(PR) 学びと人脈が自宅で手に入る。全国で300名以上が参加する、地方公務員オンラインサロンの詳細はコチラ

読者投稿

事例を知る 環境

【読者投稿】住民・自治会との協働によるエコなまちづくり

テーマ:他の自治体が真似できる具体的な取り組み
有田川町役場 環境衛生課 上野山 友之さんより
---------------------------------------
 有田川町では「有田川というエコのまち」を合言葉に、持続可能なまちづくりを経済性とまちのイメージの両面から進めています。地域のエネルギーは地域で創る、分ければ資源、混ぜればただのゴミという二つの大きな軸となる考えのもと、住民・自治会との協働で進行中のエコなまちづくりについて紹介します。
 現在の取り組みは、合併前からの取り組みが土台となっています。特に、旧吉備町では環境行政に力を入れており、長年の努力でゴミ集積場のステーション化を平成10年頃に達成しました。これにより露天出しであったゴミを自治会管理の建屋型等の集積場へのゴミ出しへと移行できました。また、平成12年には旧吉備町が近畿の自治体初となる風力発電設備(230kW)を設置し、まちのシンボルとなりました(故障により現在は撤去)。
 合併後の大きな転機となったのが資源ゴミ収集運搬処理業務のマイナス入札化です。従前は随意契約により、年間約3,200万円を支払い、業務を委託していました。しかし、先述のステーション化と住民のゴミ分別意識の高さにより、雨濡れが少なく再分別の必要がない高品質の資源ゴミが評価されるのではと考え入札を行ったところ、委託費がマイナスに移行し、現在では年間210万円の収入となっています。これにより削減できた費用は、「低炭素社会づくり推進基金」としてエコな使途に充てるよう、積み立てを開始しました。
 そして、平成21年度より「有田川エコプロジェクト」を立ち上げ、再生可能エネルギー(以下再エネ)関連事業にも本格的に取り組み始めました。まずは、先述の基金を原資に、住民の再エネ利用促進を目指して太陽光発電・太陽熱利用設備の設置補助制度を導入しました。ゴミ減量の面では既に実施していた生ごみ処理機購入補助に加え、コンポスト無償貸与制度を新設し、住民のエコ活動の活発化を図りました。
 さらに、町イベントのどんどんまつりでは、課のブースを出し、生ゴミ水切りネット配布を中心とした生ゴミダイエットキャンペーンや公立保育所と連携した子ども服古着バザーを開催するようになりました。なお、バザーの売り上げは絵本の購入代金として保育所に還元しています。
 また、町事業として、プラスチック収集場の屋根へ平成25年度に11kW、平成27年度には30kWの太陽光発電設備の設置を行いました。平成28年度には廃校になった小学校への46kWの太陽光発電設備の設置も行い、使われなくなったインフラを稼ぐインフラ化することができました。これら発電所建設についても、基金を活用していますが、売電収入も基金へと積み立てるため、財政面においても循環型の仕組みが構築できています。
 プロジェクトの目玉であった町営二川小水力発電所建設については、ダムと維持放流設備に掛かる持分負担の解決が大きな課題となりましたが、粘り強く県との交渉を続け、平成24年8月に知事部局の判断により、負担金の大幅な減額が実現しました。そして、同月に実施設計等の委託契約を行い、平成26年9月に建設工事に着手。平成28年2月に発電所が完成しました。本発電所は平成28年度には約5,000万円の売電収入があり、これらは先述の基金を包括して新設した「循環型社会の構築と自然エネルギー推進基金」へと積み立て、現行の補助制度に加え、小中学生への環境教育や公共施設への再エネ設備設置等の事業へと活かしていく予定にしています。
 そして、エコなまちづくりを通して、まちのブランディングや住民の住みがい向上、町財政への好影響を目指し、人口減少時代を生き抜く持続可能なまちへと歩んでいければと考えています。
(有田川町役場 環境衛生課 上野山 友之)
---------------------------------------

▼「地方公務員オンラインサロン」のお申し込みはコチラから
https://camp-fire.jp/projects/view/111482
全国で300名以上が参加。自宅参加OK、月に複数回のウェブセミナーを受けられます

▼「HOLGファンクラブ」のお申し込みはコチラから
https://camp-fire.jp/projects/view/111465
・月額500円から、地方公務員や地方自治体を支援することが可能です

※facebookとTwitterでHOLG.jpの更新情報を受け取れます。

「自治体職員」「地方議員」「民間」「自治体職員志望の学生」の方からの読者投稿を募集

 Heroes of Local Governmentでは、「自治体職員」「地方議員」「民間」「自治体職員志望の学生」の方からの読者投稿をコチラから募集しています。地方自治体や地方自治体職員の方にまつわるお考えや想いを投稿いただけたら嬉しいです。
■応募トピック
トピックは下記の通りです。
【自治体職員の方】
①地方自治体で仕事をしている中で感じる喜び・大変さ
②上司や部下、同僚に感謝をしたエピソード
③住民に喜んでもらえたエピソード
④地方自治体における課題と提言
⑤他の自治体が真似できる具体的な取り組み
⑥匿名だから言える『本当に知ってほしいこと』
⑦その他
【民間の方】
①自治体組織や自治体職員に感謝していること・すごいと思ったこと
②その他
【自治体職員志望の学生の方】
①なぜ自治体職員になりたいのか
②どのような自治体職員になりたいか
③その他
読者投稿はコチラから

-事例を知る, 環境
-

© 2020 Heroes of Local Government , All Rights Reserved.