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週刊 寺本英仁「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方 第9号(HOLG版)

本記事では、有料メルマガ「週刊寺本英仁@島根県邑南町/「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方」の一部(A級グルメ連合についてのストーリー)をご覧いただけます。なお、掲載するメルマガは約3か月前に配信した内容です。最新かつ、全文の閲覧を希望する場合はコチラからお申込みください。

【第9号の目次(2019年8月7日配信)】
1.近況ーーマスコミの人たちとのつきあい方
2.里山レストラン「香夢里」は立ち止まらない(9)
3.<A級グルメ連合>の仲間たち 都農町編(3)
4.著書の案内、質問募集!など

メルマガの一部をHOLG.jpに公開いただいています。

3.<A級グルメ連合>の仲間たち 都農町編(3)
=志を同じくする5市町の取り組みを連載形式で紹介します!

 山本氏と猪股氏に誘われて訪れた店は、鶏肉料理の名店だった。だが、実は僕は鶏肉が苦手なのだ。そして席に着くなり、前菜で鶏レバーの刺身が登場したのだった。
 2人を前に、食べないわけにはいかない。清水の舞台から飛び降りる気持ちで口に入れると、フレッシュでなんとも肉汁までもがクリーミーなのである。
 「この鶏肉嫌いの僕が食べることができる」感動した。
 山本さんが言うに、朝絞めた新鮮な地鶏らしい。どうりで美味いはずだ。みなさんも宮崎県で出かけることがあれば、川南町の「黒木食鳥」に行ってみてほしい。
 もっとも、都農町から邑南町への帰路、鶏肉嫌いが克服できたと思い、高速道路のサービスエリアで鶏肉の唐揚げを食べてみたが、やっぱり、食べることができなかったから、この店の鶏肉が特別に美味しかったのだ。
 川南町の「黒木食鳥」で、山本さんは少し寂しげに語っていた。
 「邑南町は<A級グルメ構想>を始めてから、たくさんの飲食店の起業家が生まれたけれど、都農町はまだまだ飲食店が少ないです」
 しかし、僕は都農町には大きな可能性があると思った。
 なぜなら農業生産額は150億円もあり、ふるさと納税3年連続大賞を受賞するだけの、牛肉や豚肉、鶏肉、マンゴー、トマトなど多彩な「A級食材」があるからだ。
 2010年、口蹄疫で宮崎県の畜産業界は絶望的な状況を迎えた。
 その畜産の中心が、この都農町や隣町の川南町であった。しかし畜産王国、いや農業王国宮崎の中心的存在のひとつである都農町は、ふるさと納税制度を活用し、見事に復活をしつつある。
 あとは「本当に美味しいものは地方にあって、美味しいものを知っているのは地方の人間である」という<A級グルメ構想>の理念を貫き、現状の飲食店を盛り上げるとともに、都農町の食材を使った料理人が全国から押し寄せて、都農で起業してもらうシステムを作るだけだと感じた。
 これはアドバイザーである僕に与えられた大きな役目でもある。そう思うと、意欲が湧いた。
 そして、今回、都農町で取材したかったもうひとつが、ふるさと納税で集まったお金を、町の人材育成に活用していくという新しい取り組みだ。
 都農町は今年度、先述のふるさと納税専門事業所とほぼ同時期に一般財団法人「つの未来まちづくり推進機構」を立ち上げている。
 この機構は主に(1)医療を核とした保健、介護、福祉の連携 (2)産業振興・地域振興の推進 (3)教育、人材育成 を実施するために、ふるさと納税で集めた資金から10億円の出資を受けて取り組むというのである。
 A級グルメ連合の取り組みも、この財団が担当するらしい。
 地方の自治体は多くの財源を国の交付税に頼っている中で、都農町はふるさと納税を活用して基金を積み、10年後、20年後を見据えて、町の課題をクリアしていこうとしているのである。
 これに関わっているのが、甲斐慎一郎さんと猪股利康さんだ。コンサルタントの金山宏樹さんが、邑南町に最初に連れてきた2人である。
 僕は甲斐さんに質問をした。
 「財団の意味はよく、理解できますが、医療・保健・福祉と産業振興や地域振興を一緒に取り組むのは少し無理があるのでは?」
 「超高齢化社会を迎える中、町の高齢者が健康な体を維持してくれて、生涯、やりがいのある仕事を続けてくれたら素晴らしいではないですか」
 甲斐さんは自身満々に答える。
 同感だった。農業王国・都農で、みんなが元気で仕事ができる、これは都会では味わうことのできない幸せではないか。これを推進する組織の原資がふるさと納税なんて、本当にお洒落な発想だと思った。
 ふるさと納税専門事業所が「外貨」を稼ぎ、つの未来まちづくり推進機構がその金を町の将来に使う本当にすごいシステムだ。この発想をしているのが、都農町の河野町長だ。
 河野町長はもともと役場職員で財政課が長いのだそうだ。将来に渡る卓越した町の財政ビジョンを持ち合わせているとともに、人材活用が抜群に上手いと感じた。
 お金を集める側には、町の若手職員だった山本さんを起用し、福祉や産業振興など人材の育成には宮崎県庁から出向の甲斐さん、町のPRには観光協会職員だった猪股さんと、適材適所で人を動かしている。
 この3人の職員に、それぞれ町長の印象を聞くと三者三様に言い回しが違うが「町長に惚れてるな」と思った。
 邑南町もそうだが、地方創生のトップランナーと目されている町は、首長が職員にある程度権限を与え自由にさせる町が多い。
 自分も邑南町長に感謝しないといけないところだ(笑)。(つづく)

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