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高倉万記子

コラム 事例を知る 情報システム

実はここにも諜報員-高倉万記子

年度末で退職を考えている人はそろそろ切り出す時期ではないだろうか。自分も辞める3ヶ月前に人事に言う予定であった。結果的にはそれより早く言い出すことになってしまったが。

さて、最近、大手企業を退職したという告白ブログが話題になった。

辞めた理由の一つが、社内環境への絶望だが、どうやら生産性を下げるような環境のようだ。さらにそんな経営判断をする人たちにリテラシーがないことが、退職するに余りある動機となったとある。

生産性といえば、CIAの前身組織、Office of Strategic Servicesが第二次世界大戦の時に作成した秘密文書である【Simple Sabotage Field Manual】が公開されている。

これは、諜報員として活動する時に、相手の国もとい組織に対して、簡単に妨害工作を行うためのマニュアルなのだそうだ。内容としては、組織内での情報共有や、マネージメント、やる気を無くし混乱を招く方法について触れられている。

全て英文なので意訳だが、例えば

・常に不備を指摘し、意思統一のための議論を出来る限り設ける。

・前回の打ち合わせの内容について決定したことについても、蒸し返して議題として提示する。
・意思決定の場において、結論を出すために徹底的に説明を求める。

・決定事項は出来るだけ委員会に委託し、長い期間に渡り討論させる。委員会メンバーは可能な限り大きくし、最低でも5名以上で結成する。

・何事も指揮命令系統を厳格に守り、意思決定を早めるための手法は許されない。

・議事録、決議書、連絡用の文章など、あらゆる文章は、言葉の選定に執着する。

・重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる。

・怠惰な者を大事にし、有能な働き手を冷遇して、自分の仕事に対して不公平感、不満を拡散させる。

・自分の経験やスキルを伝えない。

・指示や支払いに関する承認手順やシステムを複雑に作り詳細やチェック体制を増やし、1人でもできることを最低3人の承認が必要にする。

 

自治体の人なら、何か思い当たるようなことばかりだと気づいただろうか。

生産性を下げるのは組織のためにも自治体自体のためにも良いことではない。職員数の減少や仕事量の増大で、生産性を上げていくことが急務なのは問題意識としてどの自治体も共通認識としてあるだろうが。

最初に紹介した人のように、生産性の低い環境は退職の動機として十分なりうるものなのだ。新規採用や職員をつなぎとめるためにも、モチベーションの下がらない環境を作ることは大切だ。IT業界では、人材の流動性が高いので、ちょっと有名な企業の中がこのような傾向になってしまうと、社員の退職の話題をよく耳にするようになるのでわかりやすい。

生産性の向上策を講じるのは難しくても、諜報員、いや生産性を下げるこのようなことを一つ一つ潰していくことこそが、生産性向上に繋がるというヒントになると思われる。

さて、あなたの職場では諜報員はどれだけ活躍をしているだろうか。

 

【高倉万記子氏の過去のインタビュー】

システムのスペシャリストが創出した役所の外に広がる輪

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