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【内閣官房参与 岡本全勝 #3】イエスマンにならないための“繊細さ”と“鈍感さ”

岡本全勝3

(PR)=HOLG.jpが本になりました「なぜ、彼らは『お役所仕事』を変えられたのか?」

岡本氏:残り時間は質疑応答ということですので、東日本大震災の件でも、公務員の先輩としてでもいいですので、質問を受けたいと思います。

2度の出社恐怖症 霞が関に近づくと足が鉛に

質問者A:精神的に辛い時もあったと思いますが、その時にどうされたのかお話いただけたらと思います。

岡本氏: 実は、私は出社恐怖症に2度なったことがあります。地下鉄丸ノ内線に乗っていて「次は霞が関」と車内放送があると、足がだんだん鉛のように重くなるんです。霞ヶ関駅に着いてドアが開くと、重たくて足が動かない。私の場合は必死に出たんですけれど、私の知人は足が完全に鉛になって、池袋まで行って戻ってくる。霞ヶ関に着くと、また鉛になる。そうして心の病を発症した人がいました。実は仕事で悩む人はまずいないです。人間関係なんですね。上司に言われてうまくいかないとかですね。

 一番緊張したのは、やはり総理秘書官の1年間。そして、この発災直後の10日間でしょうか。何をすべきか、誰に何をさせるべきかを考えていた時は、寝ても頭に次々考えが沸き起こるんです。総理秘書官の時は、夜の1時や2時頃に寝て3、4時間睡眠の日が続きます。東日本の時は朝の4時ぐらいに起きて出勤して、誰もいない部屋の中で指示のメモを書く。まだ出勤していない職員の机に、そのメモを配るということもしていました。
 同じような辛い仕事でも心が折れる人と、折れない人がいます。肉体と体力だったら、少しずつ鍛えることができる。そして数字にすることができます。100m、200m、300mと距離を伸ばしていく。重量挙げだったら10kg、20kgと延ばしていく。しかし、心のへこたれなさ度というのは数字にできません。
 いろんな経験を積み重ねて超えていく、もしくは鈍感になるとも言うかもしれない。私は、総理官邸、それから衆議院、参議院も、自治体も回った。大概のところに行ってもびっくりしない。人間って初めてだから緊張するんですね、デートにしても旅行にしても。2回目はあんまり緊張しませんよね。仕事も最初から大きな課題を背負わされたら大変でしょうけど、ちょっとずつ積み重ねれば大丈夫です。

イエスマンにならないための繊細さと鈍感さ

質問者B:ウィキペディアの情報で事実かわからないんですけど、岡本さんが麻生政権の筆頭秘書官だった時の話です。麻生さんが会議で「増税は必要だよね」と言ったら、岡本さんが「議事録から消します」と言ったというお話がありました。今日お話しをお聞きしても、すごく精神的にタフな方なのかなと思うんです。それは先天的なのか、経験の中で自分を鍛え上げてきたのか、どちらなんでしょうか?

岡本氏:多分2人の岡本全勝がいるんだと思います。こちらに非常に繊細な、と言ってもみんな笑うだろうけれども(笑)、岡本全勝がいる。他方で、もう1人の元気な岡本全勝がいる。麻生総理のくだりは「文藝春秋」に出た記事ですけど、半分正しくて半分間違っている。実際は、もうちょっと上手にやっている。

会場:(笑)。

岡本氏:僕らの仕事というのは接客業なんですね。住民相手、議員さん相手、マスコミ相手、そして上司相手、部下相手。相手の感情をわからずに喋っていると説得はできません。相手の顔を見ながら、どうしたら難しい話を説得できるかを考える。最初のうちは相手の言うことには、「イエス、イエス、おっしゃる通り」と受け止める。そして、「おっしゃる通りだけど・・」と、相手の気持ちを一度汲んでから意見をひっくり返す。これが説得の術なんですけれども、それは繊細さを持っていないとできません。

 もう一つが志です。私は奈良県の明日香村という田舎で育ちました。明日香村ができて1600年、最初の東大生と言っています(笑)。東大に行き、法学部に行って役人になりました。
 それは、やはり日本国を良くしたいという志があった。そのために、僕に求められている役割は何かを考える。そして言うべきことを言う。もちろん、相手を否定するんじゃなくて方向修正をするんです。
ただ、それを聞く麻生太郎さんが偉いんですよ。総理を入れた会議が終わってみんなが出たあとに、私だけ1人残って、「総理あんなこと言っていますけれども、これはちょっとちゃいまっせ」と、ことさら関西弁で説明する(笑)。
 そういう時に、麻生総理は私の話をすべて聞いてくれました。話は聞いてくださいますが、意見は聞いてくださらない(笑)。それで良いのですよね。判断するのは総理です。しかし、様々な意見や見方があることを、お伝えしておく必要がある。みんながイエスマンになっている時に、そうならないことが筆頭秘書官の仕事です。そして、何より総理がそうあることを私に求められたのだから、私はその役割を果たすことができたんだと思います。

 もう時間のようです。これからも、みなさんの地域を、そして日本を良くするために頑張ってください。

よんなな会では今後以下の日程で、イベントを開催予定です

・2019年9月15日(日)よんなな会in関西 甲南大学岡本キャンパス
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