなくなっていると思います。

 地域に行った人間は、「市町村がいろんなことをやろうとしている。その片腕になっていろんなことができるというのは本当に面白かった」と言います。霞が関では自分のテリトリーがどうしても狭くなっちゃうんです。

 市町村で2~3年、非常に経験豊かな時間を過ごして大きく成長して帰って来る。迎え入れた行政機関にとっても戦力になったんじゃないかな、と期待しているんですけどね。

脇氏:財務局の方々と地方公務員の方々がもっと近づいて、そこに金融機関も入っていくともっと広がっていくのかなと思います。よんなな会は北海道会とか九州会とか沖縄会とかを地方でやっていますので、そういったところでもっと財務局の方と交流させていただけたら、と。

遠藤長官:人と人との縁というのは結びつきなんですよね。行政はどうしても組織として仕事をしてしまう。例えば、金融庁の職員が地方にいった時に、担当課の課長さんとか部長さんが出てきて話をするわけですよね。

 もちろん一生懸命仕事をされていると思いますけども、我々が知り合いたいのはそういう役職のある人じゃなくて、本当に地域のために現場で一生懸命やろうとしている人。もしかしたら、まだまだ若い方かもしれないけど、そういう人と知り合いになって輪を作りたいですね。

脇氏:僕も神奈川県の職員ですけど、同じ時代を生きる仲間のはずなのに、大人になるとそういう肩書みたいなものが壁を作っちゃう。今日のよんなな会に私服で来てくださいというのも、敷居を緩くすることがすごく大事だと思っているからです。それで、長官にも私服でお越しいただきました(笑)

遠藤長官:おっしゃるとおりだと思いますね。

脇氏:遠藤長官は昭和57年に入庁されたということですが、私は実は昭和57年生まれなんですよね(笑)。

遠藤長官:はい・・・(笑)。

脇氏:今、敷居を下げましょうみたいな話のなかで、私が近づきたかったんです(笑)。

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会場:(拍手)(笑)。

権限を正しく使っていかなければいけない

脇氏:遠藤長官は36年お仕事をされ、長官になられました。偉くなったらやりたいことをやろうとしても、実際にはできないとも聞きます。金融庁のトップになられてみて、できたこと、できなかったことは何がありましたか?

遠藤長官:僕は10年、20年前の時は結構自由にいろんなとこへ行っていたんですね。特に地方に行って、その時の役職に関係なく中小企業の社長さんにいろいろお話を聞いたり、信用金庫とか信用組合の理事長さんのような現場の人にいろいろ話を聞いたりしていました。上に黙ってです(笑)。

脇氏:最後が、ポイントですね(笑)。

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遠藤長官:今、長官になるとですね、「俺はこういうことをやりたいんだ」と言っても、「決まりがありますから困ります」と言われて、すごく縛りがあるんですね。それから、メディアの目があるものですから、立場として下手なことをするとすぐに書かれる、写真を撮られる、録音される(笑)。そういう部分はありますね。

 ただ長官になるとですね、できることはみんな一生懸命やって、あっという間に成果物が出て来る。局長の時でさえ、私が指示を出しても半分真面目で半分適当、という感じだったので、「あーやっぱりいいねえ、これは」とは思います(笑)。

会場;(拍手)(笑)。

脇氏:皆さん、「長官だから動こうかな」って、なんとなく心当たりありませんか(笑)? 

会場;(笑)。

遠藤長官:だから、自分が何を言えばみんな一生懸命やってくれるというのは、逆に言うと私に責任が生じている状態です。その責任ある立場にたまたま自分はつくことができた。日本の金融とか日本経済のためになることを真剣に考えて、その権限を正しく使っていかなければいけないと思っています。

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→1月8日掲載予定、「コントロールできるのは今だけ|金融庁長官 遠藤俊英・よんなな会 脇雅昭」に続きます。
【よんなな会の過去の記事はコチラ】
小泉進次郎と脇雅昭が語る今後の日本と公務員の役割(上巻)
【元金融庁長官 畑中龍太郎氏 #1】公務員はサービス業
【キングコング西野亮廣氏 #1】先輩が引いたレールを走っても追いつけない

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