コラム

生駒市が副業・兼業・テレワークOKで「官民プロ人材」の公募を行う理由

生駒市副業テレワークTOP(Resized)

(PR)=HOLG.jpが本になりました「なぜ、彼らは『お役所仕事』を変えられたのか?」

(文=生駒市長 小紫 雅史)

今回の採用の背景と基本的な考え方

 10月7日、奈良県生駒市は、人材採用・入社後の活躍支援等を行うエン・ジャパン株式会社連携協定を締結し、同社の協力を得て、7つのポジションの公募を実施しました。
 生駒市では、
・少子高齢化や生産年齢人口の減少への対応
・行政コストの削減だけではない、新しい財源の確保
・女性やリタイア層の地域での活躍促進
・単なるベッドタウンから卒業し、Society5.0への対応を含む、地域経済の活性化、地域雇用の創出(地域資本主義の確立)
など、日本全国の地方住宅都市が抱える共通課題に直面しています。
 今回の採用は、これら諸課題の解決を目的として、官民のトップ人材の力が、これまでの知見を最大限生かして生駒市の改革を推進いただける機会を創出し、他の自治体のモデルケースとするための挑戦です。

 一方で、官民トップ人材を生駒市で採用するためには、生駒市で働くことが興味深くやりがいがあり、携わる方にとって将来のキャリアにつながる成長を生み出す機会である必要があります。また、働く場所や時間など、最大限働きやすい環境を整備することも重要です。
 同時に、これまでに生駒市がリーチできなかったような人材層にアプローチし、より多様で有益な知見を持つ方に生駒市で働くことをキャリアの選択肢に入れてもらうことが不可欠です。
 そこで、生駒市では、今回の採用に当たり、
① オンライン面接や、テレワークでの勤務、兼業・副業的な働き方をOKとし、受験しやすい、働きやすい環境を最大限整備
② 今回採用する人材が、生駒市で専門的な知見を最大限発揮し、その経験がやりがいや成長の機会となるよう、組織内のポジション(市長直属のポジションや適切なチームメンバーの準備など)や担当するプロジェクトの内容に最大限配慮
③ エン・ジャパン株式会社との連携により、公務員に関心の薄い層にもアウトリーチ
④ 国家公務員や地方公務員の副業解禁をチャンスととらえ、積極的に登用
などに取り組みます。

今回の採用に踏み切った理由

 自治体を取り巻く環境が大きく変化しています。その代表が地方創生です。
 市町村は、国の指示を着実にこなすだけでなく、それぞれの地域課題に地域の資産(人材、場所など)を活用して対応することが強く求められるようになっています。市民の行政に対するニーズが多様・複雑化、専門化していることも併せて考えれば、市民や地域のニーズに行政だけで対応するのではなく、現場を知る市民の力や事業者の専門性なども活用して、官民連携、協創の精神で取り組むことが不可欠です。
 ありがたいことに、リタイア層や専業主婦、学生などが、地域活動に関心を持ち始めています。事業者もCSRやCSV、SDGsの方針の下、また、大学等も実学重視の姿勢を打ち出し、地域課題に積極的に取り組み始めています。
 これらに加え、官民双方で、副業や兼業を容認する流れができています。本業の成果を上げるためには、社員や職員を本業に縛り付けるのではなく、本業以外の職種の経験や、自分で取り組むプロジェクトなどを支援したほうが本業のパフォーマンスにもプラスになることに多くの事業者が気付き始めています。
 したがって、生駒市の課題に最大限効果的に対応するためには、市の職員のマンパワーを最大限引き出したり、市民との協働を進めることに加え、全国の官民のトップ人材に対し、全国最高レベルの柔軟でやりがいのある働き方や成長につながるプロジェクトや機会を提供して、生駒市のために尽力していただくことが合理的なのです。

生駒市のこれまでの取り組みと今後の課題

 生駒市は、奈良県北西部にある人口約12万人の住宅都市です。
 生駒山を隔てて大阪に通じ、都市部まで電車で約20分という高い利便性はもちろん、生駒山などの豊かな自然に恵まれ、犯罪件数も少なく、子育てや教育・福祉の施策への評価も高く、これまで大いに発展を遂げてきました。
 生駒市がこれまで進めてきた先進的な取り組みとして、
・ 採用試験改革(民間適性テストの導入や採用ポスターなどの戦略的PR等により、採用倍率が全国トップレベル)
・ 市職員の副業OK(地域に飛び出す職員の育成)
・ 高齢者をボランティアとして活用した、認知症予防、介護予防の取り組み
・ 市庁舎での喫煙後45分間のエレベーター使用制限
・ 小中学校全校に UD(ユニバーサルデザイン)フォント導入
・ 地域エネルギー会社「いこま市民パワー(株)」設立
・ シェアリングエコノミーの活用((株)AsMama、akippa 株式会社、(株)タスカジとの連携)
・ ふるさと納税を活用し野良猫の避妊・去勢手術を全額支援
・ 空き家流通促進プラットホーム
・ まちづくりに対応できる直営型図書館の強みを生かした取り組み
・ 子育て世帯の女性の活躍に焦点を当てた、市民を主な対象としたシティプロモーション
などが挙げられます。

 しかしながら、10年後、20年後の未来を考えた時、生駒市にも大きな課題があり、今後深刻さを増していきます。少子高齢化は、全国平均よりもずっと速いスピードで進み、人口も横ばいから減少へと移行しつつあります。長年、住宅都市として市民税や固定資産税を主な財源としていたことから、今後の少子高齢化、ニュータウンの老朽化による大きな影響が生じるのです。また、これらの税収が大きかったことから、観光や農業などの産業振興はまだまだこれから、という現状であり、市内消費率も全国で最も低いレベルとなっています。女性の就業率も全国で最も低い水準であり、いろんな知見やスキルを持つ市内の女性たちの力をまちづくりに生かし切れていません。
 このような課題を今後の伸びしろ、チャンスととらえ、具体的な取り組みに転換していくためには、これまでの行政を継続していくだけでは明らかに不十分です。
 そこで、生駒市では、以下の3つのビジョンを基に、内部人材(生駒市職員と市内の住民や事業者)の力に加え、今回の採用による外部人材の登用により、現場の視点を持ち、市民とともに汗を流しながら、日本や世界でも最先端の取り組みや技術の活用によるまちづくりを進めたいと考えています。

生駒市が掲げるまちづくりのビジョン

 生駒市では、2021年の市制50周年、そしてその先の持続可能な発展を見据え、3つのビジョンを想定しています。

① 市民と行政とが共に汗をかく「自治体 3.0」のまちづくり
 多様化・専門化する市民ニーズに行政だけで対応するのではなく、市民と行政がともに汗をかき実現するまちづくりを目指します。
 コンサートや各種イベントの開催はもちろん、歩いて行ける地域ごとに100つ以上のコミュニティを設け、健康体操、おしゃべりカフェ、子供預かり、文化活動、地域食堂や学童保育機能、地元農家の直売会、買い物移動支援など、多様な機能を付加し、高齢化社会でも、地域のきずなと利便性を失わない拠点を市民と行政が連携して創出します。
 さらには、まちの課題に対し、人や資金を集め、収益を確保しながら事業運営する「まちづくり会社」を立ち上げる市民や事業者を支援し、ボランティアやイベント開催にとどまらず、ビジネス活動の中で地域づくりを進める主体を行政が応援します。

② 生駒の伝統文化と最先端技術とを融合させた未来のまちづくり
 生駒市には、ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授がiPS細胞を発見した奈良先端科学技術大学院大学があり、その近傍には、Society5.0を具体化できる場所として、けいはんな学研都市の中心を占める学研高山地区第二工区という288ヘクタールの用地があります。
 一方で、室町時代から続く高山地区の茶筌や、多くの歴史的な寺社仏閣、環境省認定の里山・里地があります。
 これらの最先端技術と、古くからの歴史や文化を組み合わせ、生駒市の課題に対応するための、観光や農業の振興、世界的な最先端技術を持つ企業の集積、リニアモーターカーの駅周辺地の開発による活性化、若手人材の流入による人口増、税収増などを目指していきます。
 生駒市は、本年、政府からSDGs未来都市に認定されており、SDGsの精神により、最先端技術と文化伝統をつなぎ、生駒の価値を高め、発信していきます。

③ 支える人材の育成と市民・事業者・団体とのネットワーク構築
 ①②のビジョンを具体化するためには、なんといってもそれらを担う人材やネットワークが不可欠です。生駒市では、私が市長に就任して以来、「まちづくりは人づくり」の精神をぶれることなく貫いています。
 将来の生駒、日本、世界を担う子どもたちへの教育、人生100年時代を楽しく生き抜くための人生ステージごとの生涯学習はもちろん、職員の採用や人事制度の改革に不断に取り組みます。
 自治体3.0の精神で、市民はもちろん、事業者や大学、NPO法人などとの具体的・効果的な連携を進め、市民のニーズにこたえ、将来のまちづくりを見据えた成果を上げていくことを目指します。

生駒市が求める7分野のプロフェッショナル人材とは?

 このようなVisionを具体化するため、生駒市は以下の7分野で採用を始めます。

① 生駒市のCFO(様々な手法を駆使した収益の確保)
 ふるさと納税(返礼品でなく使途を明確にすることで多くの寄付をいただく)や、市民からの寄付、遺贈制度、クラウドファンディングなど、多様な収益を確保し、行政や市民によるまちづくりにつなげられる、いわば生駒市のCFO的な人材

② 生駒市の東京営業所長
 首都圏において、採用募集や寄付集め、先進的な取り組みのメディアへの売り込みなどの売り込みはもちろん、関係者との連携強化により、効果的な官民連携を具体化するための地ならしを進める営業のプロ。

③ 生駒市の観光事業部門のファウンダー
 生駒市らしい観光プロジェクトを一から立ち上げるプロジェクトマネジャーであり、ファウンダー。
 生駒市の地理や歴史文化はもちろん、生駒市民や事業者などの力を引き出しながら、観光事業を企画・実施し、街を活性化できる人材。例えば、空き家を生かした民泊や語学力の高い人と観光事業者をマッチングしたインバウンド対応力の強化など。

④ 地域とコミュニケーションのできる「真の」ICT人材
 単にICTやAIに詳しいだけではなく、学研高山地区第二工区を中心としたSociety5.0のまちづくりの具体化のようなマクロの視点を持つと同時に、市民とのコミュニケーションを丁寧に持ちながら、地域課題に最先端技術で対応していく生駒市らしいSociety5.0の具体化ができる「真の」ICT人材。

⑤ 官民の枠を超えた令和時代の人事の専門家
 公務員の世界だけでなく、民間部門の人事制度や取り組みにも精通し、まちづくりの課題への対応力を高めるため、官民の二項対立的な人事制度や仕組みを破壊できる令和時代の人事の専門家。制度や仕組みの構築と同時に、それを職員や外部の人材に理解させ、効果的に実現できる人材。

⑥ 激動の社会と人生100年時代を生き抜く人材を育てる教育実践家
 激動の社会を生き抜く子どもたちを育てる学校教育、人生100年時代を楽しく安心して過ごすための生涯学習など、「まちづくりは人づくり」という生駒市の基本方針を具体化するため、従来の慣習にとらわれず、困難を乗り越えながら、改革を具体化できる、教育の「評論家」ではなく、「実践家」。

⑦ 地域活力創生全般を統括する部長級の指揮官
 ①から⑥までを含む、生駒市のまちづくり全体を統括し、新しい挑戦に挑む指揮官ともいえる部長級人材。

最後に

 生駒市は、人づくりこそ市役所の最重要課題と位置づけ、これまでも様々な取り組みを行い、全国の自治体でもトップクラスの実績と成果を上げてきた自負があります。
 しかし、激動する社会の中、まだまだ多くの課題が残されており、これらの課題に効果的に対応するためには、これまでの成功に胡坐をかくことなく、破壊と創造のプロセスを継続し、新しい採用・人事制度を模索・実行していきます。
 生駒市は人口12万人。取り立てて大きな都市ではありませんが、日本の人口の1000分の1という最適な規模で、素晴らしい歴史・文化と自然を有し、素敵な人が集い、前向きに街づくりを楽しむ風土が生まれているやりがいのある街です。
 日本中の多様な人材の力を結集し、生駒市という舞台で、課題解決の最先端の経験を共に積んでくださる方を全力で募集しています。
 ぜひ、挑戦していただきますよう、お願いいたします。

【参考: 生駒市による7分野のプロ人材募集の概要】
・応募期間:2019年10月7日(月)~10月31日(木)23時59分
・応募方法:下記①と②の両方の手続きが必要です。
① 『エン転職』『ミドルの転職』『AMBI』『 engage』各サイトからエントリー
② 所定申込書を市の所定メールアドレス宛に送信(申込書は市 HP からダウンロード可)
・募集ページ:https://www.enjapan.com/project/05.html
・募集分野:①収益確保,②首都圏PR,③観光企画,④ICT 推進, ⑤人事改革,⑥教育改革,⑦地域活力創生全般(部長級・常勤)

・採用プロセスの流れ
1次試験 書類審査
2次試験 11月下旬(予定) 面接試験(オンライン受験可能)
3次試験 12月中旬(予定) 適性検査・面接試験、業務内容や勤務体系などの最終確認
→12月下旬に内定予定

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