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総務省消防庁コラム1

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消防と技術者の共同開発で生まれたハイメディック専用間仕切り~第2波への備え!新型コロナウイルス感染症対策として~[豊田市消防本部(愛知県)]

(記事提供=総務省消防庁 広報誌『消防の動き』

豊田市民の安全安心のために

 豊田市消防本部(愛知県)は、車両の艤装に長けている地元の自動車関連企業である新明工業(株)(本社:豊田市衣ヶ原)の協力を得て、愛知県内では初めて、救急車への設置型の間仕切りを導入。全車両21台に設置した。新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、緊急事態宣言発令等で多大な影響を与えている中、当市においても、今後発生する恐れのある新型コロナウイルス感染症の第2波に備えるため、「豊田市新型コロナウイルス感染症ガイドライン」に基づき、対応をしている。当本部が保健所からの依頼を受けて行う移送業務や救急業務は、長時間の活動において機関員のゴーグルが曇るなど、救急車の安全な運行に支障をきたしていた。こうした状況を改善し、市民等を安全に搬送等できる環境の整備が喫緊の課題であった。

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豊田消防の要望で生まれた間仕切り

 間仕切りについては、それまではビニールシートでの養生により可能な範囲で対応していたが、ビニールシートは、養生設定に時間を要すことや感染ごみが増えたりする問題があった。今回導入した間仕切りにより、運転室を清潔区域に設定することができ、機関員のゴーグル着用が不要になるなど、個人防護具の軽減、暑さ対策と十分な視界の確保がされることで、救急車を安全に運行できるようになった。
 また、後部エアコンの吸気を運転室側から行うように加工したことで、空気の流れを一方向にすることを可能とし、運転室へ空気が逆流せずに機関員への感染を防ぎ、傷病者室には常に清潔な空気を供給できるようになった。

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現場目線で

 運転室と傷病者室の間には、取り外し可能な扉を設置した。これは、導入前と同様の使い勝手を維持させることが狙いである。新型コロナウイルス感染症事案への対応だけではなく、通常の救急事案に今まで通り対応できるようにするための配慮である。さらには、扉にガラス窓を設置し、運転室と傷病者室間の視認性を確保した。傷病者室で活動する隊員は、このガラス窓から車両の運行状況を視認でき、機関員との意思疎通を図ることができる。

 このほかにも、運転室を清潔区域に設定できるようになったことで、事案終了後に実施する消毒作業に要する時間を短縮させることができた。今までは、救急車内全ての空間を消毒しなければならない上に、ビニールシートの養生を一から再設定する必要があったが、これが不要となり次の出動への備えを迅速にすることができた。

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豊田市内全救急車に導入

 間仕切りは、軽量のアルミ製パネルと取り外し可能な扉で構成されている。これにより、既存の救急車に導入しても、車検上での構造変更の該当にならず、無駄な経費を支出しなくて済んだ。さらには、温度や経年による変形の防止や消毒が簡易的というメリットがある。これらは間仕切りを導入する決め手となった。
 現場で活躍する救急隊員の要望と「ものづくり」の街として、その風土が根付いている技術者の情熱により、こうした細かい配慮が行き届いたものが出来上がった。当本部は、21台全ての救急車(非常用4台含む)に間仕切りを導入し、今後更新する救急車にも全て導入していく予定である。移送業務では、3名の隊員での対応を基本とし、機関員を終始運転席に乗車したままとするほか、通常の救急業務では、必要に応じて人員の増強等により機関員を運転業務に専念できる状況を確保するように出動体制の見直しも行っている。
 今秋は、世界ラリー選手権(WRC)の会場となる。世界に通用する消防体制を目指していきたい。

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