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やる気のある自治体の見える化が重要

地方創生ベンチャーサミット 全体セッション4

本記事の内容は「地方創生ベンチャーサミット2019 ローカルテック(地域×テクノロジー)の可能性 supported by KDDI(2019年2月3日開催)」の全体セッションの内容を文字起こししたものです。一部、言い回しなどを編集しております。[第4話目/全5話]

〇スピーカー
・井上 高志  株式会社LIFULL 代表取締役社長
・小林 史明  衆議院議員
・髙島 宗一郎 福岡市長
〇モデレーター
・吉田 雄人 (一社)熱意ある地方創生ベンチャー連合 事務局長
       Glocal Government Relationz株式会社 代表取締役

吉田氏 : 井上さん的に、活動を進めてきて、もうちょっとこういう地方行政、こんなふうに動いてくれればいいのになみたいな、官民連携するにあたっての困り事みたいなのってなかったんですか?

井上氏 : さっきもちらっと言ったんですけど、あんまりよそ者扱いも、北海道でもされないし、沖縄でもどっちかっていうとウェルカムだし、「なんなら補助金も出してあげるよ」とか、古い廃校の浄化槽とか、電源のところの入れ替え。「数千万かかるので町でもってあげるよ」とか、ものすごい協力的なので。

吉田氏 : その秘訣か理由ってどこにあったと思いますか?

井上氏 : 人柄ですかね(笑)。

会場:(笑)。

吉田氏:井上さんの?(笑) すごいな(笑)。

小林氏:ほぼ真実でしょうね(笑)。

高島氏:井上さんは人が素晴らしいということで通用するんですが・・・

吉田氏:顔が怖いとかじゃないんだ(笑)。

高島氏:たとえば、みんなも知っておいた方がいい基本的ノウハウを知らないことが多いんですね。例えばじゃあ、今日一日かかっていろんな話を聞いて、「よし、うちの会社も地方行くぜ」と思った。それでいきなりそこの首長にアクセスをして、「自分たちこうやりたいんです。ああです、こうです」って言うとします。

 今日帰って早速まとめて、明日送りました。今したときに、間違ってることが2つあるんです。まずその1。こういうことを行政に提案するときの時期として、明日送るのは間違ってるんですね。なぜなら、行政にとって予算組むのは1年に1回なんです。3月の予算議会に出すわけですね。そうすると、提案は秋にしなきゃいけないんです。秋に提案しないと、もう今のこの時期というのはどこの自治体も3月の予算議会に合わせて、数字の計数整理まで財政局で終わってる段階でとっくに査定も終わってる段階で言っても、今言ったって1年後の査定の話になるから、例えば、そういう時期の話もそうだし。

吉田氏 : 人事異動もあるしね。

高島氏 : それから例えば、すごく思いがあるからっていって、もっとスピード感上げてくれよってことで一生懸命首長に言うっていうところだけをしとくと、当然、下で動いてくれる事務方は面白くないわけですね。そこすっ飛ばして。だからそこは、しっかり事務的にというか、ちゃんと担当部署にも丁寧に言っておきながら、いわゆるトップダウンっていうのは、少ない数のベンチャーではトップダウンでいろいろ動くかもしれないけど、大きな組織を動かしていくときっていうのは、しっかりとその担当のところに丁寧に上げていくっていうようなことも含めて、いくつかノウハウっていうものがあって、こういうのがうまく進めるのに大事ですよ。

吉田氏 : その通りですね。今、浜松市の鈴木康友市長も「そうだそうだ」ってやじってきましたけど。え? あ、「補正予算が年にあと3回、予算のタイミングが一応あるぞ!」という話ですね。

 そんな中、高島さんにもう一回聞きたいんですけど、地方創生。小さく生んで大きく育てるみたいな話がありましたが、その中で果たすべきリーダーシップの姿っていうのをどんなふうに考えてらっしゃるか、お話聞いてもいいですか?

高島氏 : まず、首長という立場からすると、今回例えば、平成25年にスタートアップ都市推進協議会っていうものを作って、現在八つの自治体がやっています。今、事務的な積み上げの話もしましたが、やっぱり首長っていうのも大事なんですね。新しいことを始めていくときに、「こういうことをやりましょう」「やってくれ」って言っても、言われた側はそもそもやりたかったわけじゃないですね。例えば役所にしても。

 そうすると、言った本人が目線を切ってしまうと、その瞬間止まってるんですね。通常のできない理由でストップして、別にこれを無理して通す必要性を本人がそんな強く思ってる動機があるわけじゃないから。だから、今こういう取り組みをしながらどこの地方、どこの都市が首長としての新しいチャレンジをして、ここのうちの中で政策として上げていくために、いろんな新しいところと組んでみようって思っている自治体なのか、それとも、「そんな面倒くさいことしなくていいよ」って思ってるのかを見える化するっていうのも結構大事だよね。

吉田氏 : なるほどね。大事ですね。小林さんには逆の意味で、国が地方創生を主導するというのは実はパラドキシカルなところがあると思うんですが、本来での国が果たすべきリーダーシップっていうのは、地方創生という文脈、これはどんなふうに受け止めてますか?

小林氏 : 政治家のリーダーシップっていうのは、人の上に立つリーダーシップではなくて、人の先頭に立つリーダーシップなんだと思うんです。こっちじゃない?俺たちの行く方向ってと、やっぱりビジョンを示すっていうのはとても大事だと思うんですね。

 政治家になって思ったんですけど、政治家ができる、社会を変える社会課題解決、ソリューションの手段て4つあると思ってて、1つは法律を変える。2つ目は税の仕組みを変える。3つ目は予算を付けて事業を応援する。4つ目がとても重要で、世の中にメッセージで人の意識を変える。この4つ目がとても重要だと思うんですね。そういう意味では、「地域にこそチャンスがあるよ」と。ちゃんとメッセージで伝えきって、かつそこに行ったときにはフェアなルールと参入ができる。こういう状況をつくってくっていうのが、国が本来やるべきことですね。

 細かいところまで、国政が手を突っ込んでくのは全然違って、むしろお任せし、しかも地方のコーディネーターの役割は、地方議員さんっていうまたコーディネーターがいますから。今は私が全部兼業してたりとかもしますけど、それで分かるものもあるからいいんですけどね。でも国は本来そうじゃないかな、と。

吉田氏 : ありがとうございます。そろそろ会場に質問を振りたいんですが、井上さんにも聞きたいんですけど、そうは言っても、いろいろテクノロジーでも進んでるし、会社としても日本一働きたい会社にも選ばれたりもして、そういう中で、国、あるいは地方に期待をしていきたい。この地方創生の文脈でどういったものがあるのかというのを聞かせていただいて、質問に移りたいと思います。

井上氏 : まず国に関しては、こういうイベントをやったときに、瞬間的に満席になるっていうぐらい、国がちゃんと「地方創生だよ。人の仕事だよ」っていうメッセージをしっかり伝えてるのが、広がってきたな。だからムーブメントになってきたなっていうことをすごく強く感じるので、そういう意味では素晴らしく進んでくと思うし、そこに人とか予算っていうのも付けていただいてるので、もうこれ以上「なんかしてください」みたいなのはなくて、この波に一緒に乗っていって変えていきたいなと思ってます。

 地方行政に関しては逆に質問で、高島さんに伺いたいんですけど。もし、福岡市の市長ではなくて、例えば夕張市の市長になったとしても、大津の市長になったとしても、共通する「こうすればうまくいくんだよね」っていう。経営で言うと、経営の方程式みたいなもんがあるんですけど、市の首長としてやる場合にこうしたらうまくいくんだっていう方程式があるとすると、何が要素になるんですか? そして、こういう首長が増えれば同時多発的にいろんな行政が、自治体が良くなっていくじゃないですか。高島塾があるとすれば……。本を読めよっていう話かもしれないんですけど(笑)。

高島氏 : そうそう、それ(笑)。それに全部書いてますけど。首長が変わるというより、そこの住民が変わるしかないというか、例えば、小林さんみたいな方を政治家で選んだのは地元の人だし、私にしても現職が当時いました。現職の2期目。それから元教育長の女性もいたし、前に別のとこで首長やってた人もいたしっていう選択肢で、これまで全く行政経験もない。当時朝の番組のキャスターしてた私っていう、一番不確定要素が多い人に投票するという福岡市民がすごいイノベーティブで。

 連続性じゃなくて、なんかここで飛躍を入れたいっていう思いがあったから入れてくれたというふうに思うんですよね。でも投票率で見たら、本当に若い人の投票率がめちゃくちゃ低くて。私はそれなりに福岡の中で、起業家も含めて若い人たちにはいろいろ言ったから、ご支持はいただいてると思うんですけど、実際、選挙には行ってないんですよね。そういう意味からすると、そこに住んでる人が変えたいと思うのか思わないのか、今のままでしょうがないと思うのか、「いや、チャレンジしよう。何か流れを変えよう」と思うのかっていうところなのかなとは思うし、また、自分が逆に行政の玄人じゃなかったことがすごい役立ったと思って。いろんな常識に対して疑ったって既成概念がなかったんで、福岡はこれまでいわゆる、地元の人なら分かる、七社会経済っていうインフラ系の九州電力、西部ガス、JR九州とか、この大企業が福岡経済って言われてたんですね。

 でも、私から見れば98.5%中小企業で、9割の市民が第三次産業という産業構造ならば、「この町は七社会経済ではないよね」って。てことは何しなきゃいけないかっていうのは違うんじゃないの? だから、そっからシンプルに考えて、成長戦略をもう一回練り直したっていうことができたんで、詳しい人だけがいい首長になるわけでもないんじゃないかなって。覚悟とかなのかなって思いますね。

【「地方創生ベンチャーサミット2019 ローカルテック(地域×テクノロジー)の可能性 supported by KDDI(2019年2月3日開催)」の全体セッションの内容はこちら】
第1話 スマートシティ構想は分かりやすく市民に伝えなければならない
第2話 東京の真ん中でローカルベンチャーを語っても分からない
第3話 テクノロジーは地域の良さを可視化できる
第4話 やる気のある自治体の見える化が重要
第5話 スマートシティは人を幸せにするのか

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