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【内閣官房参与 岡本全勝 #2】前例がなくても恐れる必要はない

岡本全勝2

(PR)=HOLG.jpが本になりました「なぜ、彼らは『お役所仕事』を変えられたのか?」

震災後、元に戻らないもの

岡本氏:仮設住宅を5万戸作り、既存の住宅を5万戸借り上げしました。今、避難者数は47万人から5万人になりました。仮設住宅は、あと1年後にほぼゼロになります。他自治体から被災地の自治体へ累計9万5千人の職員が来てくれました。任期付職員の採用もしました。ボランティアは累計155万人です。

 今回の震災で初めて行ったのが、生業と産業の支援と、コミュニティ再建の支援です。初めて仮設の店舗を作って貸し出しました。買い物する場所がなかったわけですよ。それから工場も作りました。4分の3の補助金で加工場も作りました。これをしない限り町の暮らしは戻らないんです。
 日本は資本主義国家ですから、かつては事業者が自己責任で産業の再建をするという思想でした。しかし、未曾有(みぞう)の大震災では国家が支援しないといけない。それをしないと、住民の暮らしは戻らない。国だけでは無理なので、民間にも支援をお願いしました。インフラはお金があったらできるんですよね。産業は施設復旧まではお金で解決しましたが、売上が戻らない。コミュニティもお金では戻らない。

官民が対等な関係で互いの持ち味を生かす時代

岡本氏:阪神淡路大震災は、ボランティア元年と言われました。東日本大震災では、NPOが頑張ってくれました。そして企業の社会的責任。CSRという言葉は、阪神淡路大震災の時には浸透していなかったんです。従来は義援金と物資を提供するというのが、企業の役割だったんです。今は持っているノウハウを提供してもらうことになりました。
 これまで官と民の関係は、行政が民間に事務を委託する。あるいは民間に移譲するというような概念だったものが、対等な形でお互いの持ち味を生かす時代になってきているんだと思います。それから国民の防災・減災意識が高まりました。減災という言葉はこの東日本大震災で作った言葉です。従来はありませんでした。時代は変わっています。

公務員として意識をした2つのこと

岡本氏:私はこれまで、公務員を40年勤めました。なかなかできない経験もしています。たった1年の間に、4度の記者会見で頭を下げることもありました。

 私は座右の銘は持ってないのですけれど、難しい局面に来た時に自分に言い聞かせたことが二つありました。一つは、今やっている判断が、5年後10年後の国民、あるいは20年後の国民に説明できるかどうかと、自分に問いました。
 まずは嘘をついてはいけない。その場を切り抜けるための方便というのはあるかもわかりませんが、嘘は絶対ついてはいけない。閻魔さんの前に引き立てられた時に、胸を張って答えられるか、と。舌を出せと言われたら、閻魔さんの前で私の言ったことは正しかったと言えることを、一つの自負にしてきました。
 もう一つは、この仕事を私より上手にできるやつがいるか、と自問自答しました。これは傲慢な意味じゃないんです。東日本大震災で声がかかったのは、恐らく、私が地方自治体を知っている、霞ヶ関を知っている、官邸を動かすことができる、強引にでも物事を処理する。これで指名を受けたんだと思います。
 難しい仕事、初めての課題向き合った時に、「岡本全勝よりこの仕事が上手な人がいるか」と考えました。いるんですよね。「いない」と言えればかっこいいんですけれども、言い切れない。
 当然、私には欠けているところがいっぱいあります。じゃあどうするか。それは頭を下げて、その道のプロに聞きに行けばいい。あるいは、頼めばいいわけですね。私が常に自分で行う必要はないんです。この2つのことを意識していました。

前例がなくても恐れる必要はない

岡本氏:後輩たちを見ると、みんな同じようなことで悩んでいるので、「明るい公務員講座」という本を書きました。2年前に若手職員用、それから去年に中堅職員用を書きました。今月末(2019年3月末)に課長編を出します。
 その本にも書いていますが、前例がなくても、みなさん恐れることはないんですよ。あなた達にとっては初めてでも、結婚式は毎日やっているし、交通事故も起きているわけですから。だから1人で悩まずに経験者に聞きに行けばいい。

 明日8年を迎える大震災、政府は何をしたのか。みなさん方に伝えたかったことを繰り返します。未曾有の事態では前例がありません。その時に何をするべきか、次に何をするべきなのか。判断を待ってもらう時間的猶予はないんですよね。真夜中に「棺桶が足りません」と連絡が来たこともありました。ご遺体は待ってはくれません。香港から遺体袋というのを輸入しました。空き地に仮埋葬して、3か月後にもう一度ご遺体を掘り起こして火葬しました。
 起こって欲しくありませんけれども、南海トラフはかなりの確率で来る可能性があります。その時にもう一度また、我々、公務員の能力が試されます。

よんなな会では今後以下の日程で、イベントを開催予定です

・2019年9月15日(日)よんなな会in関西 甲南大学岡本キャンパス
・2019年11月16日(土)よんなな会@渋谷ヒカリエ

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