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【キングコング西野亮廣氏 #1】先輩が引いたレールを走っても追いつけない

西野亮廣

―2017年11月12日に渋谷ヒカリエで開催された国家公務員、地方公務員が600人集まった「第10回よんなな会」。お笑い芸人キングコングの西野亮廣氏が、お金と広告、そして公務員についてお話された。

西野亮廣氏:お笑い芸人やったりだとか、絵本描いたりやっています西野亮廣でございます。『えんとつ町のプペル』っていう絵本を去年の11月に出して、数字だけ言うと33万部売れたんですよ。2年後に映画も決まった。

ディズニーを倒す

 で、僕が前々から「ウォルトディズニー倒そう」って言っていて、本当に倒しにいこうと思っていてですね、社長には反対されているんですけども、2年後の映画の公開日をディズニーアニメの新作品の公開日にぶつけようと…。

会場:(笑)。

 興行収入でどっちが勝つのかを一回ちょっとやってみようと思って。で、ディズニーアニメの興行収入どれぐらいだとか見たら、あいつらむちゃくちゃ売れてて、見たらびっくりしちゃった。

会場:(笑)。

 「アナ雪」とか「ベイマックス」とか、もう大ヒットしてるんですよ。皆さんが思ってる以上にヒットしてるんですよ。でも、僕2年後ここに挑まなきゃいけないんですよ。収支表見たら、もう足がブルブルブルブル震えてるんですけど、ずっと見てるうちにディズニーアニメの弱点に気付いてですね、ジャングル系のとき、ちょっと弱めって言うのが分かったから、2年後ディズニーがジャングル系のアニメを発表したら、そろそろ西野が出てくると思っていただいたら…。

会場:(笑)。

挑戦にはお金と広告の問題が付いてまわる

 デビュー当時から言っているんですけど、ディズニーを本当に倒そうっていうのをやっています。こういうスタンスをとってるもんでですね、年齢関係なく何か挑戦される方に対しては、「お、行けよ!」って言うほうなんですよ。でも挑戦するときに、絶対に付いてまわるのがお金と広告の問題です。このお金と広告がクリアできないと活動を続けることができない。

 例えば、パン屋さんをしようと思ったら出店費用がかかるだろうし、そのパンをどうやって広めるんだっていう、広告の作業が必要になってくる。舞台役者をしようと思う人は、やっぱり劇場にお金を払って劇場を借りて、じゃあ、次はどうやってお客さん呼ぶのか。

 こういう問題が必ずあるのにもかかわらず、それを教えずに子どもに対して「夢を持て」みたいなことを言うのが、ちょっと無責任だなと思ったんです。お金と広告の問題をどうにかクリアできない限りは、夢を持ち続けることもできないんだから。

 だから、お金と広告の問題、その解き方まできっちりセットでお伝えしたいと。その話をする上で、『えんとつ町のプペル』っていう絵本は、どうやって作られて、どうやって売られたかっていう話がたぶん一番分かりやすいんです。

先輩が引いたレールを走っても追いつけない

 25歳のときに、一応すごくテレビに出たんですよ。視聴率もいっぱい取って、たぶん週の合計で60%ぐらい取ったんですよ。何千万人から毎週毎週自分を見てもらってる状態ですよね。で、その状態でいても結局、突き抜けることはできなくて、ちょっと飽きちゃった。

 露出は増えたし、収入は増えたし、チヤホヤされるようになった。そこまで行ったら、スターになれるのかなと思ったら、ところがどっこい、スターにはなってない。やっぱり上には、タモリさん、さんまさん、たけしさんがいらっしゃって、ダウンタウンさん、ナインティナインさんだとかもいらっしゃる。こういう先輩方がいて、僕はその方々を抜いてもいない。ディズニーも倒さなきゃいけないっていうのに、こんなところでつまずいてる場合じゃない、「俺、たけしさんに負けたくないぞ」と思って…。

 そもそも、なんでたけしさんとかに負けてるのかなって考えてたら、やっぱり当然で、自分が走っているレールっていうのは、たけしさんが引いてくださったから。先輩方が引いてくださったレールを走ったら、そりゃ先輩方の背中があるのは当たり前の話だなあと。

 だから、自分でレールを引いて、先輩方が鈍行で走ってるところを新幹線でばっと行ってやれって思って、絵本をやってやろうと思ったんです。そのへんのことは『革命のファンファーレ』という本に書いてるんで買ってください(笑)。

会場:(笑)。

時間なら勝ってる

 勝とうと思ったら競争しない。競争した時点で負けてしまう。じゃあ、こと絵本において、人と競争してないっていうのはいったいなんなんだと。プロの絵本作家さんよりも、素人の僕が勝っている部分は何かを探すんです。でも、画力もないし、出版のノウハウもコネもツテもないし、お金もない。結局なんもないんですよ。負けてるところだらけで。

 ただ、一つの作品を作るのにかけることができる時間なら勝ってるなと思ったんです。専業の方っていうのは、その作品を作って売って生活をまわしているので、極端な話、3カ月にいっぺんぐらいのペースで作品を出していかなきゃいけないんです。

 でも、僕みたいなものが絵本を作るのは兼業ですから、極端な話、僕は一つの作品作るのに10年かけることだってできるんです。なぜなら、僕はこの絵本っていうのは収入の柱でないから。

 ここで、「ああ、なるほどな」と思うんです。専業の人と、副業・兼業の人っていうのは、何が大きく違うかって言うと、時間をかけることができるか否かになる。実は専業の人っていうのは時間をかけれないから弱いんです。

 だから、生活の軸となる仕事があって安定しているっていうのは、やっぱすごく強くて。で、僕は絵本の売上がなくても生きていけたので、絵本にすげえ時間かけれると思うんですね。

 で、普通の絵本だったら17ページとか18ページで物語が終わるところを100ページぐらいにしたんです。そういう画風が好きとかそういう話ではなくて。この作り方にしてしまえばプロの人に作ることはできない。なぜなら、この作り方をするのに、この作り方で仕上がるまでに3年~4年ぐらいかかってしまうから。つまり、時間がかかるように作り方をデザインしたんですよ。それはセンスとか才能とかそういうことじゃなくて、物理的にプロに作ることはできないから、「あ、これは勝った」と、絵本ではもう勝ったんですよ(笑)。

会場:(笑)。

※本記事は全6話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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